不良少女と風紀委員長

夜千流

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よわよわの晶ちゃん

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「にゃーん♡」

不良少女の晶は、下校途中の空き地で見つけた猫に話し掛けた
招き猫のポーズをとった晶の耳に、「カシャッ」というシャッター音が届く

「…!……フィガロ」
 
「やあ、愛らしい雌猫ちゃん」

「フーッ!!」

晶は、猫の威嚇を真似て、フィガロを威嚇した

「可愛い威嚇だね♡」

フィガロは、またしても携帯で晶を撮影する

「フシャーッ!!」

晶は、更に毛を逆立てる猫のように威嚇する

「そんなに怒らないで。ほら、きみにプレゼント」

「…!」

フィガロが差し出したのは、晶が幼い頃から好きだったアニメのマスコットキャラの限定ストラップだ
『使い魔のサクちゃん』
双子の王子様の使い魔という設定の黒猫である
晶は、サクちゃんの大ファンなのだ

「今日は、俺達が恋人になった記念日だからね」

「もう別れたでしょ!」

「きみが一方的に別れた気になってるだけだよ」

「しつこい!これ以上、付き纏わないで!」

「サクリフィキウムは、いらないの?」

「…いる。…ありがと」

「どういたしまして」

2人は並んで、駅へ向かう坂道を下る

「…ついて来ないで」

「せっかくの記念日なんだから、デートしよう」

「…サクちゃんのお礼だからね」

「やった♡」

久しぶりに、恋人繋ぎで街を歩く
 
「(1回デートするくらい、なんて事ない…。縒りを戻すつもりもないから…!)」

晶は、心の中で言い訳する

「晶は、何を食べたい?」

「…モンブラン」

「俺の好みに合わせてくれたの?」

「ちがっ…!偶々!食べたくなっただけ!」

「ふふっ…そう…」

フィガロは、嬉しそうだ
晶は、居心地の悪さを誤魔化したくて、金色に染めた髪に触れた




幼稚園の頃の夢…

お遊戯会の主役に選ばれた晶は、『白雪姫』を演じた
王子様役は、フィガロだった

「めざめておくれ、うつくしいひと」

毒林檎を食べて永遠の眠りについた白雪姫に王子様がキスをする場面だ

本来なら、キスをするフリだけの予定だったのだが、なんとフィガロは、眠る演技をする晶に本当にキスをしたのだ
この事態に、観客や園児を見守る先生達は騒然とした

晶のファーストキスは、まだ恋も知らぬうちに、フィガロによって奪われたのだ

晶とフィガロが友達になる前の出来事だ…

「んっ…あれ…?」

ガタン、ゴトンと揺れる電車の中で目を覚ました
意識がはっきりしてくると、晶は自分が『何か』に寄り掛かっていた事に気付く
晶が『何か』を見遣ると、そこには優しげな眼差しを向けるフィガロがいた
電車の座席に2人で並んで座っているうちに、晶は寝落ちしてしまっていた

「(デートの帰りに、なんたる失態…!)」

晶は、フィガロから距離を置こうとしたが、フィガロが晶の腰に腕を回していて、阻まれた

「ちょっと!放しなさいよ!」

晶は、フィガロの身体を両手で押し退けようとする

「つれない事言わないで、仲良くしようよ」

フィガロは、晶の肩を抱いてグッ、と引き寄せた

「最悪な気分…」

「俺は、最高の気分だよ」

悪態を吐く晶は、ふと、違和感を感じた
この車両には、自分とフィガロ以外に誰もいない…

「ねえ、フィガロ。私は、どれくらい眠ってたの…?」

「2時間くらいかな」

「はあ!?」

「もうすぐ終点だよ」

「なに呑気な事言ってるの!?気付いてたなら、起こしなさいよ!」

「眠ってる晶が可愛くて、つい…」

「ばっかじゃないの!?」

「あはは!」

今日のフィガロは、ずっと上機嫌だ
晶は、呆れ果てて反論するのも馬鹿らしくなった

「…………」

2人の間に、沈黙が流れる
ふと、フィガロが口を開く

「家に帰りたくないんでしょ?」

「………うん」

晶は、頷いた

「このまま、2人でどこかに行こうか」

まるで、逃避行のような台詞だ

「風紀委員長が、そんな事していいの?」

「今は、ただのフィガロだよ」

「…私も、今日だけなら…ただの晶になってあげる…」





電車を降りて、フィガロに連れられて辿り着いたのは…

「ここって…ラブ…!?」

ラブホテルだった
 
「学生が、こんな店に入れるわけないでしょ!」

「この店、俺のダッドの店なんだ」

「は?」

確かに、フィガロの父親は幅広く事業を展開している凄腕の経営者だと聞いた事はあるが…

「ほら、行こう」

「ちょっ、待ってよ…!」

強引に手を引かれた晶は、戸惑いながらも期待していた

「…なんか、意外」

ドぎつい、おピンクな内装を想像していた晶は、落ち着いた高級ホテルのような店内に拍子抜けした

「フィガロ様、ようこそお越しくださいました」

カウンターのホテリエが、フィガロの来訪を歓迎する

「やあ、俺の恋人を連れて来たよ」

「晶様ですね。お噂はかねがね、伺っております」

晶は、羞恥のあまりフィガロの後ろに身を隠した

「当店自慢のスイートルームへ、ご案内します」

晶は、フィガロについて来た事を後悔した

部屋に案内された晶は、フィガロに問うた

「…最初から、ここに来るつもりだったの?」

「うん。今日は、特別な日だからね」

一面、硝子張りの開放的な部屋からは、海が一望できる
満天の星空を背景に、フィガロは晶を手招いた

「天の川…」

「今日は、七夕だからね」

離れ離れの織姫と彦星が、1年に1度の逢瀬を許された日…
晶は、美しい星空に目を奪われる

「ねえ…そろそろ、こっち見てよ」

晶がフィガロへ視線を向けると、後頭部に手を添えて引き寄せられた
唇にフィガロの体温を感じて、晶は素直に目を閉じた





「(うぅっ…緊張する…)」

晶は、一足先にシャワーを浴びて、ダブルベッドに寝そべって、フィガロを待っていた

「お待たせ、晶」

シャワールームから出て来たフィガロは、今まで見たことがないくらいの色気を纏っていた
晶は思わず、シャワールームとは反対の大きな窓へと、顔を背けた

「ねえ…俺を見てよ、晶」

バスローブを着たフィガロが晶に覆い被さる
晶は、ちら、とフィガロの顔に視線を向けた
いつもの癖っ毛は濡れて頬に張り付いている
晶は、顔をフィガロに向けると、右手でフィガロの頬に張り付いた髪を耳に掛けてやった

「は…はっ、…あっ…」

互いに舌を伸ばし、舌先と視線を絡め合う
バスローブを脱がせ合って、性器を擦り付け合う

「(やば、…きもちい…)」

恍惚とフィガロを受け入れていた晶だが、ふと、下肢に目を向けて愕然とした

「(えっ…、無理!おっきすぎる…!)」

薄々気付いていたが、フィガロの陰茎のあまりの大きさに晶は怖気付いた

「やっぱり、だめ!」

「え、なんで?」

「むり!だめ!」

「…怖いの?」

「…うん」

「…はあ。仕方ないな…」

フィガロは、ベッドから身を起こすと、サイドテーブルの引き出しから小ぶりなバイブを取り出した

「初心者の晶には、『これ』ね」





「あんっ…ンッ…、ああっ…」

フィガロは、小ぶりなバイブで晶の[[rb:膣内 > ナカ]]を掻き回す

「あっ…!…そこ、…やば…!」

「なるほど、『ここ』が弱点ね…」

晶の『弱点』を探り当てたフィガロは、執拗に『弱点』を責めた

「あぁん、イクっ…!」

「はは、…よわよわの晶ちゃん♡」

フィガロは、あの決闘での晶の言動を根に持っていた
晶は、あの日の屈辱を思い出して怒りがふつふつ、と沸いた

「フィガロのばかぁ!」

せっかくの『いい雰囲気』が台無しである
2人の『ハジメテ』は、失敗に終わった
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