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41話
しおりを挟む想いもよらず、シャリューアが私のことをフォローしてくれたことがなんだか嬉しく感じた私は、緩む頬に耐えることが出来ず、思いっきりにやけてしまいましたわ。
だって嫌われていると思っていたら違った、とか嬉しいじゃないですか。
内心では踊りだしたくなるくらいには気分が高揚していますわよ。
なんて呑気に思っていると、呆れたように私のことを見ていたディーヴァンでしたが、急に真剣な顔になって
[それで?その子は一体誰の子なんだ?]
と聞いてきましたわね。
確かに、竜が卵を産んだからこそ、この子が今いるんですもの。
そう考えると、どこかに母親はいるはずなんですが........。
そう思った私は、ディーヴァンのお母様はどこにいるのか、と辺りを見渡しましたが、どこにも見当たりませんわね。
今まで、ディーヴァンの妹だと思っていましたが、反応的を見るとそうではないんでしょうか?
そう思った私は、とりあえずディーヴァンに
「あら?ディーヴァンの妹とかじゃないんですの?」
と尋ねると
[いや、俺が契約する前はいなかったし、前回戻った時もいなかった]
そう言ったときのディーヴァンの表情は、少し複雑そうな顔をしていましたわ。
本当はディーヴァンの母親のことも聞いてみようと思っていましたが、そんな顔を見た後では流石に質問するなんて無理ですわよね。
なので、ディーヴァンの答えに
「そうでしたのね」
と短く返事をして、後は2人の様子を見るだけにしようと思いましたわ。
だって、なんだか雰囲気的に私が入っても良いような話ではなさそうですもの。
それに、なぜかディーヴァンはシャリューアに対して威嚇といいますか......圧を出していますし、シャリューアはただただ下を向いている、という異様な光景になっていますのよ。
流石にこんな状況で私が口を出すのは無理な話ですわよね。
ディーヴァンは私と話をしてすぐに
[正直に嘘をつかずに答えろ。俺が嘘を嫌いなのは知っているよな?]
とシャリューアに聞いていますが、シャリューアは
[この子は.........]
となんだか言葉を詰まらせていますわね。
そんなシャリューアの様子を見て、私の肩で休憩をしていた小さな竜は、威嚇をするようにディーヴァンのことを見ていますが、もうこの様子を見るだけでも察しますわよね。
なので、嘘をつくだけ無駄のような気がしますわ。
流石にそれはシャリューアも察したんでしょうね。
最初は言うか、言わないか、という様子で、悩んでいましたが、周りの様子をチラチラと見た後に
[この子は私の子なんです]
と、都合の悪そうに言いましたわ。
これに対してディーヴァンが
[ここにはお前しかいないんだから、そうだとしか考えられないよな]
と少し偉そうに言っていましたが、
「わかっているなら聞かなくても良いのでは?」
と言ってしまいそうになりましたが、状況的に絶対に言えないのでグッと堪えましたわ。
まぁ、ディーヴァンなりにしっかりと自分の妹の口から事実を聞きたかったんでしょう。
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