皇妃になりたくてなったわけじゃないんですが

164話

なるほど........アルフレッド様が悩んでいたのはそれだったんですのね。

信用していない、だなんて思って少し申し訳ないですわ。

なんて思いながら、

「それに関しては問題ありませんわ。だって母国の隣の国の話ですもの」

と私が言うと、アルフレッド様は

「だったら大丈夫だな」

あからさまにホッとした顔をして頷きました。

当然、私だってそう言われる可能性を考えているに決まっているではありませんか。

それに、これ以上私とアルフレッド様の評判を落とすわけにもいきませんし。


ということで、昨日の話し合いで側室にする、ということに関しては子供がアルフレッド様の子供だと確定してから、ということに決まりましたわ。

ただ、DNA鑑定が出来るのは赤ちゃんが生まれてからなので、側室にするという話は待ってもらう必要がありますわね。

これに関してはアルフレッド様の言い方1つですわよね。

これらの条件を呑まなかった場合、側室にはしない、ということ、もし本当にアルフレッド様の子供だったとしても王位継承権はない、ということも決めましたわ。

それから誕生して王族の特徴が1つもない子だった場合、私達を騙していた、ということで処罰を受けさせることも出来ますわね。



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さて、時は現実に戻って。

昨日決めたことをアルフレッド様がブリンタン侯爵とサーラ様に説明していますわ。

ブリンタン侯爵は顔を顰めて、サーラ様はなんだか機嫌悪そうに話を聞いていますわね。

大丈夫でしょうか？

なんて思っていると

「これが側室になる条件だ。吞めないのであれば側室も王位継承権もなしだな」

とアルフレッド様が話し終わったみたいですわ。

さてどうなるでしょうね。

そう思ってサーラ様を見ると、顔を真っ赤にしてプルプルと震えながら

「アルフレッド様の子供なのに、なぜそんなに酷いことを言うんですか！？」

と怒鳴りつけてきましたわ。

だから.....アルフレッド様との子供だという確固たる証拠があれば、私達だって渋々ですが王族に入れますわよ。

ですが、今はそんな証拠がないから鑑定して欲しい、とお願いしているのではありませんか。

思わずサーラ様の言葉にため息をついていると、それに気付いたブリンタン侯爵は

「きっと皇妃の差し金だろう！あぁ.....こうしているうちにもお腹の子供は大きくなっていくのに.........」

なんだか演技じみた表情で私のことを睨みつけてきましたわ。

はぁ.....こんな人しかいませんのね。

本当に嫌になりますわ。

なんて思っていると、流石にアルフレッド様もブリンタン侯爵の言葉は不愉快だったみたいで

「だから、説明した通り本当に俺との子供なんだったら側室におく、と言っているんだ。それともなんだ？検査をされたらまずい事でもあるのか？」

そう言って2人のことを睨みつけましたわ。

本当にその通りですわよね。

アルフレッド様の子供なのであれば喜んで検査してもらった方が自分たちも都合がいいはずですわ。

それなのに2人は

「そ、そんな訳がありませんわ！」

「そ、そうだ！我々が嘘を付くなんて..........」

となんだか慌てていますわね。

はぁ.......この国の貴族たちはわかりやすすぎますわ。

まるで嘘を付いています！と言っているみたいではありませんか。