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24話 リオルside
しおりを挟む俺はフラフラと宛もなく街を歩いていた。
ミアの家から追い出されて、実家に帰った後1週間はのんびりできた。
でも慰謝料の請求がきてからは、兄上が口うるさく働くよう言ってくるし、義姉はただ汚いものを見るような目で俺を見てくる。
甥も姪も義姉と同じだった。
もちろん理由は言われなくてもわかる。
そんな風に見られたって仕方がない。
でも俺は、その視線に耐えられなくなって家から逃げた。
今日が何日なのかもわからないし、正直ここがどこなのかもわからない。
でも、どこにも俺の居場所がなくてただひたすら歩き続けていた。
本当はカノンに謝って二度としないと約束をすれば1番良いことはわかっている。
仕事をしなきゃいけない、ということも。
でも何故かやる気が起きなくて彷徨い歩いていた。
すると急にドンッと肩に何かがぶつかってきたからよろけていると
「いってぇな!」
厳つそうな男が俺の胸ぐらを掴んできた。
あー、面倒くさいな。
「おい!シカトしてんじゃねぇよ!」
「やめなよ~。なんかこの人ボロボロだし」
「それもそうだな。気ぃ付けろや!」
そう言ってカップルらしき男女は立ち去って行った。
いや、今の2人だって本当にカップルかなんてわからないな。
はぁ......俺はどうしたらいいんだろう。
そう思いながらボロボロの体にムチを打って再び歩き始めた。
◌⑅◌┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈◌⑅◌
~リオル兄side~
リオルが急にいなくなって2週間が経った。
カノンにはこのことを知られないように、なるべくいつも通り謝罪の手紙を送っている。
イライラした気持ちを抑えながら
「リオルは見つかったか!?」
と執事に聞くと
「いえ、まだ見つかっていません!」
その返事に思わずため息をついてしまった。
「どこに行ったんだ......」
そう呟いた時、バンッと大きな音を立てて執務室の扉が開いた。
「リオルは!?」
入ってきたのは息を切らした母上。
その後ろには父上の姿も見えた。
「まだ見つかっていない」
「もう......なんてことを.........」
他で子供を作っていた時点でおかしいことをしているのに、厄介事をこれ以上増やさないで欲しい。
しかも
「このまま見つからなかったら一体どうすれば......慰謝料だってあるのに......」
リオルが見つからなかったら我が家から金を出さなければならないじゃないか!
そう思って呟くと
「私達が払わなきゃいけないの!?」
母上も俺と同じ考えのようだ。
慰謝料だって自業自得でしかないのに、なぜうちで払わなければいけないんだ。
あんな奴に使う金なんて一銭だってない。
はぁ...どうしようか.........。
そう思っていると
「待て.........」
「父上?」
今まで黙っていた父上が急に話に入ってきたを
何かいい案でも浮かんだのか?
そう思って耳を傾けると
「リオルは死んだことにしよう」
「な、なんですって!?」
「父上!?それは一体.........」
まさかそんなことを考えていたなんて驚きだ。
いや、俺も一瞬その考えは頭をよぎった。
でも弟だから、という理由で躊躇していた考えだ。
それを父上がそんな簡単に言うとは思わなかった。
驚いている俺たちに
「慰謝料の請求はリオルに来たものだろう?だったらアイツが死んだらそれはなくなるんじゃないか?」
父上は何を驚いているんだ?と言わんばかりにそう言った。
「でもっ!そんな理由で実の息子を殺すなんて.........っ!」
「元々、リオルの話が広まれば我が家は笑いものなんだ。だったら今のうちに処分しておくのも一つの手だろう」
父上は俺たちにそう言い終わると、執事たちに指示を出し始めた。
それは見つからなかったらそのまま、見つけ次第殺せ、という指示だった。
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