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第三章
市場にて
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訓練場での試験の後、ゲッターたちはギルド内の応接室に呼ばれた。
試験の内容は良好だったのでカプルとアッグは得意気な様子で応接室に向かった。
登録担当の職員に何か指示をした後、セリオスはゲッターたちを応接室に招き入れた。
一同がソファに腰を下ろすとセリオスは「登録試験お疲れ様。結果は合格だ。今ギルドカードを用意しているから少し待っててくれ」と言った。
ゲッターたちはハイタッチを交わして喜び合った。
するとセリオスは声のトーンを落として「それで何でリスモンズの伯爵の子息がゴブリンを連れてペセタにいるんだ?」と聞いた。
ゲッターとアイナはギクっとしてセリオスを見た。
セリオスはそれまでの愛想の良い雰囲気ではなく探るような目つきでゲッターを見ていた。
ゲッターは気圧されながら「どうしてわかった?」とかろうじて返した。
セリオスは呆れた表情になり「平民は貴族と同じ名前をつけないんだ。不敬と言われると困るからな。だからコンタージュの領都でゲッターの名前で冒険者登録する人物は1人しかいない。」と言ってから「だから家名を名乗らなくても、偽名も使わず貴族の名前で活動していたらバレバレだ。警戒もせずギルドカードも見せるし、俺からするとそれでバレないと思える方が不思議だ」と手を広げながら言った。
ゲッターは自分のあまりの馬鹿さ加減にガックリとした。アイナが「ゲッター様、申し訳ありません。私があまりに無知なばかりに」と謝っていたがなんの慰めにもならなかった。
ゲッターは無駄な抵抗はせず、セリオスに森でゴブリンの村の村長をしていること、ペセタにはサルバトールと共に来て人間の街の様子を見ようと思っていることを伝えた。
セリオスはゲッターの話を特に疑うこともせず聞いた後、また呆れた表情でため息をついた。
「悪いことは言わない。何か起こる前に森に帰るんだな。お前たちはトラブルの種でしかない」とセリオスは言った。続けて「すぐにお前たちのことは領主のゼルカンの耳に入るだろう。性格の悪いあいつが動いたら碌なことは起きない。できるだけ早く街から離れた方がいい」と言われ、さすがにゲッターも事態の重さを理解した。
セリオスはトラブルを起こしてほしくないのが本音だろうが、本気で心配もしてくれているようだった。
ゲッターは頭を下げ「忠告ありがとう。明日にも森へ帰るよ」と言った。
セリオスはホッとした表情になり「次はちゃんとバレないように変装してきな。どんな変装をするかはサルバトールに相談したらいい。その時はもっと歓迎してやる」と言った。
話が終わると扉がノックされた。
セリオスは対応して戻ってくると机の上に出来立てのギルドカードを置いた。
セリオスはカプルとアッグを見ながら「これがお前たちのギルドカードだ。これから一人前の冒険者としてがんばってくれ」と言った。
カプルはカードを手に取ってみると「俺、立派な冒険者になるよ」と目を輝かせた。アッグも興奮した表情で「俺もアニキと一緒に立派になる」と宣言していた。
ゲッターたちはセリオスに礼を言って退室するとカウンターでおすすめの宿屋を聞いてギルドを出た。
すでに昼を過ぎており、カプルが「お腹空いた」と訴えてきた。
「宿屋に行く途中で何か食べて行こう」とゲッターが言うとみんなは拍手をして賛成した。
ギルドから宿屋へ歩いて行くと市場があった。
市場で真っ先に目についた串焼きの屋台に行くと、ゲッターは4人分の串焼きを注文した。
ゲッターは伯爵家から旅立つ時に自分の貯金を持って出ていた。今までそのお金を使う機会がなかったため結構お金を持っていた。それにサルバドールから護衛料ももらったので「今日は少し贅沢するか」とみんなに言った。
ゲッターたちは屋台をハシゴして、しばしペセタの味覚を楽しんだ。
食欲を満たした後は市場で村への土産を物色した。
「ヴェルデリオンから土産を頼まれていたな」とゲッターは思い出しながら市場を散策した。
市場には屋台のほか、食料品、日用品、雑貨、武器や防具といったものまで様々な出店が並んでいた。
もちろん森ではみることが出来ないものばかりだし、ゲッターとアイナもコンタージュ領では珍しいものが多かったので見ていて楽しかった、
市場ではゴブリンが珍しいのか通り過ぎる人たちにジロジロ見られることがあったが、冒険者ギルドでのように口に出して何か言われることはなかった。
武器を売っている露店にくるとカプルとアッグの足が止まった。
鋼鉄製の剣が気になったようだ。
アトラ村のゴブリンたちの多くはゲッターが『加工』で作った武器を使用している。その材料は石であることが多かった。
ゲッターの作る石製の武器は切れ味は悪くなかったが、耐久性に問題があった。要はすぐに欠けてしまうのだ。
ゲッターはその度に直すか新しいものを作ってあげていた。ゲッターとアイナはコンタージュ領から鉄製の武器を持ってきていたので、度々カプルたちから鉄製の武器をねだられたことがあったが、ゲッターにも材料がなければどうしようもなかった。
カプルとアッグは鋼鉄製のロングソードを手に取り非常に喜んでいた。
2人とも気に入ったものを選んだところでゲッターが買ってあげると声をかけようとしたところ、アッグが腰の袋に手を入れた。
アッグは腰の袋の中をゴソゴソと探ると拳大の金の塊を取りだし「これでこの2本の剣を売ってくれ」と店主に声をかけた。
アッグが金の塊を袋から取り出すと周囲が騒然となった。
アッグは偽の金と疑われていると思ったのか「本物だよ」と憮然としたが、差し出された店主の方は困惑していた。
「すまない。うちにはお釣りがないからどこかで両替してもらってから来てくれないか」と店主は言った。鋼鉄製のロングソード2本にその大きさの金ではそう言われて当然だ。
ゲッターはアッグに「私がここは買ってあげるからアッグはその金を仕舞いなさい」と声をかけて代金を店主に渡した。
店主は「毎度あり」と言ってからカプルとアッグに剣の手入れの仕方を簡単に説明してくれた。
2人は喜んでそれを聞いていた。
店を離れるとカプルとアッグの2人は「ゲッターありがとう」と言ってお礼をした。
ゲッターは笑顔で「どういたしまして」と言ってからアッグに「それにしてもその金はどうしたんだ?」と尋ねた。
アッグは笑顔で「川で拾ったんだ」と答えた。
ゲッターはカプルに「川には金塊がゴロゴロしているのか?」と尋ねた。
カプルは首を振り「確かに上流から金が流れて来るけど、こんなに大きいのは聞いたことがないよ。爪ぐらいの大きさのを拾ったことがあるっていうのは聞いたことがあったけど、こんなに大きいものの話は聞いたことないよ」と言った。
アッグは得意そうに「川の近くに行ったらいつも探すようにしていたんだ。俺も見つけた時は驚いたよ」と言った。
ゲッターたちが話しながら歩いているとアイナが「ゲッター様」と声をかけてきた。
ゲッターはアイナに頷いて返すと「ここでは騒ぎになる。路地に入ろう」とみんなに声をかけた。
ゲッターたちが路地に入っていくとガラの悪い男たちが6人ほどついてきた。
ゲッターは逃げ道があることを確認すると振り返り「私たちに何の用だ?」と男たちに声をかけた。
男たちはいやらしい笑顔を浮かべて「いや、何さっきの金を両替してやろうと思ってな」と声をかけてきた。
ゲッターが「いや、間に合っている。用はそれだけか?」と返すと男は大声で「お前には言ってない!用があるのはそこのゴブリンだ」と返してきた。
アイナがムッとして言い返そうとしたが、先にアッグが「両替してくれるって言うけどおじさんお金持ってるの?」と尋ねた。
男はその反応に満足したのか懐から3枚の硬貨を出して「ほらよ」と言った。
ゲッターはそれを見て「全然足りないじゃないか!バカにしてるのか!」と怒ったが「お前はすっこんでろ!」と男に怒鳴り返された。
アッグは涼しい顔をして「全然足りないってさ。それだけなら失礼するよ」と言って「行こう」とみんなに声をかける。
しかし男たちはそれは許さないとばかりに道を塞ぎ「こっちはゴブリン相手に良心的に言ってやっているんだ。はいそうですか、とはいかねえよ」と凄んだ。
一気に場に不穏な空気が流れた。
それでもアッグは平気な顔をして「こちらを怒らせる前に行かせた方が身のためだと思うけど?」と言うが男は「ゴブリンのくせに生意気だ。つべこべ言わず金塊をこっちによこせ!」と怒鳴ってきた。
「こっちは忠告したからな」とゲッターは言うと「めんどくさくなるから殺すなよ」とみんなに指示を出した。
男たちは懐からナイフを取り出したがゲッターは気にせず先頭の男を殴り飛ばした。
カプルとアッグは鞘ごと剣を振り回して男たちを倒していく。
仲間が次々と倒されていったので1番後ろの男は怖気づいて逃げ出そうとした。
それを見たアイナが弓を取り出して矢を放つ。矢は見事に靴を射抜くと男を地面に縫い付けた。
「仲間を見捨ててどこに行くんだ?」とゲッターは静かに声をかける。
男は怯えて「悪かった。見逃してくれ」と土下座して謝っている。
「アッグは命懸けでカプルを庇ったぞ。お前も命を懸けて仲間を守ったらどうなんだ?」とゲッターは問いかけるが男は怯えて「助けてくれ、助けてくれ」と繰り返すだけだった。
ゲッターはため息をつくと「私たちの前に2度と現れるな」と言い残してその場を離れた。
その場を離れた後もゲッターは「あいつらこっちがゴブリンだから何も知らないと思っているんだ。馬鹿にして」と怒っていた。
ゲッターが自分たちのために怒ってくれているのがうれしいのか、カプルとアッグはニコニコしている。
それを見てアイナが「あんな大勢が見ているところで大金を出すアッグも悪いのよ。反省しなさい」と注意した。
アッグは素直に「わかりました。ごめんなさい」と謝った。
ゲッターはアッグが素直に謝ったので「寄り道したけど宿に行こう。それで明日森に帰ろう」とみんなに声をかけた。
ゲッターたちは急いで土産などの買い物を済ませると、ギルドで紹介してもらった宿屋に入って行った。
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試験の内容は良好だったのでカプルとアッグは得意気な様子で応接室に向かった。
登録担当の職員に何か指示をした後、セリオスはゲッターたちを応接室に招き入れた。
一同がソファに腰を下ろすとセリオスは「登録試験お疲れ様。結果は合格だ。今ギルドカードを用意しているから少し待っててくれ」と言った。
ゲッターたちはハイタッチを交わして喜び合った。
するとセリオスは声のトーンを落として「それで何でリスモンズの伯爵の子息がゴブリンを連れてペセタにいるんだ?」と聞いた。
ゲッターとアイナはギクっとしてセリオスを見た。
セリオスはそれまでの愛想の良い雰囲気ではなく探るような目つきでゲッターを見ていた。
ゲッターは気圧されながら「どうしてわかった?」とかろうじて返した。
セリオスは呆れた表情になり「平民は貴族と同じ名前をつけないんだ。不敬と言われると困るからな。だからコンタージュの領都でゲッターの名前で冒険者登録する人物は1人しかいない。」と言ってから「だから家名を名乗らなくても、偽名も使わず貴族の名前で活動していたらバレバレだ。警戒もせずギルドカードも見せるし、俺からするとそれでバレないと思える方が不思議だ」と手を広げながら言った。
ゲッターは自分のあまりの馬鹿さ加減にガックリとした。アイナが「ゲッター様、申し訳ありません。私があまりに無知なばかりに」と謝っていたがなんの慰めにもならなかった。
ゲッターは無駄な抵抗はせず、セリオスに森でゴブリンの村の村長をしていること、ペセタにはサルバトールと共に来て人間の街の様子を見ようと思っていることを伝えた。
セリオスはゲッターの話を特に疑うこともせず聞いた後、また呆れた表情でため息をついた。
「悪いことは言わない。何か起こる前に森に帰るんだな。お前たちはトラブルの種でしかない」とセリオスは言った。続けて「すぐにお前たちのことは領主のゼルカンの耳に入るだろう。性格の悪いあいつが動いたら碌なことは起きない。できるだけ早く街から離れた方がいい」と言われ、さすがにゲッターも事態の重さを理解した。
セリオスはトラブルを起こしてほしくないのが本音だろうが、本気で心配もしてくれているようだった。
ゲッターは頭を下げ「忠告ありがとう。明日にも森へ帰るよ」と言った。
セリオスはホッとした表情になり「次はちゃんとバレないように変装してきな。どんな変装をするかはサルバトールに相談したらいい。その時はもっと歓迎してやる」と言った。
話が終わると扉がノックされた。
セリオスは対応して戻ってくると机の上に出来立てのギルドカードを置いた。
セリオスはカプルとアッグを見ながら「これがお前たちのギルドカードだ。これから一人前の冒険者としてがんばってくれ」と言った。
カプルはカードを手に取ってみると「俺、立派な冒険者になるよ」と目を輝かせた。アッグも興奮した表情で「俺もアニキと一緒に立派になる」と宣言していた。
ゲッターたちはセリオスに礼を言って退室するとカウンターでおすすめの宿屋を聞いてギルドを出た。
すでに昼を過ぎており、カプルが「お腹空いた」と訴えてきた。
「宿屋に行く途中で何か食べて行こう」とゲッターが言うとみんなは拍手をして賛成した。
ギルドから宿屋へ歩いて行くと市場があった。
市場で真っ先に目についた串焼きの屋台に行くと、ゲッターは4人分の串焼きを注文した。
ゲッターは伯爵家から旅立つ時に自分の貯金を持って出ていた。今までそのお金を使う機会がなかったため結構お金を持っていた。それにサルバドールから護衛料ももらったので「今日は少し贅沢するか」とみんなに言った。
ゲッターたちは屋台をハシゴして、しばしペセタの味覚を楽しんだ。
食欲を満たした後は市場で村への土産を物色した。
「ヴェルデリオンから土産を頼まれていたな」とゲッターは思い出しながら市場を散策した。
市場には屋台のほか、食料品、日用品、雑貨、武器や防具といったものまで様々な出店が並んでいた。
もちろん森ではみることが出来ないものばかりだし、ゲッターとアイナもコンタージュ領では珍しいものが多かったので見ていて楽しかった、
市場ではゴブリンが珍しいのか通り過ぎる人たちにジロジロ見られることがあったが、冒険者ギルドでのように口に出して何か言われることはなかった。
武器を売っている露店にくるとカプルとアッグの足が止まった。
鋼鉄製の剣が気になったようだ。
アトラ村のゴブリンたちの多くはゲッターが『加工』で作った武器を使用している。その材料は石であることが多かった。
ゲッターの作る石製の武器は切れ味は悪くなかったが、耐久性に問題があった。要はすぐに欠けてしまうのだ。
ゲッターはその度に直すか新しいものを作ってあげていた。ゲッターとアイナはコンタージュ領から鉄製の武器を持ってきていたので、度々カプルたちから鉄製の武器をねだられたことがあったが、ゲッターにも材料がなければどうしようもなかった。
カプルとアッグは鋼鉄製のロングソードを手に取り非常に喜んでいた。
2人とも気に入ったものを選んだところでゲッターが買ってあげると声をかけようとしたところ、アッグが腰の袋に手を入れた。
アッグは腰の袋の中をゴソゴソと探ると拳大の金の塊を取りだし「これでこの2本の剣を売ってくれ」と店主に声をかけた。
アッグが金の塊を袋から取り出すと周囲が騒然となった。
アッグは偽の金と疑われていると思ったのか「本物だよ」と憮然としたが、差し出された店主の方は困惑していた。
「すまない。うちにはお釣りがないからどこかで両替してもらってから来てくれないか」と店主は言った。鋼鉄製のロングソード2本にその大きさの金ではそう言われて当然だ。
ゲッターはアッグに「私がここは買ってあげるからアッグはその金を仕舞いなさい」と声をかけて代金を店主に渡した。
店主は「毎度あり」と言ってからカプルとアッグに剣の手入れの仕方を簡単に説明してくれた。
2人は喜んでそれを聞いていた。
店を離れるとカプルとアッグの2人は「ゲッターありがとう」と言ってお礼をした。
ゲッターは笑顔で「どういたしまして」と言ってからアッグに「それにしてもその金はどうしたんだ?」と尋ねた。
アッグは笑顔で「川で拾ったんだ」と答えた。
ゲッターはカプルに「川には金塊がゴロゴロしているのか?」と尋ねた。
カプルは首を振り「確かに上流から金が流れて来るけど、こんなに大きいのは聞いたことがないよ。爪ぐらいの大きさのを拾ったことがあるっていうのは聞いたことがあったけど、こんなに大きいものの話は聞いたことないよ」と言った。
アッグは得意そうに「川の近くに行ったらいつも探すようにしていたんだ。俺も見つけた時は驚いたよ」と言った。
ゲッターたちが話しながら歩いているとアイナが「ゲッター様」と声をかけてきた。
ゲッターはアイナに頷いて返すと「ここでは騒ぎになる。路地に入ろう」とみんなに声をかけた。
ゲッターたちが路地に入っていくとガラの悪い男たちが6人ほどついてきた。
ゲッターは逃げ道があることを確認すると振り返り「私たちに何の用だ?」と男たちに声をかけた。
男たちはいやらしい笑顔を浮かべて「いや、何さっきの金を両替してやろうと思ってな」と声をかけてきた。
ゲッターが「いや、間に合っている。用はそれだけか?」と返すと男は大声で「お前には言ってない!用があるのはそこのゴブリンだ」と返してきた。
アイナがムッとして言い返そうとしたが、先にアッグが「両替してくれるって言うけどおじさんお金持ってるの?」と尋ねた。
男はその反応に満足したのか懐から3枚の硬貨を出して「ほらよ」と言った。
ゲッターはそれを見て「全然足りないじゃないか!バカにしてるのか!」と怒ったが「お前はすっこんでろ!」と男に怒鳴り返された。
アッグは涼しい顔をして「全然足りないってさ。それだけなら失礼するよ」と言って「行こう」とみんなに声をかける。
しかし男たちはそれは許さないとばかりに道を塞ぎ「こっちはゴブリン相手に良心的に言ってやっているんだ。はいそうですか、とはいかねえよ」と凄んだ。
一気に場に不穏な空気が流れた。
それでもアッグは平気な顔をして「こちらを怒らせる前に行かせた方が身のためだと思うけど?」と言うが男は「ゴブリンのくせに生意気だ。つべこべ言わず金塊をこっちによこせ!」と怒鳴ってきた。
「こっちは忠告したからな」とゲッターは言うと「めんどくさくなるから殺すなよ」とみんなに指示を出した。
男たちは懐からナイフを取り出したがゲッターは気にせず先頭の男を殴り飛ばした。
カプルとアッグは鞘ごと剣を振り回して男たちを倒していく。
仲間が次々と倒されていったので1番後ろの男は怖気づいて逃げ出そうとした。
それを見たアイナが弓を取り出して矢を放つ。矢は見事に靴を射抜くと男を地面に縫い付けた。
「仲間を見捨ててどこに行くんだ?」とゲッターは静かに声をかける。
男は怯えて「悪かった。見逃してくれ」と土下座して謝っている。
「アッグは命懸けでカプルを庇ったぞ。お前も命を懸けて仲間を守ったらどうなんだ?」とゲッターは問いかけるが男は怯えて「助けてくれ、助けてくれ」と繰り返すだけだった。
ゲッターはため息をつくと「私たちの前に2度と現れるな」と言い残してその場を離れた。
その場を離れた後もゲッターは「あいつらこっちがゴブリンだから何も知らないと思っているんだ。馬鹿にして」と怒っていた。
ゲッターが自分たちのために怒ってくれているのがうれしいのか、カプルとアッグはニコニコしている。
それを見てアイナが「あんな大勢が見ているところで大金を出すアッグも悪いのよ。反省しなさい」と注意した。
アッグは素直に「わかりました。ごめんなさい」と謝った。
ゲッターはアッグが素直に謝ったので「寄り道したけど宿に行こう。それで明日森に帰ろう」とみんなに声をかけた。
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