冤罪で殺された令嬢が転生したら溺愛ルートでした

榎夜

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35話 last

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あれから数年後ーーー

「お嬢様...凄く素敵です......っ!」

そう言って涙ぐんでいるのはエマだ。

エマはあの後、メイドとして我が家に雇われることになった。

もちろん、私の専属メイドとして。

転生のことはエマが1番詳しく知っていると思うんですが、聞いてもはぐらかすということは聞かれたくないんだろうなと思ってあれから聞いていません。

そんなことより、また再びエマと一緒にいられることの方が大事ですもの。

あぁ、それからアンナは陛下が手配した元女兵士だったらしいです。

私に何かあっても大丈夫なように、と護衛のできるメイドをつけることにしたんだとか。

なんとなく、気の抜けない感じがしたのはアンナが常に気を張っていたからなんですね。

それを聞いて安心しました。


お兄様とお義姉様は一昨年結婚して去年、子供が産まれました。

お兄様は子供が産まれたことで私に対する溺愛ぶりが緩和されると思ったんですが、愛でる人数が増えた、と喜んでいました。

流石に妹離れして欲しくてここ最近は距離を置くようにしています。

お義姉様は産後だと言うのに相変わらずスタイルが抜群で、美しいです!

そんな2人の子供は女の子なんですけど、とっても可愛くて、まだお話することは出来ませんが、大きくなったら一緒にお茶を飲むのを楽しみにしています。

お父様とお母様はお兄様に投手の座を譲って隠居されました。

なんだか、2人とも楽しそうにしていたので心配はしていませんが、たまには顔を見せに来て欲しいと思っています。

スターン元男爵家の方々は皆必死になって鉱山で働いているらしいです。

あそこの責任者は厳しいらしいですが、なんとか
頑張ってくれている、とのことでした。


そして最後に、私ですね。

なんと、今日、結婚式をあげるんです。

本当は卒業と同時に、という話だったんですが、私とセルドリック様がもう少し勉強してからにしようという考えだったので、今まで待ってくれていたんです。

リナリーさんのとき、国が滅んだと聞いていますからね。

少しでも知識を頭の中に叩き込んでおきたいと思ったんです。

少し遅くなってしまいましたが、なんとか頑張りましたわ。



会場入りの時間が近付いている中、待合室で1人緊張していると、急に扉がバンッと開いて

「エリザベス!」

「あ!ハロルド様!ちゃんとノックくらいしてくださいませ!」

お兄様とお義姉様が入ってきました。

あんなに勢いよく開いたのにお兄様の腕にはちゃんと可愛らしい私の姪っ子が居ます。

どうやって開けたんでしょう?

なんてことを思いながら

「良いんですよ。今日は来てくれてありがとうございます」

とお礼を言うと

「当たり前ですわ!」

「そうだ!エリザベスの結婚式に俺が出ないわけないだろう!?」

そう言ってくれました。



4人で時間まで談笑していると、

「あら?早いわね」

「王妃様!陛下!」

次は王妃様の登場です。

後ろには陛下も一緒なんですが、抜けてきて大丈夫なんでしょうか?

すると、打ち合わせでもしたかのように、

「エリザベス......」

と涙ぐんでいるお父様と

「もう、貴方ったら...っ!」

それを見て笑っているお母様も待合室に入ってきました。

「お父様もお母様も!」

なんだか勢揃いしちゃいましたね。

あとはセルドリック様が来たら家族全員揃ってしまいますよ。

なんて思っていたからでしょうか?

「エリザベス、準備は出来たかい?」

凄くちょうどいいタイミングで本人が登場しました。

待合室の中にみんなが揃っているのを見て

「あれ?なんだか勢揃いしてるね」

そう言って、笑いました。


何回も殺されて、心が折れた時もありました。

でも、10回目にして、ようやく私は幸せを掴むことが出来ました。

それは、私の力だけではなく、セルドリック様やエマ、ルリアナ様や学園でお世話になった人、全ての人のおかげです。


「じゃあいこうか。俺達の初めての結婚式に」

そう言って差し出される手を取って私はにこやかに返事をするのだった。







┈┈┈┈┈┈┈ ❁ ❁ ❁ ┈┈┈┈┈┈┈┈


ここまで読んでくださってありがとうございます!

これで終了となりますm(*_ _)m

私の表現が拙いせいで、色々おかしいところもあったと思いますが、なんとか終わらせることが出来ました!



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「旦那様は私に隠れて他の人と子供を育てていました」

「村人のはずなのに俺のステータスがおかしいからどうにかして欲しい」
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