幼馴染で婚約者の私より、貴方は運命の相手の方が大事ですのね

榎夜

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13話

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怒っているリーア様を見た取り巻きたちは

「お、俺はリーアを助けてあげたくて.......」

「そ、そうだ!令嬢たちに仲間外れにされていたところを助けたんだ!」

と口々に言っていますが、その行動のせいで余計に令嬢たちの中に入れなかった、という事実はどう考えるんでしょう?

結局は取り巻きたち、そしてジオルグ様の自己満足でしかありませんわよね。

そう思った私は思わずため息をつきながら取り巻きたちを見ていると、この話を聞いたリーア様は

「そんな行動のせいで私がなんて言われていたか知っていますの!?もう、うんざりなんです!」

と、まるで助けを求めているのか、という様子で叫びましたわ。

確かに、最近のリーア様は取り巻きの人と一緒にいるのが減ったと思っていましたが........きっと限界だったんでしょうね。

男爵令嬢に伯爵以上の爵位の子息が何人も........と考えると、確かに強くは言えませんし、話を合わせますもの。

そう考えると、なんだかリーア様が可哀そうになってきましたわ。

それは私以外の人達も同じことを思っているようで、顔を顰めて話を聞いています。

ですが、取り巻きたちは、というと

「そんなの勝手に言わせておけばいいだろう!」

とリーア様の思いが伝わっていないのか、叫んでいますわ。

今までもこのような感じでリーア様は言われていたんでしょうね。

きっと、いつも通り取り巻きしか周りにいない状況だったら頷いているでしょう。

しかし、今は違いますわ。

周りにはリーア様の味方しかいない、という状況でしょう。

もちろん私もリーア様の味方ですわ。

それをわかっているのか

「もう二度と私に話しかけないでください!」

「な.....なんだと!あれほど良くしてやったじゃないか!」

「私が頼みましたか?私がドレスが欲しい、アクセサリーが欲しい、とおねだりしたことありますか!?」

「そ.....それは...........」

と取り巻きとリーア様の言い合いが続いています。

やはりドレスもリーア様が頼んでいたわけではないんですのね。

きっと休日も誘われたから、という理由で一緒に外出していたんでしょう。

はぁ.....1人の令嬢に寄って集って.......本当に恥ずかしい人たちですわね。

まだリーア様と取り巻きたちは言い合いを続けていますが、このまま続けても話は終わらない、と判断した私は

「リーア様、行きましょう。ここにいても無意味な話が続くだけですわ」

そう言って手を掴みましたわ。

私も、もうジオルグ様の顔は見たくありませんし、一緒に温室から出よう、と考えましたの。

我ながら良い考えだと思いませんか?

そんな私に、リーア様は

「ジュリエッタ様..........」

と目に涙を浮かべていますが.......なんだか私が泣かせてしまったみたいですわね。

ちょっと泣くのはやめて欲しいですわ。

なんて思いながら2人で温室を出ようとしている私たちの背中に

「こ、婚約破棄はしないからな!」

というジオルグ様の声が聞こえてきましたわ。

はぁ.....こんな状況になって、まだ諦めていませんのね。

ここまで面倒な人だなんて思ってもいませんでしたわ。

ジオルグ様の言葉に、思わずため息をつきながら

「勝手に言っててくださいな。その件はお父様達に公平に判断してもらいましょう。では」

と答えましたがお父様に聞かなくても結果なんてわかりきっていますわ。

婚約破棄、そのことがこれほどまでに清々しい気持ちになるとは、思ってもいませんでした。
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