バツイチ出戻り令嬢は竜王に溺愛される

バカラ

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「お初にお目に掛かります、オリヴィア・フォーウッド様。本日はお会い出来て光栄に存じます。わたくしはウォーカー商会 会頭の娘、アイリーン・ウォーカーと申します。」

目の前にいる意志の強い目をした栗毛色の髪の女性にオリヴィアは目を奪われる。

アイリーン・ウォーカーと名乗るデザイナー兼次期会頭は、肩より少し上で切りそろえられた短い髪に、膝下までしかないストンとしたシンプルなラインのドレスとブーツを合わせた姿で、にこやかに挨拶する。

「かっこいい・・!私はオリヴィア・フォーウッドよ。こちらこそお会い出来て光栄だわ。」

オリヴィアは目を輝かせた。
インブリー家へ嫁いでから離婚するまでというもの、自分自身のためというところから少し離れた生活をしていたため、アイリーンのようなこの国の中心で生き生きと働く女性がまぶしい。

アイリーンは話術も巧みで、最近の王都の流行から辺境伯領での話まで次から次へと話題が尽きない。オリヴィアがお願いしたサルワーカミスの製作も快く引き受けてくれて、素材からデザインまで話が盛り上がり、あっという間に時間が過ぎていった。

そして話も終わりかけた時、アイリーンが今までの笑顔から一転、真剣な表情になり口を開いた。



「では、オリヴィア様、本日の本題なのですが・・・。先だって、インブリー領のとある商会が販売開始したというポーションが今、この国の商人の間で密やかな話題となっています。」

アイリーンは落ち着いた口調で話を続ける。

「 従来、ポーションは精霊の子自らが生産せねばならず、そのため生産量が限られ、高価で希少なものでした。質も、製作者の力により様々、偽物も市場に溢れ、高額な粗悪品を掴まされる可能性も多々ありました。それが、その商会は自らの工房で多量の生産に成功し、従来より低価格、しかもその品質は素晴らしく、ばらつきがない。さらに精霊の子自身は生産過程にほぼ関わっていないという。奇跡のような話です。」

情報が早い・・!まだ試験的な販売段階なのに大量生産の話まで。オリヴィアは商人の情報網に驚く。

オリヴィアは少しはぐらかし気味に頷きながら話の続きに耳を傾ける。

「私の故郷、辺境伯領は隣国に接し、軍を有する。それが意味することはおわかりでしょうか。ーーそうです。有事が起こりうる、そして現実問題、小なる有事は幾度も起こっております。もちろん、辺境伯領にもポーションを軍のため、領民のため作る者はいます。けれども、その質と量、どれをとっても新たに販売開始したインブリー領のものに遠く及ばない。」

アイリーンはその意思の強い瞳で真っすぐオリヴィアを見た。

「水の精霊の大いなる加護を持つ、オリヴィア・フォーウッド様。我が商会に、そのポーション製造の権利を売って頂けないでしょうか。」

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