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5話
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パーライア侯爵からの手紙は、毎回毎回、
「うちのバカ息子が申し訳ない」
という言葉から始まりますわ。
その後に、今回はジオルグ様がリーア様に何をプレゼントしていたのか、先日はどこに遊びに行っているのか、など、2人の行動が詳しく書かれていますわ。
最初は気を遣って、ただの謝罪の手紙だけだったんですが、あまりにも目に余る行動過ぎて誰かに言いたくなってしまったんでしょうね。
今までは家から出してやっていたドレスやアクセサリーも、ついにジオルグ様が自分でお金を工面するように、と言われてしまったみたいですわ。
パーライア侯爵と夫人は、
「婚約者である私に対するプレゼントは喜んでお金を出そうと思うけど、他の女に貢いでいるんだったら我が家から出すような金は一銭もない」
と思っているみたいで、ジオルグ様に対する怒りのようなものが手紙に書いてある文字だけでも伝わってくるほど、怒っているみたいですわ。
毎回返事を書かないといけないので、少し面倒ですが、今回はパーティーでの出来事があったので、書く内容があって助かりますわ。
なんて思いながらパーライア侯爵に手紙を書きました。
大体の内容は、侯爵も夫人も、私を本当の娘のように可愛がってくれていたから、ジオルグ様は関係なしに遊びに行かせて欲しい、ということと、今回のパーティーでのことですわ。
ジオルグ様が自分で私にあのようなことを言われた、なんていう訳がありませんもの。
侯爵と夫人には申し訳ないですが、今後のジオルグ様の行動次第では婚約を白紙にすることも考えている、ということも手紙に書いておきました。
これで今までのことを冷静になって考えてくれたらいいんですが........。
今日のジオルグ様の様子を見ると、きっと私のせいで自分が酷い目に遭った、という考えをするでしょうね。
はぁ.......いつからそんな愚か者になってしまったんでしょう。
私が知っているジオルグ様は、もう少し周りのことを考えることが出来る人でしたし、喋り方もあれほどまでに棘がなかったですわ。
長年一緒に過ごしていましたが、ジオルグ様の初めて見る一面に、戸惑ってしまいますわ。
なんて思っていると、
「ジュリエッタ様、まだ起きていたんですか?そろそろ就寝の時間ですよ?」
と言いながら、私の専属メイドのリルが部屋に入ってきましたわ。
リルの言葉に、反射的に時計を見ると、普段ならすでにベットに入る時間になっていて驚きました。
心配そうな顔をして私のことを見ているリルに
「手紙を書いていたらこんな時間になってしまったわ。教えてくれてありがとう」
と言って微笑んだのですが、なぜかリルは心配そうな顔をして私のことを見つめたままです。
リルも私とジオルグ様の婚約が危ない、ということは知っていますものね。
その原因も知っていますし、きっと私のことを心配してくれているんでしょう。
そう思った私は、リルに
「大丈夫よ」
とだけ言って、仕事に戻るように指示しましたわ。
その後、リルが部屋から出る前に、ベットの中に入ると静かな声で
「失礼します」
という声の後に扉が閉まる音が聞こえてきました。
色んな人に心配をかけているんです。
どのような結果になるのか、私にもわかりませんがしっかりしないといけませんわね。
そう思いながら眠りにつきましたわ。
「うちのバカ息子が申し訳ない」
という言葉から始まりますわ。
その後に、今回はジオルグ様がリーア様に何をプレゼントしていたのか、先日はどこに遊びに行っているのか、など、2人の行動が詳しく書かれていますわ。
最初は気を遣って、ただの謝罪の手紙だけだったんですが、あまりにも目に余る行動過ぎて誰かに言いたくなってしまったんでしょうね。
今までは家から出してやっていたドレスやアクセサリーも、ついにジオルグ様が自分でお金を工面するように、と言われてしまったみたいですわ。
パーライア侯爵と夫人は、
「婚約者である私に対するプレゼントは喜んでお金を出そうと思うけど、他の女に貢いでいるんだったら我が家から出すような金は一銭もない」
と思っているみたいで、ジオルグ様に対する怒りのようなものが手紙に書いてある文字だけでも伝わってくるほど、怒っているみたいですわ。
毎回返事を書かないといけないので、少し面倒ですが、今回はパーティーでの出来事があったので、書く内容があって助かりますわ。
なんて思いながらパーライア侯爵に手紙を書きました。
大体の内容は、侯爵も夫人も、私を本当の娘のように可愛がってくれていたから、ジオルグ様は関係なしに遊びに行かせて欲しい、ということと、今回のパーティーでのことですわ。
ジオルグ様が自分で私にあのようなことを言われた、なんていう訳がありませんもの。
侯爵と夫人には申し訳ないですが、今後のジオルグ様の行動次第では婚約を白紙にすることも考えている、ということも手紙に書いておきました。
これで今までのことを冷静になって考えてくれたらいいんですが........。
今日のジオルグ様の様子を見ると、きっと私のせいで自分が酷い目に遭った、という考えをするでしょうね。
はぁ.......いつからそんな愚か者になってしまったんでしょう。
私が知っているジオルグ様は、もう少し周りのことを考えることが出来る人でしたし、喋り方もあれほどまでに棘がなかったですわ。
長年一緒に過ごしていましたが、ジオルグ様の初めて見る一面に、戸惑ってしまいますわ。
なんて思っていると、
「ジュリエッタ様、まだ起きていたんですか?そろそろ就寝の時間ですよ?」
と言いながら、私の専属メイドのリルが部屋に入ってきましたわ。
リルの言葉に、反射的に時計を見ると、普段ならすでにベットに入る時間になっていて驚きました。
心配そうな顔をして私のことを見ているリルに
「手紙を書いていたらこんな時間になってしまったわ。教えてくれてありがとう」
と言って微笑んだのですが、なぜかリルは心配そうな顔をして私のことを見つめたままです。
リルも私とジオルグ様の婚約が危ない、ということは知っていますものね。
その原因も知っていますし、きっと私のことを心配してくれているんでしょう。
そう思った私は、リルに
「大丈夫よ」
とだけ言って、仕事に戻るように指示しましたわ。
その後、リルが部屋から出る前に、ベットの中に入ると静かな声で
「失礼します」
という声の後に扉が閉まる音が聞こえてきました。
色んな人に心配をかけているんです。
どのような結果になるのか、私にもわかりませんがしっかりしないといけませんわね。
そう思いながら眠りにつきましたわ。
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