風華風唱-400年経った世界は残酷で優しかった

Aime

文字の大きさ
31 / 44
2章

27.

しおりを挟む
Side:義樹

奥のほうから悲鳴が響き渡るが俺には何も出来ない。


俺と一緒に奥を見ている黒髪の人、確か唯都はライと呼んでいたな。



「あ、あの…」



ライさんはクイッとメガネをかけ直し、俺を横目で見る。



「あぁ、自己紹介がまだでしたね。私は高宮來珂です。姫に連れていかれたのは氷山悠紀。先程ら悠紀が失礼しました。」



「い、いえ。俺は平良義樹です。」



「ここには限られた人しか来れないため、顔見知りしか居ないのです。ちょっと前の仕事でヘマをしていたので悠紀はいらついていたので、知らない人に噛み付いてしまいました。我々は姫の部下です。あなたは?」



「俺は唯都の友人です。授業でアヤカシの討伐があって、俺の武器を見繕ってくれるということでここには来ました。あの、唯都の部下ってどういうことですか?」


「おっと、失礼。これ以上は姫から聞いてください。」



唯都の部下、が少し気になり問いかけてみたが高宮さんにははぐらかされてしまった。


他に唯都の学院生活の話をしながら待っていると、気絶した氷山さんを引きずって唯都が出てきた。



「おまたせ。」


「ゆ、唯都…」


ぽいっ、と高宮さんに氷山さんを投げた唯都はふぅと息をはく。



「ん、何?」


唯都は持っていたロングソードをぶんっとふりながらこっちをみる。


ぴゃん―


どこからか、水滴が頬にあたり思わず辺りを見回す。


確かここに水回りのものはなかったはず…


「?あぁ、そうだ義樹。」


俺の行動に不思議そうにした唯都は何か思い出したのか剣の方を渡してきた。



「義樹にはこれを渡そうと思って連れてきたんだよ。……これは今はちゃんと言えないけど、古の武器と呼ばれるもの。
対アヤカシ用武器で剣を扱うと水がでる。
義樹好きに名前をつけてみな。」



渡された剣を鞘から抜き、じっと見てみる。


持ち手には青い龍の彫刻。


刃の部分はきれいな銀にすこし蒼がまざった色。



「蒼輝-そうき。」


つぶやくと剣が蒼く輝いた。


「うわっ!!」


うっかり落としそうになったがぐっとつかみなおす。



輝いたのは一瞬だった。



だが、この剣と繋がったかのような感覚が芽生える。



「よし、。義樹、この剣の元の名は青龍。長い年月を経て持ち主が、居なくなった。今、この剣と感覚が繋がった感じがしたと思う。これからは義樹がこの剣の主だ。」



唯都はうんうん、と頷くと説明をしてくれた。



「今後武器を使う時はそいつを使ってやって欲しい。そこらの武器と違い、純度の高いヒヒイロカネを使っている。手入れもほとんど必要無い。」



「ひ、姫!彼に蒼輝それを?!」



「ライ。黙れ。」



唯都の容赦ない一言で高宮さんは黙ってしまった。



「・・・、・・・・・・。義樹、これは元々俺が保管してきたものだ。ライの事は気にするな。」



じっと高宮さんの方を見ていた唯都は何かを高宮さんに伝え、俺にも分かるように話してくれた。


高宮さんも頷くと、俺に会釈をし氷山さんを引きずって帰っていった。


「じゃあ俺たちも目的は済んだから帰ろうか。」


その後、学院に戻った俺たちは光に


「おっそーい!2人して僕を置いてどこ行ってたのさー」


と怒られた。

しおりを挟む
感想 1

あなたにおすすめの小説

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

久々に幼なじみの家に遊びに行ったら、寝ている間に…

しゅうじつ
BL
俺の隣の家に住んでいる有沢は幼なじみだ。 高校に入ってからは、学校で話したり遊んだりするくらいの仲だったが、今日数人の友達と彼の家に遊びに行くことになった。 数年ぶりの幼なじみの家を懐かしんでいる中、いつの間にか友人たちは帰っており、幼なじみと2人きりに。 そこで俺は彼の部屋であるものを見つけてしまい、部屋に来た有沢に咄嗟に寝たフリをするが…

告白ごっこ

みなみ ゆうき
BL
ある事情から極力目立たず地味にひっそりと学園生活を送っていた瑠衣(るい)。 ある日偶然に自分をターゲットに告白という名の罰ゲームが行われることを知ってしまう。それを実行することになったのは学園の人気者で同級生の昴流(すばる)。 更に1ヶ月以内に昴流が瑠衣を口説き落とし好きだと言わせることが出来るかということを新しい賭けにしようとしている事に憤りを覚えた瑠衣は一計を案じ、自分の方から先に告白をし、その直後に全てを知っていると種明かしをすることで、早々に馬鹿げたゲームに決着をつけてやろうと考える。しかし、この告白が原因で事態は瑠衣の想定とは違った方向に動きだし……。 テンプレの罰ゲーム告白ものです。 表紙イラストは、かさしま様より描いていただきました! ムーンライトノベルズでも同時公開。

BL 男達の性事情

蔵屋
BL
 漁師の仕事は、海や川で魚介類を獲ることである。 漁獲だけでなく、養殖業に携わる漁師もいる。  漁師の仕事は多岐にわたる。 例えば漁船の操縦や漁具の準備や漁獲物の処理等。  陸上での魚の選別や船や漁具の手入れなど、 多彩だ。  漁師の日常は毎日漁に出て魚介類を獲るのが主な業務だ。  漁獲とは海や川で魚介類を獲ること。  養殖の場合は魚介類を育ててから出荷する養殖業もある。  陸上作業の場合は獲った魚の選別、船や漁具の手入れを行うことだ。  漁業の種類と言われる仕事がある。 漁師の仕事だ。  仕事の内容は漁を行う場所や方法によって多様である。  沿岸漁業と言われる比較的に浜から近い漁場で行われ、日帰りが基本。  日本の漁師の多くがこの形態なのだ。  沖合(近海)漁業という仕事もある。 沿岸漁業よりも遠い漁場で行われる。  遠洋漁業は数ヶ月以上漁船で生活することになる。  内水面漁業というのは川や湖で行われる漁業のことだ。  漁師の働き方は、さまざま。 漁業の種類や狙う魚によって異なるのだ。  出漁時間は早朝や深夜に出漁し、市場が開くまでに港に戻り魚の選別を終えるという仕事が日常である。  休日でも釣りをしたり、漁具の手入れをしたりと、海を愛する男達が多い。  個人事業主になれば漁船や漁具を自分で用意し、漁業権などの資格も必要になってくる。  漁師には、豊富な知識と経験が必要だ。  専門知識は魚類の生態や漁場に関する知識、漁法の技術と言えるだろう。  資格は小型船舶操縦士免許、海上特殊無線技士免許、潜水士免許などの資格があれば役に立つ。  漁師の仕事は、自然を相手にする厳しさもあるが大きなやりがいがある。  食の提供は人々の毎日の食卓に新鮮な海の幸を届ける重要な役割を担っているのだ。  地域との連携も必要である。 沿岸漁業では地域社会との結びつきが強く、地元のイベントにも関わってくる。  この物語の主人公は極楽翔太。18歳。 翔太は来年4月から地元で漁師となり働くことが決まっている。  もう一人の主人公は木下英二。28歳。 地元で料理旅館を経営するオーナー。  翔太がアルバイトしている地元のガソリンスタンドで英二と偶然あったのだ。 この物語の始まりである。  この物語はフィクションです。 この物語に出てくる団体名や個人名など同じであってもまったく関係ありません。

【8話完結】帰ってきた勇者様が褒美に私を所望している件について。

キノア9g
BL
異世界召喚されたのは、 ブラック企業で心身ボロボロになった陰キャ勇者。 国王が用意した褒美は、金、地位、そして姫との結婚―― だが、彼が望んだのは「何の能力もない第三王子」だった。 顔だけ王子と蔑まれ、周囲から期待されなかったリュシアン。 過労で倒れた勇者に、ただ優しく手を伸ばしただけの彼は、 気づかぬうちに勇者の心を奪っていた。 「それでも俺は、あなたがいいんです」 だけど――勇者は彼を「姫」だと誤解していた。 切なさとすれ違い、 それでも惹かれ合う二人の、 優しくて不器用な恋の物語。 全8話。

拝啓、目が覚めたらBLゲームの主人公だった件

碧月 晶
BL
さっきまでコンビニに向かっていたはずだったのに、何故か目が覚めたら病院にいた『俺』。 状況が分からず戸惑う『俺』は窓に映った自分の顔を見て驚いた。 「これ…俺、なのか?」 何故ならそこには、恐ろしく整った顔立ちの男が映っていたのだから。 《これは、現代魔法社会系BLゲームの主人公『石留 椿【いしどめ つばき】(16)』に転生しちゃった元平凡男子(享年18)が攻略対象たちと出会い、様々なイベントを経て『運命の相手』を見つけるまでの物語である──。》 ──────────── ~お知らせ~ ※第3話を少し修正しました。 ※第5話を少し修正しました。 ※第6話を少し修正しました。 ※第11話を少し修正しました。 ※第19話を少し修正しました。 ※第22話を少し修正しました。 ※第24話を少し修正しました。 ※第25話を少し修正しました。 ※第26話を少し修正しました。 ※第31話を少し修正しました。 ※第32話を少し修正しました。 ──────────── ※感想(一言だけでも構いません!)、いいね、お気に入り、近況ボードへのコメント、大歓迎です!! ※表紙絵は作者が生成AIで試しに作ってみたものです。

転生したようだけど?流れに身を任せていたら悪役令息?として断罪されていた――分からないまま生きる。

星乃シキ
BL
発作の後に目覚めたら、公爵家嫡男の身体だった。 前世の記憶だけを抱えたまま生きるレイは、ある夜、男の聖女への嫌がらせの罪で断罪される。 だが図書室の記録が冤罪を覆す。 そしてレイは知る。 聖女ディーンの本当の名はアキラ。 同じ日本から来た存在だった。 帰りたい聖女と、この身体で生きるレイ。 秘密を共有した二人は、友達になる。 人との関わりを避けてきたレイの人間関係が、少しずつ動き始める。

灰かぶりの少年

うどん
BL
大きなお屋敷に仕える一人の少年。 とても美しい美貌の持ち主だが忌み嫌われ毎日被虐的な扱いをされるのであった・・・。

処理中です...