伝説となる少年の成り上がり

時雨古鷹

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第一章

お披露目会

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 夜になった。今夜はお披露目会なので俺は少しワクワクもしたがなんだか面倒ごとに巻き込まれそうな予感がした。その予感とはお披露目会で自己中心的な貴族の子供に絡まれるというものだ。まあ予感というより俺が過去に、読んでいたラノベでそういうのを見たことがある。
 ちなみに今日のお披露目会では王女殿下も参加するらしい。

「エルヴィン、決して王女殿下に失礼のないようにな。話すときも決して不敬にならないように」

 父上がそう言ってきた。俺は初めての王城に気を取られて返事をするのを忘れていたがしっかり耳には入っていたのでわかりましたと返事をしておいた。

「そうだ、あともう一つ。陛下からの手紙が来ていてな。5年前に神託で指定された子供がお披露目会に来るらしい。その子供には称号欄に【世界を託された者】というのが入っているからその子供にも気をつけろ」

 それを聞いた俺は笑いそうになりかけたが返事をしておいた。俺がその称号【世界を託された者】を持っているからだ。でもばれなければいいかと思ったのであまり深くは考えなかった。
 暫くして王城にあるパーティー用の大ホールについた。そこにはもう今年5歳になる子供を持った貴族たちがほとんど集まっていた。
 暫くして国王陛下がホールに入ってきた。会場が静まりそこに国王陛下の声が響く。

「さて、今年5歳になった貴族の子息、令嬢達よ。儂がアーグムサパニア王国の国王、オーガスト・J・ショアだ。今日は新たな交流を持ち友人を増やしてほしい。そして今年は我が娘でありこの国の第一王女のアンナも参加する。存分に交流を深めてほしい。そして今年のお披露目会は例年とは違い特別だ。この中に【世界を託された者】という称号を持っている人がいる。しかし名前は分かっていない。もしその称号を持っている人にあったとしても普通に接してほしい。それでは、未来を担う子供たちを祝福して乾杯」

 国王陛下の言葉に合わせてお披露目会が始まった。まず最初に行うのは国王陛下への挨拶だ。この挨拶は位の低い貴族から行っていく。俺の家は男爵家なので一番最初に挨拶をしなければならない。

「ステュディ男爵家当主、トビン・ルイス・ステュディです。こちらがステュディ家5男のエルヴィンです」

 俺は緊張しながら挨拶をした。

「ステュディ男爵家5男、エルヴィン・ルイス・ステュディです。本日はこのような場におよびいただきありがとうございます」

 そして恐る恐る。顔を上げると陛下が何やら考えている。俺の視線に気が付いた陛下は忘れていたというような顔をした。

「すまんすまん。少し考え事をしておった。エルヴィン、これからもよろしく頼むぞ」

 そう言われたので俺は畏まりましたと言ってその場を去った。

―国王―

 ふむ、誠に立派な子供じゃ。神託で伝えらえた子ども、エルヴィン・ルイス・ステュディ。そして目の前にはまさに本人であるエルヴィン・ルイス・ステュディがいる。儂はスキルに鑑定を持っておるので悪いと思いながらも鑑定させてもらったが一部しか鑑定ができなかった。

「王国にとどまらせたいのぉ」

 儂がポツリとつぶやいたその言葉は誰にも聞かれることはなかった。
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