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婚約破棄されるみたいですよ
とどめですわ
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「あ!私、ティアさんが自分で教科書破り捨てるのを見ましたわ!」
そう言うのは伯爵令嬢だ。
あら、目撃者がいたなんて手間が省けましたわね。
...にしても、目撃されるとか本当に罪を捏造する気ありますの?
発言してくれた令嬢に、ありがとうございます、と微笑んで
「教科書の件は目撃者がいるので、後は階段の件ですわね。私、その日学園に行かず、ノエル様と一緒に王宮にいましたの。陛下と王妃様も一緒でしたわ」
そう説明すると、ティアは顔を真っ青にして狼狽えていた。
「ティア、全部嘘だったのか...?」
「なっ!違います!全部デタラメだわ!!シュバルト様、信じてください!あの人達が嘘を言ってるんです!!」
と必死に訴えたが、陛下の一言でそれは無駄となった。
「のう、そこの平民よ。ここにいる貴族達と平民一人、どちらの言葉を信じるか、なんてわかりきっておるだろう?」
違うか?と陛下がシュバルトを見ると、顔色が真っ青を越して真っ白になっていた。
顔の色、凄すぎですわ。人ってあんなに色が変わるものなんですわね。感心してしまいますわ。
そう考えているとティアが
「ノエル様!陛下!騙されないでください!皆で私を嵌めようとしてるんです!」
陛下たちに近付いてきたのを兵士に取り押さえられていた。
懲りませんね。この状況であんなことを言えるのは、ある意味勇気ありますわ。
チラッとノエルの方を見ると目が合った。
「相変わらず不愉快にさせるのが得意な女だよね」
と言って笑っている。怖いですわ。
「そこの平民と騒ぎを起こした者たちを牢に入れておけ。処罰は追って決める。」
そう陛下が言うと兵士たちがシュバルト達を取り押さえた。
もう抗う気も起こらないのか大人しく捕まっていた。
ティアは「なっ、やめてよ!ノエル様!たすけて!!」と最後まで暴れていたが、男の力にかなうはずもなく引きずられて会場を出ていった。
「それから騒ぎを起こした家の者たちも家で処罰が決まるまで謹慎しておれ。」
「......承知致しました」
そう言うと、レイス公爵夫妻はパーティー会場を後にした。
「...さて、多少の騒ぎはあったが息子の婚約発表と共に、儂は王の座を1か月後に退くことを発表させてもらう!」
すると会場がざわっと騒がしくなった。
「それと同時に、ノエルに王の座を譲ることとなった!此度の騒ぎを起こした者たちの処罰はノエルに一任する!」
というとノエルは陛下に頭を下げ
「陛下に恥じぬよう、精一杯努めさせて頂きます」
といった。
それを見た陛下は満足そうに頷いてこちらに振り返った。
「アリア嬢、これからもノエルを支えてやってくれ」
「えぇ、もちろんですわ」
そう言ってノエルを見ると、嬉しそうに微笑んでいた。
それを見た私も心から嬉しい気持ちになった。
そう言うのは伯爵令嬢だ。
あら、目撃者がいたなんて手間が省けましたわね。
...にしても、目撃されるとか本当に罪を捏造する気ありますの?
発言してくれた令嬢に、ありがとうございます、と微笑んで
「教科書の件は目撃者がいるので、後は階段の件ですわね。私、その日学園に行かず、ノエル様と一緒に王宮にいましたの。陛下と王妃様も一緒でしたわ」
そう説明すると、ティアは顔を真っ青にして狼狽えていた。
「ティア、全部嘘だったのか...?」
「なっ!違います!全部デタラメだわ!!シュバルト様、信じてください!あの人達が嘘を言ってるんです!!」
と必死に訴えたが、陛下の一言でそれは無駄となった。
「のう、そこの平民よ。ここにいる貴族達と平民一人、どちらの言葉を信じるか、なんてわかりきっておるだろう?」
違うか?と陛下がシュバルトを見ると、顔色が真っ青を越して真っ白になっていた。
顔の色、凄すぎですわ。人ってあんなに色が変わるものなんですわね。感心してしまいますわ。
そう考えているとティアが
「ノエル様!陛下!騙されないでください!皆で私を嵌めようとしてるんです!」
陛下たちに近付いてきたのを兵士に取り押さえられていた。
懲りませんね。この状況であんなことを言えるのは、ある意味勇気ありますわ。
チラッとノエルの方を見ると目が合った。
「相変わらず不愉快にさせるのが得意な女だよね」
と言って笑っている。怖いですわ。
「そこの平民と騒ぎを起こした者たちを牢に入れておけ。処罰は追って決める。」
そう陛下が言うと兵士たちがシュバルト達を取り押さえた。
もう抗う気も起こらないのか大人しく捕まっていた。
ティアは「なっ、やめてよ!ノエル様!たすけて!!」と最後まで暴れていたが、男の力にかなうはずもなく引きずられて会場を出ていった。
「それから騒ぎを起こした家の者たちも家で処罰が決まるまで謹慎しておれ。」
「......承知致しました」
そう言うと、レイス公爵夫妻はパーティー会場を後にした。
「...さて、多少の騒ぎはあったが息子の婚約発表と共に、儂は王の座を1か月後に退くことを発表させてもらう!」
すると会場がざわっと騒がしくなった。
「それと同時に、ノエルに王の座を譲ることとなった!此度の騒ぎを起こした者たちの処罰はノエルに一任する!」
というとノエルは陛下に頭を下げ
「陛下に恥じぬよう、精一杯努めさせて頂きます」
といった。
それを見た陛下は満足そうに頷いてこちらに振り返った。
「アリア嬢、これからもノエルを支えてやってくれ」
「えぇ、もちろんですわ」
そう言ってノエルを見ると、嬉しそうに微笑んでいた。
それを見た私も心から嬉しい気持ちになった。
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