リオネル・デュランの献身

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 あの日の明け方ふと目が覚めた時には、もう彼はいなかった。
 生まれた時からずっと一緒。眠る時も、遊ぶ時も、学ぶ時も、アルベールは片時も彼を離さなかった。あの夜も身を寄せ合うようにぬくもりを分け合い、縋り付いて眠ったはずなのに。


 15年前、ディオレア王国は西の隣国シアナの侵攻により、国土の半分以上を失った。一度滅亡したと言ってもいい。王都ハイルの北に位置するディオレア属領を密かに取り込んだシアナは、自領との国境付近で起こした紛争をおとりにディオレア軍をおびき出し、手薄になった王都を北から急襲。たった一晩で陥落させた。
 国王は戦死、王宮はシアナ兵の蹂躙を許して焼け落ち、王族や側近はことごとく落命。臣下も散り散りになった。光の都と称されるほど栄えた王都ハイルは、あっという間にシアナ軍への恐怖に染まり、貴族や有力者が狩られる殺伐とした街へと生まれ変わった。

 あの時、あらゆる犠牲を払って王宮から逃がされたのが、5歳の王太子だったアルベールだ。母方の伯父と、侍女と、護衛二人。そして小姓である従兄と共に着の身着のまま城を逃れた。飢え死にしかけ、伝手を頼めば裏切られ、追っ手は執拗にかかり続けた。
 属領を大きく迂回し、広大な東部辺境を伝って姉の嫁ぎ先である大国マラテアにようやくたどり着いた頃には、アルベールは8歳になり、道連れは伯父と侍女だけになっていた。
そこからマラテアの保護を受けて、東部をまとめ上げ挙兵。無理な領土拡大で傾いたシアナを少しずつ突き崩し、王都奪還にこぎつけるまで丸10年かかった。さらに2年を費やしてかつての領土をすべて取り戻した今、ディオレアは王国復活の熱に浮かされ、空前の復興景気に沸いている。


 午後の来客まで間があったため、移動ついでに立ち寄った。アルベールがその地方貴族の尋問に同席したのは、ほんの偶然だった。捕らえた刺客を尋問してたどり着いた、冴えない小物だ。
 アルベールはこの国がまだ、地方領主の不満を解消するほど豊かになっていないことも、国民が熱狂するほど自分が彼らに支持されていないことも、嫌というほど分かっている。シアナと地続きの西側はもともと商業が発達していて、領主は商人から常に値踏みされる土地柄だ。一方で広大な穀倉地帯と森林が広がる東部は、王国の歴史より前から続く家も多い。シアナの侵攻で失われた秩序はそう簡単には戻らない。寄せ集めて再構築した国は脆い。
 にわかに姿を現したアルベールに、男はへつらうように何度も頭を下げた。
「我がロクサナ家は先々代の国王陛下より爵位を賜り、祖母は王宮の侍女を長年務めた忠誠心の厚い家でございますれば、二心など抱こうはずもございません。陛下が落ち延びられた際も、精一杯のご協力をいたしました。私が陛下を害すなど、とんでもない…何かの間違いでございます」
 額に汗をにじませながら、小太りの中年男は微笑みを顔に張り付け言い募る。拘束されてから幾日か経っているのだろう。汗じみた襟元が見るに堪えない。
「御託はいらん!捕らえた者がロクサナ家の当主に頼まれたと証言している。宰相閣下によれば現場に残された荷馬車は、お前の地方独特の作りだそうだ」
 尋問官が声を張り上げると、
「そんな、存じ上げません!そんな誰とも知れない悪人の証言を鵜呑みにされるので?まして馬車など、どこからでも運んでこられます!」と叫んで、男は大きくかぶりをふった。
 小刻みに震える額から、汗が流れ落ちる。
 やがて、興奮した自分を恥じたのかロクサナ男爵はふうと一つ息をつくと、暗い顔で俯き、しばらくして上目遣いでアルベールに視線を送った。
「宰相閣下…リヴィエール卿こそ、陛下の片腕として権勢を誇っておられますが、果たして清廉潔白なお方かどうか」

「…何をもってそう考える?」
 アルベールが素っ気ない声で問うと、ロクサナ男爵はぎごちなく笑い返した。
 寄せ集めの家臣と、戦の才には恵まれたものの知略はからきしの自分とでは、再建途中の国政はとても成り立たない。新しいディオレアの政治がまがりなりにも軌道に乗っているのは、伯父がいたからだ。伯父の後ろ暗い話など、探せばいくらでも出てくる。
 しかし、その日聞いた話は少々毛色が違った。
「古い話になりますが、拙宅で陛下の御身をお隠し申し上げた際、リヴィエール卿とは何度か酒を酌み交わしたことがございましてな。王都陥落の後、国境をすり抜けて逃れ、属領を手なずけられたお話にはいたく感心しました。そこでふと興味を持ちまして、急な事でしたのに金はどうして工面されたのか聞いてみたところ、『人を売った』とおっしゃるもので…」
「なんだその奇妙な昔話は。今回の件と関係があるのか?」
 尋問官が怪訝そうに話を遮る。
 しかし男は、アルベールの顔色が変わったのを見逃さなかった。
「いえいえ、リヴィエール卿が頭の切れる方であることは周知の事実ですが、信頼に足るお人柄かどうか…という話をしております。何かの例えかとも思いましたが、卿はうっかり口を滑らせたという様子でそれ以上語られませんでしたので…」
 乾いた唇を舐めながら、男が続ける。
「逃走資金ともなれば相当な額。まさか村一つ売っておしまいになったのか」


 あの日、夜明けに目覚めた時、アルベールは彼の細い腕ではなく重い毛布に包まれていた。侍女からは、伯父と彼と護衛のうちの一人は、この土地の領主宅へ助力を頼みに出立したと聞かされた。
 アルベールは仕方なく寒村のはずれの廃屋で帰りを待ったが、戻ってきたのは伯父と、傷を負った護衛だけだった。
 途中で追っ手に襲われ、彼は命を落としたという。
 アルベールは遺体でもいいから一目会いたい、できるかぎり丁重に葬りたいと懇願したが、逃亡中の身で叶えられるものではなかった。
 生まれた時からそばにいた半身のような彼が、自分を置いてこの世からいなくなった。アルベールが王位を継いだ後も、生涯必ず側に仕えると誓ってくれた彼が。
 優しいまなざしを向けて囁いた「ずっとそばにいる」という言葉は、噓だった。
 アルベールは半狂乱で泣き叫び、しばらくは口もきけなかった。大人たちは放心状態の王太子を担いで森を抜け、国境を越えた。アルベールはあの頃の記憶がひどく曖昧だ。


(国境には民を国内に留めるために、多くのシアナ兵がいた。避難民の多くはディオレアを脱出できずにあの場にとどまっていた。それでも、国境を通る者は皆無ではなかった…)
 必死で当時の状況を思い出す。
 どうして自分たちが国境を越えられたのか。
(……金か)
 彼ならば、村一つ分といっていいほど高く売れたかもしれない。
 5歳の子供にはわからなかったが、おそらく充分な袖の下を用意できる者だけが、国境を越えて属領へ逃れることができたのだ。寒村の隠れ家にいた時はろくな食事もできないほど金に困っていたのに、シアナ兵に渡す賄賂が急に湧いて来るはずがない。
(売られたのなら、もしかして…生きている可能性がある……?)
 
 アルベールが祖国復活に心血を注いだのは、彼の死を無駄にしないため。ただそれだけだった。この国はアルベールと彼をつなぐ唯一の絆で、失えば彼が生きていたことさえ幻になるような気がしたからだ。
 懸命に目的に向かってひた走っているうちは気もまぎれたが、王都を奪還してしばらくすると、朝まで続けて眠ることができなくなった。繰り返し、繰り返し、彼を失う夢を見ては夜中に目覚める。ここ何年もまともに眠れていない。
 夜明けが怖い。眠っては駄目だ。あの日アルベールが眠ってさえいなければ、彼の手にすがることもできた。引き留めることができたかもしれない。

「陛下?どうかなさいましたか?」
 物思いにふけるアルベールを訝しんで、フロイエが声を掛けた。執務室にはいつの間にか夕日が差し込んで、絨毯も家具もみな真っ赤に染まっている。
「…人を、探してほしい」
 ようやく発したアルベールのかすれた声に、「かしこまりました」とフロイエが答える。フロイエはかつて地方官でありながら、シアナに対抗する組織を束ねていた経歴がある。非公式の配下には探索の得意な者が幾人もいる。
 先日の襲撃がらみかと見当をつけながらふと主の顔を眺めると、最近はついぞ見たことがないほど緊張し、瞳が恐ろしいほど輝いていた。戦でも始まるかのようだ。
「どなたをお探ししますか?」
 国民の前で見せる威厳も、臣下の前で見せる風格も、騎士団の前で見せる威勢も、主が器用に演じ分けていることをフロイエは知っている。つくろわないアルベールは年齢相応に幼く、彷徨うように不安げで、最近はいっそ無気力にも見える。
(この表情は珍しい)
 フロイエが姿勢を正す。
 アルベールは強いまなざしでひたと見据えながら、告げた。
「名前はリオネル。銀の髪と瞳を持った、とても美しい人だ」


 ようやく年齢や特徴の近い人物が見つかった、という報告に至ったのは、フロイエに指示が出てから三月後だった。銀髪はこの国ではそこまで珍しいものではない上、髪は染めようと思えばいくらでも染められる。ただ、銀の瞳を持つ者はそう多くない。銀髪の者はたいてい青い瞳を持つのに対し、リオネルの瞳は朝の陽光を散らしたような淡い銀色だった。
「スフィエにそれらしき人物がいる、とのことです。ただ、住んでいる場所が場所ですので、名前はもちろん一致しません。出自などは調べようもありませんし、容姿ですら偽りの可能性があります。」
 フロイエは書き付けを繰りながら述べた。なかなか報告を上げないことに、アルベールが焦れているのは分かっていたが、この探索のきっかけとなる情報自体が、何らかの作為をもってもたらされた可能性がある。その場合、たどり着いた人物こそ警戒対象であり、最悪の場合こちらは恰好の獲物になってしまう。慎重に吟味した結果、時間を要した。
「場所が場所、とはどういう意味だ?」
 執務席に坐したアルベールは、睨むように見上げた。
 フロイエは一息吐いて腹をくくる。
「その人物は、スフィエの街で一番高級な娼館の、男娼なんです」
「男娼…」
 アルベールは絶句した。
「つまりそれは、体を売って暮らしている、と?」
「…娼館はそういうところですからね。まあ、幸いにも金持ちの男しか入れない高級店のようなので、食うに困っているということはないと思います。狼藉を働けばつまみ出されるし、館主の眼鏡にかなわなければ敷居をまたぐことも許されないそうで。シアナ時代も上手く立ち回って、堅実に経営を続けてますね」とフロイエは淡々と説明する。
 高値で取引された少年の末路としては、男娼はごくありきたりといえる。頭ではそう理解できるが、衝撃は禁じ得ない。
「もちろん娼館自体にはまだ探りを入れられませんので、客からの情報を集めた結果です。年齢、容姿、売られてきた時期はおおむね合致します。そして、学者や文化人と対等に渡り合えるほど、頭脳明晰で教養があることも」
 かたんと椅子を蹴って、アルベールは思わず立ち上がる。
 喜びなのか、悲しみなのか、怒りなのか、名前の付けられない感情が湧き上がってくる。
 死んだと思っていた幼馴染が生きているかもしれない。もちろん会いたい。しかし、男娼に身を落としたという彼が、あの頃と全く変わってしまっていたら…?
 そもそも、自分はどんな顔をして会えばいいのか。今の立場はあの日の彼の犠牲と献身がなければ、決して手に入らなかった。華々しく復興してゆくディオレア期待の新王を、彼の前でも演じるのか。彼はそれどんな思いで見るのか。
 情けなく縋り付きそうな気がする。理不尽に罵倒してしまうかもしれない。
 彼以上に心を許した人は、いなかったのだから。
「潜入してもう少し探らせますか?」
 紙片を束ねるフロイエに、アルベールはかぶりを振った。
「いや、俺が行く。予定を空けられるか?」
「やりましょう。警護の方が問題です。この件自体が罠かもしれませんし。そうでなくとも、いったん別の街へ迂回して偽装しないと危険ですね」
 フロイエはたちまち出立の算段をつけ始める。近衛騎士に指示を出し、執務室を出ようとして、思い出したように振り返った。
「しかしいくら陛下でも、15年も会ってない人がわかるんですか?」
 不敬に問われそうな直球でフロイエが問うと、アルベールは暗い微笑みを浮かべた。
「絶対にわかる。彼を夢に見ない日はないんだ」



 娼館の二階からは、花模様の繊細な飾り格子を通して、階下の広間を見渡せる構造になっている。他の客と鉢合わせしないために開店前に訪れた。昼下がりの今、店は準備の時間だ。
 彼が広間の端で、他の男娼たちと卓を囲んで笑っているのが見えた。天使の様に愛くるしかった少年は、15年の歳月を経てすらりと細身の青年に成長してはいたが、可憐な雰囲気はそのままだった。
 かつて着ていた簡素な上衣と短い脚衣といういでたちではなく、紐で縛るだけのきわどい薄物を身にまとい、白い肩はむき出しになっている。腰までまっすぐに伸びたつややかな銀髪。瞳の色までは確認できないが、整った優し気な面差しは変わらないまま、落ち着きが加わってしっとりと美しい。
 布で顔を覆い頭巾を目深に被ったアルベールは、心臓のあたりをぎゅっと掴んで息をつめた。鼓動が早くなって、頭が重い。
「リアンは作法も教養も身に着けており、芸術面のお話にもお付き合いできますので、身分のある方のお相手には適任でございます」
 館の主がフロイエに向かって説明する。年はいっているが、甘い容貌と赤毛が妙に色気のある男だ。アルベールの様子を横目で見て、フロイエが交渉に入る。スフィエ近郊の聖地を訪れた金持ちの訳あり息子が、こっそり男を買うという設定になっている。
「少々事情がありまして、主人は顔を人目にさらすことができません。男娼には主人の顔を見ずに接客してもらいたいのです」
 本物の彼だと分かったとしても、敵でないとは限らないと、フロイエからは道中さんざん言い含められている。15年の間にどんな経緯でどんな勢力に属しているかわからないし、逆に何もなかったとしても、今アルベールとつながりを持つことで彼にどんな危険が及ぶかわからない、とも。
 ひどい顔貌をしているか、傷の跡でもあると思ったらしい。館主は「それは大変ですね」と大げさに眉をひそめた。そしてアルベールに向き直る。
「もしよろしければ、リアンの方に細工をいたしましょうか?旦那様がそのまま閨に入られるのは窮屈でしょうし、いっそ男娼の方を見えなくしてしまった方が、間違いも起きないと思います」
「…細工とは、どのように?」
 アルベールが問うと、館主は手で自分の片目を隠して見せた。
「リアンに目隠しをさせます。体のお相手をする分には問題ありません」
 フロイエは「顔を隠してどうやって確認するのだ?」と目線で問うてきたが、アルベールはしばらく黙考し、館主の提案を採用した。


 アルベールが部屋に踏み込んだ時、彼は長椅子から立ち上がった所だった。よろめきながらこちらへ歩み寄る。急に視界を遮られて、おそらく体の制御がつかないのだ。
 無骨な革製の目隠しがせっかくの美貌を大いに邪魔していたが、アルベールは彼が見えていないことに心から安堵して頭巾を脱ぎ落とした。
(視線を交わす勇気が出ないだけだ…)
 自分のあまりの臆病さと卑怯さに、吐き気を覚える。
「はじめまして。リアンと申します。よろしくお願いします」
 耳の奥が震える。リオネル、と本当の名前を名乗らなくても彼だとわかる。柔らかく優しい声は多少低くなったものの、あまり変わっていない。毎夜夢に見る声だ。
 何か話したいが、言葉が出てこない。
(会いたかった。今まですまなかった。…きみの犠牲がなければ俺は死んでいたし、ディオレアも奪還できなかっただろう。…いや…あの時どうして俺を置いて消えてしまったのか。ずっとそばにいてくれるという約束を、どうして反故にしたのか)
 頭の中で暴風が渦を巻いて吹き荒れているようだ。

 ふと気づいた時には脚衣の前はくつろげられ、彼の唇が自分の性器に触れていた。
 あたたかく湿った小さな口に肉棒が吸い込まれてゆく。
 幼い自分が口付けたくてためらったあの唇が、濡れて、官能的に動く。
(リオ…?)
 一気に頭に血が上る。
 こらえ切れずに彼を掴んで乱暴に揺らし、あっという間に昇り詰めた。
 彼が苦し気に呼吸を繰り返す。アルベールが放った精は唾液と共に彼の口からあふれ、喉まで汚していた。その罪深い光景にさえ湧き上がる欲望を抑えながら、残ったひとかけらの理性で無体を詫びようとした瞬間、
「申し訳、ありません。失礼を…いたしました」
 彼の方から、息も絶え絶えに謝罪してきた。
 アルベールは自分の中で、凶暴な怪物が身をもたげるのを感じる。
(そうだ。リオは…俺が誰か分かっていない。…俺は今きみの「客」なんだ…)
 理性がふつりと焼き切れた。


「…震えてますよ、陛下。何かありましたか?」
 控室として用意された部屋に戻ったアルベールの様子に、フロイエが首を傾げる。もう夜半を過ぎているが、微かに聞こえる嬌声や楽の音はまだ止まない。
「一向にお戻りにならないので気を揉みました。まさか目的を忘れてお楽しみでした?」
 フロイエらしく冗談のつもりで言ったのだろうが、なかなか鋭い。実務に長けた者をと引き抜いたフロイエは思いがけず優秀で、今となっては数少ない信頼のおける側近だ。
 返す言葉がなくて沈黙する。
 瞳は、隠されて見えなかった。だからこちらのことも、見られずに済んだ。
「……間違いなく、彼だ。声は…あまり変わってなかった…あんな…」
 白い体は強く掴むと折れそうだった。頭の中が熱くなって何かが溢れた。
 震える手をもう一方の手で押さえて俯くアルベールに、フロイエが外套を着せかける。用が済んだのなら、長居をしている暇はない。
「何か聞き出せました?あやしい点はありませんでしたか?」
 来訪の目的は、彼が本当にアルベールの探している人物で間違いないかどうか、ひとまずこちらの身分を明かさずに確認すること。確証が得られればいったん持ち帰って、詳細を調べてから次の手を打つ、と段取りをした。
 警護の観点からもフロイエが同席するのが望ましかったが、アルベールは一人で会うと言って聞かなかったのだ。
 アルベールがぐっと下唇をかみしめる。
「…何も話してない」
「え?……って、何も?こんな時間までかかって?」
 予想外の答えにフロイエが間抜けな声を上げると、アルベールは俯いて手で顔を覆う。
 生きていて、嬉しくて。
 でも変わっていて、悲しくて。
「…強引に、抱いてしまった」
 フロイエがぽかんと大口を開けて固まった。
「…………はぁ?」
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