婚約破棄されましたが、お兄様がいるので大丈夫です

榎夜

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37話

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レオンハルト様と一緒に温室に行くと、まぁ、想像出来ましたが注目を物凄く集めていますわ。

普段から女絡みの噂が一切ないレオンハルト様ですもの。

皆、驚きますわよね。

しかも相手は最近話題の私、というのも注目される理由の一つだと思いますわ。

なんて、冷静に分析のようなものをしていると、レオンハルト様が椅子を引いて待ってくれていましたわ。

座れ、ということですわね。

そう判断して

「ありがとうございますわ」

と言って席に着くと、レオンハルト様は私の正面に座りましたわ。

さて、何の話なんでしょうね。

そう思っていると、早速レオンハルト様は

「それで?俺以外に何人の候補がいるの?」

と私に聞いてきました。

そんなことをニコニコとしながら聞いてくるのはなんだか怖いですわよね。

何か企んでいるのでは?と勘ぐってしまいますわ。

なので、レオンハルト様を軽く睨みながら

「なんで教えないといけませんの?」

と尋ねると

「いや、何人敵がいるのか把握しておきたいって思うのは普通のことだよ」

そう言いながら肩をすくめています。

なんでしょう?

無性に腹が立ちますわ。

ですが、ここではぐらかしてもしつこく聞かれますのよね。

それくらい安易に想像できるので、ため息をついた後に

「レオンハルト様と合わせて2人ですわね」

と教えて差し上げましたわ。

本当は言いたくありませんが、レオンハルト様って異様にしつこい、ということがわかりましたもの。

私から答えを聞いたレオンハルト様は

「へぇ......俺が公爵に選ばれた、というならもう1人はシャルロット嬢が選んだってこと?」

ともっと詳しく聞こうとしてきます。

面倒くさいですわ、と思いながらも

「まぁ、そういうことになりますわね」

と答えると

「なるほどねぇ........」

そう言って何とも言えない、渋い顔をして黙ってしまいましたわ。

ここまで聞いておいてその反応はなんですの?

しまも、含みのある笑みまでしていますわ。

気持ちが悪いですわね。

そう思いながら、

「何が言いたいんですの?」

と尋ねると

「いや、別に?なんでもう1人の方は選んだの?知り合いとか?」

レオンハルト様はまだ情報を聞き出したいみたいですわ。

そんなに聞いてどうしますの?

手を引け、みたいに脅すんでしょうかね?

なんて思いながら

「違いますわ。会ったこともない隣国の人ですわよ」

そう素直に答えましたわ。

だって、隣国の貴族だったら手を出せないですし、名前を言わなければわかるわけがありませんもの。

するとレオンハルト様は驚いた顔をして

「なんか意外だな。シャルロット嬢だったら話したことがある人を選ぶと思ったんだけどね」

そう言ってきましたわ。

私だったら、って言っていますが私の何がわかってそんなことを言っているのか聞いてみたいですわね。

......と言いたくなりましたがぐっと堪えましたわ。

だって、話が長くなってしまうのはごめんですもの。

レオンハルト様に

「特に深い意味なんてありませんわ」

と冷たく返すと、苦笑してそれ以上は聞いてこなくなりましたわ。

まぁ、ほとんどの情報は聞いたので満足したのかもしれませんけどね。

これで終わったんでしょうか?

そうだとしたら、もう帰っても良いんでしょうかね?
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