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7話
しおりを挟む「な、何を言ってるんだよ!それに、俺にはガルやユーリがいるだろ?なんで他で子供を作る必要があるんだよ!」
まだしらを切るつもりです。
でもこっちだって、証拠もなしにこんなことは言いませんよ。
嘘をつかれるたびに、私のリオルに対する思いが冷めていくのを感じました。
そして同時に、この人とはもうやっていけないな、というのも。
さっさと終わらせたい、という気持ちで私はノアから受け取った写真を机の上に置いて
「これを見ても、まだ嘘をつけるの?」
そう言いました。
私が出した写真は3枚。
女性とリオルが仲良さげに歩いている写真、2人で宿屋に入っていく写真、子供も一緒に3人で手を繋いで歩いている写真、の3枚です。
リオルは私が出した写真を凝視しました。
「こ、これは......」
「取り引き先の娘さんなんですって?こんなことをして、我が家が必死に築き上げてきた信頼関係を壊したいわけ?」
今回、リオルがやったことはそういうことです。
これを機に、この女性の家との取り引きはなくなることでしょう。
お父さんに聞いたところ、我が家からすれば切れても構わないところだそうで安心しましたが、それはただ運が良かっただけですよね。
もし大打撃を受けることになったら、どう責任をとるつもりだったんでしょう?
実家にでも泣きつくんでしょうか?
なんて考えていると
「ご、誤解だ!それは確かに取り引き先の娘だけどその子は俺の子じゃない!」
リオルは顔を真っ白にしてそう叫びました。
ここまでくると往生際が悪すぎて呆れてしまいますよね。
なので私は次の証拠を取り出しました。
録音機です。
「へぇー?まだ嘘をつくの?」
そう言って、録音機のスイッチを押すと
『えへへ!パパが一緒なの嬉しいなぁ~』
流れてきたのは3人の会話です。
どうやって取ったのかはわかりませんが、ノアが持ってきてくれた証拠の1つです。
もう1つの方は、ちょっと刺激が強いので流しませんけど、もしこれでも認めないならそれも聞かせるつもりでいます。
『そうね。やっぱり家族は一緒じゃないとね』
『そうだな。俺も本当はこっちで生活したいんだけど......』
『いいの。片付くまで待ってるから』
『ありがとう。なるべく早く一緒にいれるようにするから』
男性の方の声はもちろんリオルです。
子供もパパって呼んでいますし、女性の方も家族、とか言ってますよね?
録音機を止めて
「良かったわね。心配しなくても貴方とは離婚するから無事に片付いたわよ」
リオルを睨みつけながらそう言いました。
「ち、ちが!これは気分を害さないようにって......っ!」
もしこれが嘘だとしても片付ける、なんて腹が立ちますよね。
私と子供達を物かなんかだとでも思っているんでしょうか?
あぁ、ちなみに、これを聞いたのはお父さんとお母さんと一緒だったんですが、悲しみを通り越して怒りが湧いてきましたよ。
多分、聞いた時にはもうリオルに対する愛情なんてなかったんでしょうね。
はぁ......もういい加減に自分のやったことを認めて欲しいです。
未だに自分の無罪を訴え続けるリオルを眺めながらそう思っていると
「いい加減にしなさい!」
と怒鳴り声が部屋中に響きました。
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