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教養とマナー
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キルヴィス殿下と婚約した事でお母様はすっかり怒ってしまわれて、わたくしは戸惑いました。
「どうして私に黙って婚約してしまうの?アベル殿下の事、何も知らないでしょう?どうしてアベル殿下じゃだめなの!」
「サリア、なら逆に聞くが、何故キルヴィス殿下では駄目なのか」
お母様は、黙ってしまった。
「どの道、婚約は結ばれた。今更理由なくこちらから破棄する事など出来ない」
「女性嫌いのキルヴィス殿下なんて、向こうから婚約破棄されるのに決まっているわ」
「とにかく、殿下の婚約者として恥ずかしくないよう、スカーレットには教師を付ける」
「ほら。それだって、アベル殿下の婚約者なら王子妃教育で習えるはずなのに」
「サリアは少し黙っていなさい。サリアには負担をかけないよう、教師の選定も私が行う」
「娘の教育は、母親である私の仕事です!」
「いや。スカーレットは次期公爵でもあるから、これは私の仕事だ」
確かにここ最近のお母様の言動を聞いていると、不安に思ってしまう事は確かだわ。
昔から少々ヒステリー気味な所はあったけど、ここまで酷くなかった気がするわ。
お父様もそう思ったからこそ、お母様に任せる事はなかったのかもしれない。
お母様の性格には、お父様も手を焼いているみたい。いつもよりもため息が多いわ。
一月も経たないうちに教養とマナーの教師も決まり、質の高い教育が始まる。
王子妃教育を受けていたわたくしは余裕だろうと、少し舐めていましたわ。前は教わらなかった政治経済に関する深く掘り下げた教育。マナーに至っては、立ち姿だけで1日終わってしまいました。
聞いてみると、王太子教育もなされた方だとか。それに、分かっているつもりでも、あの苦しい年月を過ごしたわたくしとは違うので、身についていないようです。
でもお陰様で、キルヴィス殿下の振る話題にもついて行けて、キルヴィス殿下も嬉しそうです。
勿論、わたくしも嬉しいですわ。アベル殿下と違ってキルヴィス殿下はちゃんと褒めて下さるのですもの。
アベル殿下には褒められた記憶なんて全くなく、どころか殿下の稚拙な話しに辟易してました。
多分そんな所もわたくしが嫌がられる原因だったのでしょう。
真面目過ぎて面白くないとは、よく言われてましたから。
「どうして私に黙って婚約してしまうの?アベル殿下の事、何も知らないでしょう?どうしてアベル殿下じゃだめなの!」
「サリア、なら逆に聞くが、何故キルヴィス殿下では駄目なのか」
お母様は、黙ってしまった。
「どの道、婚約は結ばれた。今更理由なくこちらから破棄する事など出来ない」
「女性嫌いのキルヴィス殿下なんて、向こうから婚約破棄されるのに決まっているわ」
「とにかく、殿下の婚約者として恥ずかしくないよう、スカーレットには教師を付ける」
「ほら。それだって、アベル殿下の婚約者なら王子妃教育で習えるはずなのに」
「サリアは少し黙っていなさい。サリアには負担をかけないよう、教師の選定も私が行う」
「娘の教育は、母親である私の仕事です!」
「いや。スカーレットは次期公爵でもあるから、これは私の仕事だ」
確かにここ最近のお母様の言動を聞いていると、不安に思ってしまう事は確かだわ。
昔から少々ヒステリー気味な所はあったけど、ここまで酷くなかった気がするわ。
お父様もそう思ったからこそ、お母様に任せる事はなかったのかもしれない。
お母様の性格には、お父様も手を焼いているみたい。いつもよりもため息が多いわ。
一月も経たないうちに教養とマナーの教師も決まり、質の高い教育が始まる。
王子妃教育を受けていたわたくしは余裕だろうと、少し舐めていましたわ。前は教わらなかった政治経済に関する深く掘り下げた教育。マナーに至っては、立ち姿だけで1日終わってしまいました。
聞いてみると、王太子教育もなされた方だとか。それに、分かっているつもりでも、あの苦しい年月を過ごしたわたくしとは違うので、身についていないようです。
でもお陰様で、キルヴィス殿下の振る話題にもついて行けて、キルヴィス殿下も嬉しそうです。
勿論、わたくしも嬉しいですわ。アベル殿下と違ってキルヴィス殿下はちゃんと褒めて下さるのですもの。
アベル殿下には褒められた記憶なんて全くなく、どころか殿下の稚拙な話しに辟易してました。
多分そんな所もわたくしが嫌がられる原因だったのでしょう。
真面目過ぎて面白くないとは、よく言われてましたから。
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