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17話
しおりを挟む奥さんが部屋を出てから10分くらいが経過しました。
私とババリーさんはもう何も話していません。
だって、話をするだけ無駄なのはよくわかりましたから。
すると、コンコン、と控えめなノックの後に
「連れてきました......」
と奥さんが戻ってきました。
後ろには胸元のガッツリ空いた下着のような服を着た女性と
「カノン......」
リオルが立っていました。
自分がやったことなのに、お相手さんは私のことを思いっきり睨みつけてきます。
名前も知らない初めましての人を睨みつけるなんて、常識もないんですね。
そんなお相手さんに対してニッコリと笑って
「初めまして、単刀直入に言いますね?リオルと離婚するので貴方に差し上げます。子供と3人で仲良く暮らしてください」
とだけ言うと
「カノンっ!俺は離婚することを認めていない!」
いや、私はリオルに言ってませんから。
それに
「はぁ......認めるも何も、あなたに決める権利があると思っているんですか?あぁ、それから貴方が急に居なくなった、とご家族が心配していましたよ。連絡してあげてください」
そう言った時でした。
扉の方から
「おばあちゃん......?」
と小さい声が聞こえてきたんです。
振り向かなくてもすぐにわかりました。
2人の子供だな、って。
「リリー!?ダメじゃない!部屋から出てきちゃ......」
あ、そこは駆け寄っていくの奥さんの方なんですね。
「だって今日1日ずっと1人でいるの寂しいよぉ......」
............は?
今日1日?
なんで全員が家にいたのにずっと1人になる状況になるのか理解ができません。
もしかして、子供を放置して2人でイチャついていたんですかね...?
いや、私には関係ありませんね。
「では、私は失礼します」
とだけ言って、部屋を出ようとすると
「...............わよ」
聞こえるか聞こえないか、くらいの声で何かを言ったのが聞こえてきました。
反射的に
「は?」
と返すと
「いらないわよ!こんな男!」
急に叫んでどうしたんでしょう?
情緒不安定な人なんでしょうか?
「み、ミア!貴方、何を言って......」
お相手さんの名前はミア、っていうんですね。
こんな状況なのに、とても冷静に眺めていられるのは私の中で余裕があるからなんでしょう。
「私は他の人男だったからリオルさんが欲しかっただけ!別に自分のものになった男なんて、なんの魅力も感じないわ!」
これは.........流石に言葉を失ってしまいました。
まさかそんな理由で妻子持ちの人と関係を持つなんて......。
「なんてことを.........」
奥さんも頭を抱えていますね。
一方のリオルは
「な、なぁ?カノン。ミアもこう言ってるんだ。離婚するなんて言わないでくれ!」
「はぁ?何を言ってるんですか?浮気相手に振られたからってこっちに縋るなんてみっともないですよ」
「俺は最初から離婚するつもりはない!」
頭がおかしいんじゃないでしょうか?
しかも、リオルは今居候させてもらっているようなものなんですよ?
その状況で、よくそんなことを言えますね。
突然、修羅場化したことに、子供も驚いたみたいで
「ママぁ.........」
と泣きそうになりながら近付こうとすると
「うるさい!ガキはあっちに行ってろよ!」
なんと、ミアさんは自分の子供を突き飛ばしたんです。
ありえません。
お腹を痛めて産んだ自分の子供をそんな扱いするなんて...。
「へぇー、リオルはあんなことをする女性が好みなんだね。お似合いじゃない?」
私の足に縋っているリオルを引き剥がしながらそう言いました。
最後に
「それから、ババリーさん達には慰謝料を請求しますね。当たり前ですよね?娘さんが妻子持ちの男性に手を出してるんですから」
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