婚約破棄?何を言ってるの?

榎夜

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婚約破棄されるみたいですよ

頭の中にはお花が沢山ですね

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陛下が王太子と私の婚約を発表すると

「ちょっと!どういうことよ!!なんで悪役のあんたがノエル様と婚約してるのよ!」

とティアが

「婚約者がいながらも、王太子と浮気している女が王妃になれるわけないだろう!!」

とシュバルトが叫んでいた。

呆れますわね。おバカさんが自分で浮気しておいて何を言っているんだか...

はぁ...と溜め息をつくと、ノエルが

「ねぇ、アリア。騒いでいるバカ達に、ちゃーんと教えてあげた方が良いんじゃない?」

猿でもわかるように簡単にね、とクスクス笑いながら言われた。

相変わらず見かけによらず腹黒ですわ。笑顔で毒舌を吐かれると怖さも2倍増しですわね。怖いですわ。

そう思いながら私はドレスを翻して陛下の方を向いて

「陛下、少しお時間を頂いてもよろしいでしょうか?」

と言った。
陛下は ふむ、と顎髭を触りながら

「構わん」

と答えてくれた。

「ありがとうございます。ではまず、シュバルト様と私の婚約は1か月前に白紙となっていますわ。」

「なんだとっ!嘘をつくな!!」

「いいえ、本当ですわ。シュバルト様に伝えた、と仰ってましたが、嘘でしたの?」

チラッとレイス公爵夫妻を見ると、すごい勢いで首を横に振っていた。

父上?母上?とシュバルトは驚いた顔で2人を見つめた。

あらまぁ、シュバルト様はちゃんと話を聞かないで頷いたのね。相変わらずですが、そういうところも大嫌いですわ。

「続けますわ。ティアさんをわざと転ばせた、でしたか? 転んだのはしっていますが...私が足を引っ掛けましたっけ?」

どうでした?と近くに居た令嬢に聞くと いいえ、と言ってから

「ティアさんが、わざとアリア様にぶつかって転ぶのは見ましたが、アリア様は足を引っ掛けるどころか、ふらついてノエル様に助けられていましたわ」

と言った。そしたら、周りの子息令嬢達は、私も見ました、と次々に証言してくれた。

あの時はビックリしましたわ。ノエル様がいなかったら私が転んでましたもの。流石に肝が冷えましたわ。

「じ、じゃあ、ティアのことを、なぜ無視したのだ!」

とシュバルトが叫ぶと

「え、あんなことする人と仲良くなりたい人いる?」

「話をしてもアリア様の悪口しか言わないんですもの」

「アリア様への態度を直さない限り、絶対に話したくないですわ!」

など、様々な理由が聞こえてきた。

それを聞いたシュバルトは教科書と階段の件は!と聞いてきた。

多分、こんなに証人がいるなんて思わなかったんでしょうね。詰めが甘いですわ。
こういうことも想定して少しでも多く味方をつけれるか、が大切だったんですが、そこまで頭が働かなかったんでしょう。頭には脳みそではなくお花が沢山なんですからね。










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