まさかその程度で私の婚約者を奪ったつもりですか?

榎夜

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22話

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エリザベス様に腕を引かれたまま、廊下を歩いていると

「マリアンヌ様!エリザベス様!」

と後ろから呼び止める声が聞こえました。

あの場からは結構離れたところまで歩いていたので、2人で振り向くとそこには20人くらいの子息令嬢たちがいて、

「あの.....我が家はマリアンヌ様の味方ですわ!」

「うちもです!」

「大体、人の婚約者を奪おうとする人が王妃だなんてあり得ないです!」

「本当にその通りですわ!」

「私もマリアンヌ様の味方です!」

口々に自分は味方だ、と話をしてくれましたわ。

その中の1人の令嬢が

「その.......マリアンヌ様の味方も沢山いるんですよ、って伝えたくて......すみません、急にこんなことを言って」

と頭を下げようとしたので、それを止めてから

「いえ.....確かに驚きましたがとても嬉しいですわ。ありがとうございます」

微笑みながらそう言うと、皆ホッとした顔をしています。

まさか自分を支持してくれている人がこんなにいるとは思いませんでしたわ。

しかも、多分あの場にいた人たちなのでもう少しくらいいるでしょう。

今までは自分の味方はいない、と思っていた私にとっては物凄く嬉しいことですわ。

そう思いながら

「この件が終わったら、お礼をさせてくださいね」

と皆に向かって言うと

「い、いえ!お礼なんて!」

「マリアンヌ様こそ、王妃に相応しいです!」

そう言ってくれました。

「そう言ってもらえると嬉しいわ」

味方がいるだけでこんなにも心強いなんて思っていませんでしたわ。

その後は、皆にお礼を言って、再び2人で廊下を歩いていると

「マリアンヌ様!エリザベス様!」

と正面の方から駆け足で向かってくる人が見えました。

「ユーフェミア様、どうしましたの?そんなに急いで」

余程急いできたんでしょう。

肩で息をしながら呼吸を整えた後に

「いえ......2人がハニーア様に絡まれていると聞いて急いできたんですが......」

と辺りをキョロキョロと見渡しています。

私達の心配をして来てくれたんですね。

そう思うとなんだかとても嬉しくなって

「ありがとう。嬉しいわ」

とお礼を言うと、いえ.....とだけ答えてから

「エリザベス様がマリアンヌ様に泣かされていると聞いたんですが、一体何があったんですか?」

と聞いてきました。

なので

「エリザベス様の一家はハニーア様についたらしいんですの」

私がそう言うとユーフェミア様は

「そんなっ!」

驚愕しながらエリザベス様を見つめていますわ。

ですがエリザベス様は

「でも私はマリアンヌ様を応援していますわ!でも、ハニーア様にあのような態度をとってしまいましたので、家には帰りにくいですけどね」

そう言って、少し悲しそうな顔をしています。

確かに、今日のことが報告されるとエリザベス様は物凄く怒られてしまうでしょうね........。

はぁ.....私のせいで申し訳ないですわ。

このままエリザベス様を家に帰してしまうと、どんな仕打ちを受けるかわかりませんし........。

あ、そうですわ!

「我が家に泊まればいいのですわ。せっかくですし、ユーフェミア様も一緒に!お泊り会でもしましょう?」

私はそう言って、2人に微笑みました。
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