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6話
しおりを挟む「ただいまー」
何も知らないリオルが帰宅しみたいですね。
ノアには一旦帰ってもらいました。
一応、男の人ですからね。
一緒にいることによって、私が浮気した、なんて勘違いされるのは絶対に避けなきゃいけませんもの。
リオルは少し思い込みが激しいところがありますからね。
そう思っていると、リオルがリビングに入ってきました。
まさかお父さんとお母さんがいるなんて思っていなかったんでしょう。
驚いた顔をして固まっています。
誰も口を開かない中、一番最初に口を開いたのはお父さんでした。
「リオル、随分と遅かったんだな」
そう言うと
「えっと、従業員の人に飲みに誘われてて......」
しどろもどろになりながらリオルはそう答えました。
ですが、それは嘘ですね。
だって今日はリオルが仲良くしている従業員はさっさと帰っていくのを見ましたもの。
残ったのは私の秘書みたいな役割で働いてくれている女性、ただ1人だけです。
お父さんにも先にそれを伝えておいたので
「ほぉ?その従業員とは誰のことだ?」
睨みつけながらそう言いました。
「え?なんですか?俺を疑っているとでも言いたいんですか?」
リオルは誤魔化そうと必死ですね。
顔色が少し悪い気がしますが、気のせいではないはずです。
「いいから答えなさい」
「それは......えっと............」
はぁ...従業員とか言ったのに、誰かは考えてなかったんですかね。
なんでしょう。
リオルって、こんなに頭が弱い人でしたっけ?
心の奥底に少しだけ残っていたリオルに対する愛情も、この姿を見てしまっては消えてしまいます。
「あ、ほら。学園のときに同級生だった奴が急に誘ってきたんですよ!子爵家の!」
「さっきと言っていることが変わったな。どっちが本当なんだ?」
「え、その、子爵家の!子爵家の方が本当です!」
子爵家......ねぇ。
私、知っているんですよ。
学園で嫌われ者のリオルは貴族の友達が一人もいないことを。
当時はなぜかわかりませんでしたが、これを見ていればわかる気がします。
嘘つきで頼りないです。
......あれ?
もしかして、そう思っていたから仕事のことは、ほとんど自分でやっていたんでしょうか?
今まで気付きませんでしたが......無意識にそう思っていたのかもしれませんね。
そう思っていると、
「そうか......それは残念だ」
「.........は?」
「リオルが正直に言ってくれたらもう少し様子を見ようと思ったんだけどな」
「な、何を言っているんですか?遅くなったのは謝ります。ですが、言っていることが理解できません」
なるほど。
ここにきてお父さんは私にパスですか。
なんでしょう。
さっきまでとは違って、なんだか落ち着けているような気がします。
やっぱり1人で抱え込むより話した方が楽になるんですね。
自分の中で吹っ切れたような気がします。
なので、ふぅ......と深呼吸をしてから、
「リオル。貴方、浮気しているわよね?それも、子供までつくって」
私がそう言うと、リオルは今日1番、顔色を変えました。
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