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225話
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無事に、とは言えないほどの問題が起こった今回の出来事でしたが、とりあえずはひと段落、ということですわね。
あ、ひと段落、といっても全く気分がよくありませんわよ。
だって、ただ処罰を言い渡すだけだったのにブリントン侯爵は罵声を浴びせてくるわ、ライア様は暴れるわ、で本当に疲れましたわ。
そう思いながら私は、赤の間から出てすぐ、ドレスを着替えた私は執務室で大きく息を吐きました。
なんで執務室なのか、と思うかもしれませんが、今回の件はひと段落が付いただけであって、問題はまだまだ終わっていませんのよ。
それどころか、再び問題が浮上したようなものですわよね。
なんて思いながら、メイド長に淹れてもらったばかりのお茶を眺めましたわ。
あぁ、そういえばメイド長は、私達が赤の間から出てくるなり
「お疲れ様でした.......本当に、大変でしたね......」
と労いの言葉をくれましたわ。
一応外で待っていたはずなんですが、それなのに大変さがわかった、ということは、外に声が漏れていたんでしょうね。
確かに赤の間では怒号やら叫び声やらで、随分と騒がしかったですもの。
........それにフェルマー様の件も。
アルフレッド様は色々と知っていることがあるみたいですが、なんで教えておいてくれないのか、って少しモヤモヤしますわよね。
なんて思いながらカップを手に取ると、それと同時に執務室の扉が開きましたわ。
そして
「すまない、遅くなった」
とアルフレッド様が入ってきましたが、意外と早かったですわね。
着替えに向かう前に、
「少しやることがあるから待っていてくれ」
と言っていたので、まだまだ時間がかかると思っていましたわ。
なので、アルフレッド様に
「いえ、元々そうだと聞いていたので別に気にしていませんわ」
とだけ言ってお茶を飲むと、正面の椅子にアルフレッド様が座りましたわ。
あら、片付いていない仕事があるのに、ゆっくりと座っていても良いんでしょうか?
なんて思いながら、メイド長にお茶を頼んでいるアルフレッド様に
「それで、フェルマー様のことはどれくらい知っていますの?」
と尋ねましたわ。
するとアルフレッド様は少し嫌そうな顔をしながら
「席について早速その話か」
と言ってきましたが、そんな状況を作っているのが自分だ、ということを忘れているんでしょうか?
私だって、多少知っている、くらいだったらこの話は置いておいて、他の話をしますわよ。
そう思いながらも、嫌そうな顔をしているアルフレッド様に
「なんで私に何も教えてくれませんでしたの?流石に酷いとは思いませんか?」
と言って、わざと大きくため息をつきましたわ。
するとアルフレッド様は、少し都合の悪そうな顔をしながら
「わかってる。だが、なんでもかんでもユーフェミアと話し合って決める、というのはどうなのか、と思ってな」
と言ってきましたが........今更過ぎる話ですわよね?
だったら、最初から私に聞くことなく、自分で問題を対処したらよかったではありませんか。
.....と言いたかったですが、そこまで言うと拗ねてしまうのはわかっているので
「だから1人で考えて行動しようと?」
と言ってアルフレッド様を軽く睨みつけてやりましたわ。
あ、ひと段落、といっても全く気分がよくありませんわよ。
だって、ただ処罰を言い渡すだけだったのにブリントン侯爵は罵声を浴びせてくるわ、ライア様は暴れるわ、で本当に疲れましたわ。
そう思いながら私は、赤の間から出てすぐ、ドレスを着替えた私は執務室で大きく息を吐きました。
なんで執務室なのか、と思うかもしれませんが、今回の件はひと段落が付いただけであって、問題はまだまだ終わっていませんのよ。
それどころか、再び問題が浮上したようなものですわよね。
なんて思いながら、メイド長に淹れてもらったばかりのお茶を眺めましたわ。
あぁ、そういえばメイド長は、私達が赤の間から出てくるなり
「お疲れ様でした.......本当に、大変でしたね......」
と労いの言葉をくれましたわ。
一応外で待っていたはずなんですが、それなのに大変さがわかった、ということは、外に声が漏れていたんでしょうね。
確かに赤の間では怒号やら叫び声やらで、随分と騒がしかったですもの。
........それにフェルマー様の件も。
アルフレッド様は色々と知っていることがあるみたいですが、なんで教えておいてくれないのか、って少しモヤモヤしますわよね。
なんて思いながらカップを手に取ると、それと同時に執務室の扉が開きましたわ。
そして
「すまない、遅くなった」
とアルフレッド様が入ってきましたが、意外と早かったですわね。
着替えに向かう前に、
「少しやることがあるから待っていてくれ」
と言っていたので、まだまだ時間がかかると思っていましたわ。
なので、アルフレッド様に
「いえ、元々そうだと聞いていたので別に気にしていませんわ」
とだけ言ってお茶を飲むと、正面の椅子にアルフレッド様が座りましたわ。
あら、片付いていない仕事があるのに、ゆっくりと座っていても良いんでしょうか?
なんて思いながら、メイド長にお茶を頼んでいるアルフレッド様に
「それで、フェルマー様のことはどれくらい知っていますの?」
と尋ねましたわ。
するとアルフレッド様は少し嫌そうな顔をしながら
「席について早速その話か」
と言ってきましたが、そんな状況を作っているのが自分だ、ということを忘れているんでしょうか?
私だって、多少知っている、くらいだったらこの話は置いておいて、他の話をしますわよ。
そう思いながらも、嫌そうな顔をしているアルフレッド様に
「なんで私に何も教えてくれませんでしたの?流石に酷いとは思いませんか?」
と言って、わざと大きくため息をつきましたわ。
するとアルフレッド様は、少し都合の悪そうな顔をしながら
「わかってる。だが、なんでもかんでもユーフェミアと話し合って決める、というのはどうなのか、と思ってな」
と言ってきましたが........今更過ぎる話ですわよね?
だったら、最初から私に聞くことなく、自分で問題を対処したらよかったではありませんか。
.....と言いたかったですが、そこまで言うと拗ねてしまうのはわかっているので
「だから1人で考えて行動しようと?」
と言ってアルフレッド様を軽く睨みつけてやりましたわ。
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