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告白、そして新たな婚約者
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数日後、スカーレットは父に呼ばれて執務室に入った。
「スカーレット、疑う訳じゃないが、本当に天啓を受けたのか?」
「…。お母様には黙っていて下さいますか?」
「何か訳があるのだな…いいだろう。約束するよ」
大好きな人に 隠し事をするのは辛い。でも、多分お母様は信じて下さらないだろう。
スカーレットは、これから起こる事、そして殿下に裏切られ、殺されてしまった事を話した。
「そうなのか…実はサリアと側妃様は同じ年齢で、だから接点がある。同じく元、伯爵令嬢だし…私もサリアの友人全てを把握している訳ではないからな…スカーレットは、辛い思いをしたのだな」
お父様は、わたくしを抱き締めて下さった。
あの頃のお父様は、いつも忙しく働いていらっしゃったわ。…お父様ならきっと、知ればわたくしを助けて下さったわ。
「お母様は、わたくしが不幸になっても良いと思っていらっしゃるのかしら」
「そんな事はないだろうが、サリアは公爵夫人としての立場に誇りを持っているからな。スカーレットにもそれを求めているのかもしれない。私は、お前の幸せを一番に考えているつもりだ。まだ早いとは思うが、スカーレットはアベル殿下以外となら、政略婚約しても良いと考えているか?」
「勿論ですわ。出来れば誠実な方が良いと思ってはいますが」
「そうか…殿下の誕生日パーティーまでにはまだ半年ある。私に任せてもらえるか?」
「はい…よろしくお願いいたします」
そうよね…別に婚約者がいれば、アベル殿下と婚約せずに済む。どんな方でも、殺されないだけましだと思わなきゃ。
それに、お父様が選んで下さった方なら、間違いないわ。何しろいずれは女公爵として立ち、ガゼル領を継ぐわたくしを補佐せねばならない方なのですから。
あれから約一月後。わたくしはお父様に連れられて、陛下とかなり年齢の離れた弟君、つまりは王弟殿下の屋敷に行く事になりました。
「まさか、お父様がお決めになられたのは、キルヴィス殿下ですの?」
キルヴィス殿下はわたくしより七つ年上で、現在12歳。王位継承権も当然持たれている。勿論、順位的には王子達の下になるが。
「無論、お受け頂ければな。これならサリアも文句は言えまい」
キルヴィス殿下は前の時は、確か宰相を務められていたわ。大変優秀な方でしたと…でも、確か独身で、女性嫌いとの噂もあった方ですわ…大丈夫かしら?
陛下が即位されてからは独立して、こちらのお屋敷に住むようになられたのですわ。
広さこそ王宮には及ばないけれど、要人を迎える事もあるここのお屋敷は、王宮にも劣らぬ調度品が設えられていて、品の良さが伺えます。
キルヴィス殿下は金の髪と色素の薄いアイスブルーの瞳を持っていて、まるで値踏みするかのようにその瞳を鋭くされた。
殿下は5歳の娘には答えられないような話題も振ってこられて、でも王子妃教育も終えていたわたくしに答えられないはずはありません。
驚いたようにわたくしを見つめられましたが、試されているのであろう事はすぐに分かりましたわ。
ならばとこちらも知的な話題を提供すると、嬉しそうな笑顔を浮かべて、褒めて下さいました。
アベル殿下には褒められた事など一度もなかったので、わたくしは嬉しくなりました。
無事に婚約を結ぶ事も出来て、わたくしは肩の荷が降りた気分になりました。
「スカーレット、疑う訳じゃないが、本当に天啓を受けたのか?」
「…。お母様には黙っていて下さいますか?」
「何か訳があるのだな…いいだろう。約束するよ」
大好きな人に 隠し事をするのは辛い。でも、多分お母様は信じて下さらないだろう。
スカーレットは、これから起こる事、そして殿下に裏切られ、殺されてしまった事を話した。
「そうなのか…実はサリアと側妃様は同じ年齢で、だから接点がある。同じく元、伯爵令嬢だし…私もサリアの友人全てを把握している訳ではないからな…スカーレットは、辛い思いをしたのだな」
お父様は、わたくしを抱き締めて下さった。
あの頃のお父様は、いつも忙しく働いていらっしゃったわ。…お父様ならきっと、知ればわたくしを助けて下さったわ。
「お母様は、わたくしが不幸になっても良いと思っていらっしゃるのかしら」
「そんな事はないだろうが、サリアは公爵夫人としての立場に誇りを持っているからな。スカーレットにもそれを求めているのかもしれない。私は、お前の幸せを一番に考えているつもりだ。まだ早いとは思うが、スカーレットはアベル殿下以外となら、政略婚約しても良いと考えているか?」
「勿論ですわ。出来れば誠実な方が良いと思ってはいますが」
「そうか…殿下の誕生日パーティーまでにはまだ半年ある。私に任せてもらえるか?」
「はい…よろしくお願いいたします」
そうよね…別に婚約者がいれば、アベル殿下と婚約せずに済む。どんな方でも、殺されないだけましだと思わなきゃ。
それに、お父様が選んで下さった方なら、間違いないわ。何しろいずれは女公爵として立ち、ガゼル領を継ぐわたくしを補佐せねばならない方なのですから。
あれから約一月後。わたくしはお父様に連れられて、陛下とかなり年齢の離れた弟君、つまりは王弟殿下の屋敷に行く事になりました。
「まさか、お父様がお決めになられたのは、キルヴィス殿下ですの?」
キルヴィス殿下はわたくしより七つ年上で、現在12歳。王位継承権も当然持たれている。勿論、順位的には王子達の下になるが。
「無論、お受け頂ければな。これならサリアも文句は言えまい」
キルヴィス殿下は前の時は、確か宰相を務められていたわ。大変優秀な方でしたと…でも、確か独身で、女性嫌いとの噂もあった方ですわ…大丈夫かしら?
陛下が即位されてからは独立して、こちらのお屋敷に住むようになられたのですわ。
広さこそ王宮には及ばないけれど、要人を迎える事もあるここのお屋敷は、王宮にも劣らぬ調度品が設えられていて、品の良さが伺えます。
キルヴィス殿下は金の髪と色素の薄いアイスブルーの瞳を持っていて、まるで値踏みするかのようにその瞳を鋭くされた。
殿下は5歳の娘には答えられないような話題も振ってこられて、でも王子妃教育も終えていたわたくしに答えられないはずはありません。
驚いたようにわたくしを見つめられましたが、試されているのであろう事はすぐに分かりましたわ。
ならばとこちらも知的な話題を提供すると、嬉しそうな笑顔を浮かべて、褒めて下さいました。
アベル殿下には褒められた事など一度もなかったので、わたくしは嬉しくなりました。
無事に婚約を結ぶ事も出来て、わたくしは肩の荷が降りた気分になりました。
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