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第114話 頼りにならない先輩
しおりを挟む「それで、このことについて他の人は知っているんですか?」
「いや、奈落さんが最初だよ!だって、・・ねぇ?」
「??・・・ああ、なるほど。他の人達じゃあ、癖が強すぎますからね。それで、俺が仲介役になって紹介してあげれば良いんですね?」
「理解が速くて助かるよ!っと、そう言えば私、これから用事があるんでした!奈落さん、後のことは頼みましたよ?」
「えっ?あの、ちょっと待って・・・。」
そう言って、部屋を急いで出て行く高太郎さんから詳しい話を聞けないまま、未希さんと二人きりになってしまった。
「あーっと、取り敢えず、他の人達が居る場所にまで向かいますか。」
「わ、分かりました。」
今の時間なら、他のライバーは会議室に集まっていると思われる為、先導しながら会議室に向かう。その間、俺と未希さんの間で会話は無かった。
やはり、俺の人見知りは健在のようだ。どうやら、一対一での会話の時のみ、人見知りが出て来てしまうらしい。なんて都合の悪い?良い?人見知りだ。
未希さんに何か話題を振った方が良いのかな?と考えながら歩いていると、女性用トイレから、嬢ノ内さんが出て来た。
「ドタキャンする男だったなんて、ハズレだったわね。あれ?奈落君じゃない!この前は、機材運ぶの手伝ってくれてありがとね!!それで、この間話していたマイクの一番良いやつを買ったんだけど、思っていたよりも大きかったからね?・・ね?」
「ハァ・・・。後ほど、時間がある日を教えてください。ちなみに、男が一人で持てるくらいの大きさですか?それに、今度からは大きさもちゃんと見て買ってくださいね?ただでさえ、嬢ノ内さんの配信部屋は物が多いんですから、いつか部屋に物が入らなくなりますよ?」
「大丈夫大丈夫!!これが最後の必需品だったから!それじゃあ、明後日の午後1時くらいなら空いてるから、お願いね!!そう言えば、さっきから後ろに立っている女の子は誰?もしかして、奈落君の彼女?」
「あぁ、新しく『スペースオペラ一期生』に加わる、未希さんです。先ほど高太郎さんに頼まれて、他の人にも紹介する予定なんですよ。」
「ほんとっ!!へー、結構可愛いじゃない!!ねぇ、今度二人でショッピングに行かない?実は、私の他にも、もう一人女の子が居るんだけど、趣味の話が合わなくてね?だから、どう?どう?」
「ええ、まぁ、大丈夫ですけど、この忙しい時期に時間あります?私まだ、デビュー配信の準備が一つも出来て無いんですけど。」
「もしかしてまだ、配信自体したことが無かったの?・・それなら、大丈夫!!大丈夫!!配信準備くらい、ササっと終わるでしょ!!それに、困ったことがあったら、奈落君に聞けばOKだから!」
配信者の先輩として、それで良いのかってくらいの言葉だが、配信機材に一番こだわりを持っているのが、この人なんだから驚きだよな。それに、何かあれば俺を頼るの止めません?何故か未希さんも普通に話してるし、人見知りなのでは無かったのか?
ーーーーーその後、3人で会議室にまで移動し、未希さんの自己紹介を済ませた。まぁ、それぞれの反応は以下の通りだ。ちなみに未希さんは、男性と話す時だけ極度の緊張状態になるらしく、城東さんと腹一さんと話す時の緊張の仕方は尋常じゃなかった。特に、足の震えが止まらなくなってしまい、座り込んでしまった時は本当にビックリしたな。
腹一さん
「あっ、はい、よろしくお願いします。はぁ、また人気が出そうな子が一人。私、生き残れるのでしょうか。って、突然座り込んで大丈夫ですか⁉ちょっ、奈落さん!!どうしたら良いんでしょうか!!」
城東さん
「あ?ああ、よろしくな!お前、足が震えてるぞ?大丈夫か?まぁ、気が弱そうだし、しっかりな。」
筆記さん
「・・・・・・・・・・・・ヒロイン登場?・・・・・・・・・・・・・・主人公が居ない・・・・・・・・・・・・・・女性主人公?」
早くマネージャーが欲しい。
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