悪役令嬢だけど、私としては推しが見れたら十分なんですが?

榎夜

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15話

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スカーレットがいなくなった後、私がすぐ

「殿下、申し訳ございません。私が入ったらややこしくなると思って、介入が遅くなりました」

と謝ると、殿下は、大丈夫だ、と言って目を逸らした。

あらー...怒っちゃったのかね?

でも私が何回言ってもスカーレットはあんな感じだし、私が介入したらややこしくなるのは本当だよ?

全く......私にどうしろって言うんだよ。

...それにしても、イベントが全く起きてないんだけどさ、スカーレットはヒロインと見られていないのか?

いや、でも花の王子様の設定では私は完璧に悪役令嬢ポジションだよね?

うーん......と悩んでいると

「ナナリー嬢...っ!スカーレット嬢を何とかしてください!」

と言いながら息を切らした男子生徒が生徒会室に入ってきた。

『フィリップ・カーション』

花の王子様の攻略キャラの1人なんだけど、婚約者との仲が冷えきっていて、政略結婚だから、と諦めていた時にヒロインが現れて恋に落ちる、という設定。

明るくて愛嬌のあるヒロインに心惹かれていく、という感じだったね。


あぁ、このフィリップ様は婚約者との仲はめちゃくちゃ良いよ。

つい最近も仲良く手を繋いで帰るところを見かけたからね。

婚約者の『マリアナ』もゲームでは無口で大人しいキャラだったけど、ここでは心優しい大人しい令嬢で通っている。

照れて話せない、という裏設定を知ってる私がさりげなく2人の仲を取り持ったんだけど、上手くいって良かったわぁ...。

てか、マリアナ様の裏設定可愛すぎない?

「殿下に振られたスカーレット嬢がところ構わずデタラメなことを叫んでるんですよっ!俺に婚約者になれとか...無理無理無理!大体、俺にはマリアナという愛しい人がいるのに!」

頭を抱えてそう話すフィリップ様の様子を見ると、スカーレットは余程焦っているんだろうなぁ...。

とりあえずフィリップ様を落ち着かせて、話を聞くことに。

こんなに人を取り乱させるなんて、スカーレットは何をしたのよ......。



そして、話を聞いた私は驚いた。

スカーレットは生徒会室から逃げた後に、フィリップ様にロックオン。

いつも通り2人で帰ろうとしていたところを捕まってしまった挙句、マリアナ様に向かって

「フィリップ様は私を愛しているのよ!貴方は知らないかもしれないけど、私に愛を囁いてくれたわ!」

って叫んだのが事の発端らしい。

なんじゃそれ。

常にマリアナ様と一緒にいるフィリップ様がどうやったらそんなこと出来るんだよ。

しかも、フィリップ様を疑っている訳じゃないけどマリアナ様はスカーレットをどうにかするまで近付かないで、と言って帰ってしまったらしい。

......なるほど。そりゃ、フィリップ様は私のところに助けを求めに来るよな。

話を聞いた生徒会メンバーもスカーレットの行動に引いちゃってるし。

ほら、殿下なんて

「そんなのナナリー嬢の前でやられたら.........」

とか呟いて顔が真っ青になっちゃってるよ。

まぁ、私としては勝手にやっててくれ、って感じなんだけどね。

さて......とりあえず、家に帰ってからお父様とお母様に何とかしてもらうしかないよね。

だって、スカーレットの婚約者を決めたのはお父様達だもん。
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