婚約破棄されましたが、お兄様がいるので大丈夫です

19話

ディアナ様と話をしている間に

「シャルロット！一体どういうつもりだ！」

とおバカさんも到着してしまいましたわ。

はぁ......こんな状況になってしまったせいで、温室でも注目の的ですわよ。

しかも、ベルン様腕にはしっかりとアリス様もついていますし.........。

はぁ.......今の私の運勢を調べてもらったら過去最低なんじゃないでしょうか。

そう思いながら、ベルン様に

「一体何のことでしょう？私は友人と昼食を食べていただけですわ。もっと言うのならそれをディアナ邪魔されて、今現在ベルン様に文句を付けられている、という状況です」

そう言ってわざと大きめにため息をつくと、それを見たベルン様が

「本当に可愛くない奴だな！俺たちが温室にいるとわかっててわざと来たんだろう！」

なんてバカなことを言ってきましたわ。

確かに温室についてからベルン様達がいることはわかっていましたわよ？

でも、私にはベルン様達がいてもいなくても関係がありませんし、大体今までお昼休みに温室にいなかった人が急に来ておいて、何を言っているんでしょう？

流石に呆れますわ。

一方ディアナ様は一通りこの場を荒らしたことに満足したのかコソコソとその場を後にしようとしていますわね。

正直、ベルン様よりもディアナ様の方が私は腹を立てていますのよ？

そう思った私は

「あら？ディアナ様は自分でこんな面倒ごとにしておいて、謝ることも出来ませんのね」

となるべく周りにも聞こえるように大きい声で言いましたわ。

だって、アリス様のように可愛らしく

「ごめんなさい......こんなことになるとは思わなくて........」

とか適当に言っておけば、多少のことは仕方ないね、で終わる話なんですのよ？

それなのに、コソコソと何も言わずに逃げようだなんて、どっちが図太い神経をしているんでしょうね？

そう思いながら、ディアナ様にニッコリと微笑んでいると、まさか今のタイミングで自分に来るとは思っていなかったんでしょう。

口元がピクピクと引きつっていますわ。

というか、私に、ではなく一番はビビアン様に謝って欲しいんですのよね。

一番の被害者はビビアン様ですもの。

するとディアナ様は

「や、休み時間が終わるので失礼しますわねぇ」

とだけ言い残してその場を逃げるように後にしましたわ。

確かに、もうそろそろ休み時間が終わりますわね。

そう思った私は、いまだに戸惑っているビビアン様にニッコリと微笑んで

「私達も休み時間が終わるので行きましょうか」

と言って席を立ちましたわ。

バカに構っている暇はありませんので。

まぁ、その行動を見ておバカさん2人は

「逃げるのね！」

とか

「おい！話は終わっていない！」

なんて言っていますが、これ以上は何を話しても無意味なのでビビアン様と一緒に温室を後にしました。

はぁ.......本当に面倒ですわ。

これも、私に婚約者が出来たら勘違いも終わりますのに。

お父様に今日のことと婚約者の話をしておかないとですわ。

そう思いながら、温室から教室に戻っている時にビビアン様が

「なんか厄介なことになっていますわね」

と苦笑していました。

そんなビビアン様に

「えぇ、そうなんですの。巻き込んでしまって申し訳ないですわ」

というと、

「気にしないでください。シャルロット様は何も悪くありませんもの」

そう言って微笑んでくれましたわ。

本当に良い友人に恵まれましたわね。

普通なら、面倒ごとに巻き込まれて嫌ですわ、とか言ってもおかしくないですもの。