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31話
しおりを挟む決着は建国パーティーになったらしいから殿下とスカーレットは今日もイチャついている。
多分、周りから見たら私と殿下の仲が悪くなったと思っているでしょうね。
まぁ、最初から悪くなる仲もないんだけどね。
そう思いながら今日も2人を眺めていると
「すごいね。君の妹」
と後ろから声をかけられた。
この声は......っ!
そう思って振り向くと、私の想像通り推しが......アルム様が立っていた。
生のアルム様!!
ついに拝むことが出来た.........ん?
いや、ヒロインのステータス的に出てくるわけがないよね?
でも目の前にはアルム様.........。
えーっと......なんで?
急な出来事に呆然としていると
「あ、ごめんね?急に話しかけて」
とアルム様はお持ちの美貌を振りまきながら、とても、とっても可愛らしく首を傾げてそう言った。
いや、本物ヤバ......!
もうオーラが違うのよ。オーラが。
「いえ......えっと...」
なんてことしか返せない自分が憎い...っ!
でもさ、推しが急に目の前に来たら言葉を失っちゃうよね!
すると、アルム様は少しシュンと落ち込んだ顔をして
「そうだよね。そりゃあ戸惑うよね......」
と言った。
え?何その顔!可愛い......っ!
あ、とりあえず話をしなくちゃ...っ!
「わ、私になにか用事でも......?」
思わず声が裏返りそうになりながらそう聞くと
「あぁ、別に用事があるわけじゃないけど、有名なナナリー嬢と国に帰る前に話をしておきたいなって思っただけだよ」
そう言って微笑んだ。
「なるほど...そうでしたか......」
あー!推しが目の前にいるってだけで頭が回らないのに、なんで現れたのかわかんないから余計に言葉が出てこない!
なんでそんなに素っ気ないような態度をとってしまうんだ!私よ!
そう思っていると、急にアルム様が笑いだした。
何?私、また口に出てた?
いや、でもこんなの聞かれたら笑うんじゃなくて引かれるよね?
何かしたの?私!
ひとしきり笑い終わったアルム様は
「疑ってるみたいだね?安心してよ、別にどうもしないから」
そう言った。
思わず、はい、と返事をしてしまったから焦って
「......い、いえっ!疑ってなんて...」
と否定するとアルム様は微笑みながら
「ナナリー嬢は面白いね。またね?」
と言って立ち去ってしまった。
......もっとお話したかったぁ。
いや、でもあんな輝きを目の前にして普通に話せるわけないよね。
あぁー......後悔。
でも、これで念願のアルム様を拝めたし...まさかお話出来るとは思わなかったけど.........。
もう我が人生悔いなし!
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