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38話
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何も言わなくなったレオンハルト様に
「それで、もう帰っても大丈夫ですの?」
と尋ねると、
「あ、俺も一緒に帰るよ」
そう言って席を立ってくれましたわ。
あら、本当に10分くらいで終わりそうですわね。
前の件もありましたし気を使ってくれたんでしょうか?
そう思いながら2人で温室から出ようと、歩いていると
「あらぁ~?レオンハルト殿下ぁ~」
という奴の声が聞こえてきましたわ。
しかも、私が隣にいるにも関わらず思いっきり無視している時点で性格の悪さが現れていますわ。
そう思いながら声のした方向を見ると、そこには
「なんで2人が一緒に........?」
と驚いた顔をしているベルン様と、アリス様が立っています。
はぁ.....なんでこうなるんですかね?
たまにはそういうこともなく、すんなりと帰りたいのですが、いつになったら落ち着きますの?
なんて思っていると、レオンハルト様はベルン様に
「知らないのか?シャルロットの婚約者候補になったんだ」
そう言って不敵な笑みを浮かべましたわ。
するとベルン様は
「へ?婚約者候補.......?殿下が.......?」
とキョトンとした顔をしています。
まぁ、それは普通の反応ですわね。
普通、殿下が公爵令嬢の婚約者候補になる、だなんて聞いたことがありませんもの。
すると話を聞いていないのか、アリス様は
「えぇ~!?それって、シャルロットが殿下の婚約者候補になったってことですかぁ~?」
と温室にいる全員に聞こえるほどの大きな声でそう言いましたわ。
レオンハルト様が候補だと聞いていなかったんでしょうか?
それとも頭が悪いからわからなかったんでしょうか?
とりあえず、私に対して呼び捨てにしてきたことに関してが一番引っかかりますわ。
そう思って何か言おうと、私が口を開くのよりも一足先に
「男爵令嬢が公爵令嬢のことを呼び捨てにするなんて、罪に問われたいのか?」
レオンハルト様がそう言ってアリス様を睨みつけましたわ。
流石にこれはまずいと思ったのか、アリス様も
「じ、冗談ですよ~」
と苦笑しています。
そうなるなら言うな、と何度言ったらわかるんでしょうね。
本当に学ばない人ですわ。
そう思っていると、急にレオンハルト様が
「昨日休んでいたのは婚約者の選考の為だろう?」
と言ってきましたわ。
確かにディアナ様にはそう言いましたが、聞いていたんでしょうか?
レオンハルト様には言っていなかったと思うんですが.........。
とりあえず、レオンハルト様の質問に
「え、えぇ、そうですわ」
と答えると、
「嘘をつくな!婚約者の選考って、なんで公爵令嬢がそんなことをするんだよ!」
ベルン様がそう叫びましたわ。
信じられませんよね。
傷物の、しかも公爵令嬢の私が婚約者を選ぶことが出来るだなんて。
ですが、本当のことですわよ。
ベルン様に対して冷たい目を向けると、それに気付いて一歩後退りましたわ。
ですが、特に気にすることなく
「それを言ったらベルン様の方が大ウソつきでは?私がいつ、どこで、ベルン様に泣いて縋ったのか......お父様も交えて教えてくださいな」
今まで出したこともないくらいの低い声でベルン様にそう言いましたわ。
お父様も交えて、となると嘘をついていたらどうなるか......わかりますわよね?
案の定ベルン様は
「そ、それはだな..........」
とモゴモゴ口を動かすだけです。
もしそれが本当なら、どんな状況だったのか教えて欲しいですわ。
だって私には身に覚えのない話ですもの。
「それで、もう帰っても大丈夫ですの?」
と尋ねると、
「あ、俺も一緒に帰るよ」
そう言って席を立ってくれましたわ。
あら、本当に10分くらいで終わりそうですわね。
前の件もありましたし気を使ってくれたんでしょうか?
そう思いながら2人で温室から出ようと、歩いていると
「あらぁ~?レオンハルト殿下ぁ~」
という奴の声が聞こえてきましたわ。
しかも、私が隣にいるにも関わらず思いっきり無視している時点で性格の悪さが現れていますわ。
そう思いながら声のした方向を見ると、そこには
「なんで2人が一緒に........?」
と驚いた顔をしているベルン様と、アリス様が立っています。
はぁ.....なんでこうなるんですかね?
たまにはそういうこともなく、すんなりと帰りたいのですが、いつになったら落ち着きますの?
なんて思っていると、レオンハルト様はベルン様に
「知らないのか?シャルロットの婚約者候補になったんだ」
そう言って不敵な笑みを浮かべましたわ。
するとベルン様は
「へ?婚約者候補.......?殿下が.......?」
とキョトンとした顔をしています。
まぁ、それは普通の反応ですわね。
普通、殿下が公爵令嬢の婚約者候補になる、だなんて聞いたことがありませんもの。
すると話を聞いていないのか、アリス様は
「えぇ~!?それって、シャルロットが殿下の婚約者候補になったってことですかぁ~?」
と温室にいる全員に聞こえるほどの大きな声でそう言いましたわ。
レオンハルト様が候補だと聞いていなかったんでしょうか?
それとも頭が悪いからわからなかったんでしょうか?
とりあえず、私に対して呼び捨てにしてきたことに関してが一番引っかかりますわ。
そう思って何か言おうと、私が口を開くのよりも一足先に
「男爵令嬢が公爵令嬢のことを呼び捨てにするなんて、罪に問われたいのか?」
レオンハルト様がそう言ってアリス様を睨みつけましたわ。
流石にこれはまずいと思ったのか、アリス様も
「じ、冗談ですよ~」
と苦笑しています。
そうなるなら言うな、と何度言ったらわかるんでしょうね。
本当に学ばない人ですわ。
そう思っていると、急にレオンハルト様が
「昨日休んでいたのは婚約者の選考の為だろう?」
と言ってきましたわ。
確かにディアナ様にはそう言いましたが、聞いていたんでしょうか?
レオンハルト様には言っていなかったと思うんですが.........。
とりあえず、レオンハルト様の質問に
「え、えぇ、そうですわ」
と答えると、
「嘘をつくな!婚約者の選考って、なんで公爵令嬢がそんなことをするんだよ!」
ベルン様がそう叫びましたわ。
信じられませんよね。
傷物の、しかも公爵令嬢の私が婚約者を選ぶことが出来るだなんて。
ですが、本当のことですわよ。
ベルン様に対して冷たい目を向けると、それに気付いて一歩後退りましたわ。
ですが、特に気にすることなく
「それを言ったらベルン様の方が大ウソつきでは?私がいつ、どこで、ベルン様に泣いて縋ったのか......お父様も交えて教えてくださいな」
今まで出したこともないくらいの低い声でベルン様にそう言いましたわ。
お父様も交えて、となると嘘をついていたらどうなるか......わかりますわよね?
案の定ベルン様は
「そ、それはだな..........」
とモゴモゴ口を動かすだけです。
もしそれが本当なら、どんな状況だったのか教えて欲しいですわ。
だって私には身に覚えのない話ですもの。
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