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第四章
エルダーミストの洗礼式
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こうしてエルダーミスト連合が誕生すると、次の話題に移った。
ゲッターは「今回は各村から2人、洗礼を受けてスキルを発現させる人を推薦してほしい」と周囲を見回して言った。
ルナスが手を挙げて「10人ほどスキル持ちを増やしても、たいして戦力の増強にはならないと思うが?」と発言した。ザグリとミャオリスも頷いている。
ゲッターはエリーを見てから「スキルを発現させるにはエルダーミストの樹から力を借りることになる。樹に負担をかけないためには、一度に10人くらいから始めたい。エルダーミストの樹の様子によっては、今後洗礼を受ける人数を増やせるかもしれないし、逆に人数を減らすことになるかもしれない。今までしたことがないから、やってみないとわからない」と説明した。
次にザグリが手を挙げた。「その世界樹の力を借りれば、俺たちも間違いなくスキルを使えるようになるのか?」とザグリは尋ねた。
これにはエリーが「ごく稀にスキルの才能が全く無い人や、才能があってもスキルを発動させる魔力がない人もいるので、絶対とは言えません。ですがこの世界には全部で6本の世界樹があり、他の樹では人間以外の種族のスキルを発現させたことがあるので、エルダーミストの樹が貴方たちのスキルを発現させることは可能だと思います」と答えた。
ヴェルデリオンが「周囲の人たちに存在を気付かれていないのはエルダーミストの樹だけなんだ。それだけこの樹は運がいいんだよ」と付け加えた。
グルドが「いいのか?それなのに俺たちが近づいてしまって」と尋ねると、「これだけ大きな樹なのだから、いずれ必ず気付かれるよ。早いか遅いかの違いだけさ。そう思ったからエリーも実の時に君たちに助けを求めたのだしね」とヴェルデリオンは答えた。
「それで洗礼を受けるには条件がある」とゲッターは続けた。
「まず洗礼を受ける人にはエルダーミストの樹に忠誠を誓い、エルダーミストの守り人となってもらう」とゲッターは説明した。
ミャオリスが手を挙げて「具体的に何かすることがあるの?」と質問した。
ゲッターは頷くと「エルダーミストの樹は森のほぼ中央にあるけど、普段は結界があって近づくことはできない。だから近くに新しい宿場町を作り、そこで各村からの特産品を集めて市場を開こうと思う。そこに代表として各村の守り人を最低1人常駐させて、宿場町の運営とエルダーミストの樹の守り及び手入れをすることになる」と説明した。
ミャオリスが「1人でいいの?」と重ねて聞くと、ゲッターは再び頷いて「各村から1人だから常に守り人が5人いることになるからね。普段はそれで足りると思うよ。そして宿場町の運営はその5人の合議で行う。エルダーミストの森全体の利益になるように運営する必要があるからね」と説明した。
ゲッターは真剣な表情になり「守り人は村から離れてエルダーミストの樹に忠誠を誓うことになる。それが条件だ」と言った。
ミャオリスは少し気圧された様子で「それなら守り人は全員宿場町に集めたらいいんじゃない?」と尋ねた。
ゲッターは少し表情を緩めて「エルダーミストの樹の守り人は少しずつ増やしていく方針だからね。宿場町ばかり大きくなっても仕方ない。エルダーミストの森全体で大きく発展していくには、各村にスキルを持つ守り人の存在が必要だろう?」と返した。
ゲッターはもう一度周囲を見回して「だからここにいる村長たちもスキルはほしいと思うけど、初回の洗礼を受けるのはやめた方がいいと思う。村から離れる必要があるかもしれないからね。村に守り人が増えて宿場町に行くことがなくなってから洗礼を受けるようにしてほしい」と言った。
「まずは守り人として宿場町に派遣していい人材から洗礼を受けさせるってことね」とミャオリスが納得した表情で言うので、ゲッターも「その通り」と頷いた。
それからザグリがまた手を挙げて「スニークはどうするのだ?」と聞いた。
ゲッターは困った表情になり「エルダーミスト連合に参加しないなら守り人は任せられない。でも市場で取り引きするくらいはいいかな?守り人たちの合議で決めてもらってもいいよ」と守り人たちに任せるように言った。
他の参加者たちも自分たちで対応を決めるのが面倒だと思い、それ以上は何も言わなかった。
10日後に最初の洗礼式が行われることが決まり、村長たちは守り人の人選のため、それぞれの村へ帰って行った。
ゲッターはアトラ村へ帰ると、早速守り人候補を執務室に呼んだ。
ゲッターが呼んだのはカプルとミロスだった。
カプルは素直に喜んだが、ミロスは気をきかせたのか「アッグでなくて俺でいいのか?」とゲッターに質問した。
ゲッターは「最初にカプルとアッグを守り人にしてしまうと、どちらかがアトラ村でもう片方が宿場町という感じに、2人別々に行動することになる。そろそろ別々に行動してもいい頃だけど、アッグは意外と頑固だからね。アッグには次の機会に洗礼を受けてもらうよ」と説明した。
その説明で納得できたようで、アッグから何か言われることもなかった。
洗礼式の日、エルダーミストの世界樹の麓には多くの人が集まっていた。
少しでも多くの人の前でエルダーミストの守り人となることを誓ってもらい、その忠誠心を忘れないようにするために人を集めたのだ。
カプルとミロスはこの日のために一張羅を拵えて、精一杯自分を磨いてこの場に臨んでいた。
ゲッターも洗礼を授けるという初めての大役に緊張していた。
しかし特にこれと決まった儀式があるわけではないらしく、ドライアドが認めた仲介者が洗礼を受ける者を世界樹に紹介して、洗礼を受ける者が世界樹に忠誠を誓えばそれで終了らしい。
らしいというのもエルダーミストで洗礼式を行うのが初めてのため、エリーとヴェルデリオンも人伝てで聞いた話しか知らないからだ。
ゲッターもカプルやミロスに負けず劣らずめかし込んでいた。
今日の朝早くから起こされて、アイナに着付けされたからだ。
「これで何も起こらなかったら恥ずかしいな」とゲッターは思ったが、「ゲッター様。大丈夫ですよ」とアイナが笑顔で送り出してくれたので腹を括った。
エルダーミストでの初めての洗礼式が始まった。
まずゲッターが世界樹の麓の特設台に進むと、日頃の森の恵みに対する感謝を述べた。
次にゲッターは「アトラ村のカプル!此処へ」とカプルを呼んだ。
カプルは「はっ!」と返事をすると胸を張り、背筋を伸ばしてゲッターの前に歩いて行った。
カプルがゲッターの前に跪くと、ゲッターは「エルダーミストの樹よ。この者はアトラ村に住むゴブリンで、心正しく熱意に溢れた若者です。この者の誓いをお聞きください」と世界樹に叫んだ。
次にカプルは跪いたまま見上げて「私カプルはエルダーミストの樹に忠誠を誓い、エルダーミストの守り人として全力を尽くします」と叫んだ。
ゲッターも世界樹を見上げると「エルダーミストの樹よ。カプルの誓いを受け入れてくれるのならば、彼が守り人としての役目を果たせるよう彼の隠れた力を発現させ賜え」と叫び祈りを捧げた。
それを見てカプルも祈りの姿勢をとると、エルダーミストの樹の葉から世界樹の雫が一滴カプルに落ちた。
世界樹の雫を浴びるとカプルは一瞬だけ光った。
カプルはすぐに満面の笑みを浮かべると「やった!エルダーミストありがとう!ゲッターありがとう!」と叫びガッツポーズを繰り返した。
見事にカプルのスキルは発現したようだった。
人間の洗礼式では神父にもスキルが伝わるようだったが、ゲッターにはカプルのスキルがどんなものかわからなかった。
「自分にもわかるようにしてくれたらいいのに」と思ったが、すぐに気持ちを切り替えた。
これから同じ儀式をあと9回繰り返さなくてはならないことに気付いて、ゲッターはヴェルデリオンが「ぼくはやらないよ」と言った理由がわかった気がした。
儀式が終わってゲッターがカプルとミロスのところへ行くと、2人はスキルについて話をしていた。
2人とも『身体強化』のスキルが発現していた。
しかしカプルが力や素早さを魔力を込めている間上げていられるのに対して、ミロスは魔力を込めた部分が込めている間硬くなるという能力だった。
2人ともこれから実際にスキルを使用して、使い方や他にも応用できるか学んでいくことになるが、戦闘に使えそうという意味ではいいスキルが発現したと言えた。
今回洗礼を受けた者では他にも『身体強化』や『土魔法』『水魔法』のスキルを発現した者がいた。
ワーウルフのミラノも洗礼を受けていて『回復魔法』のスキルが発現した。
今回の洗礼式で発現したスキルを聞いていると、ゲッターはエリーが危惧していたことがわかった気がした。
ゲッターからするといいスキルが多すぎる、つまり皆洗礼を受けて強くなりすぎていた。
事前にエリーから人間より他の種族の方がいいスキルを発現しやすいと聞いていたが、予想以上であった。
人間ではハズレスキルと呼ばれる何の役に立つのかわからないスキルを発現する確率が高い。
大体半数はハズレスキルである。
残り半数が戦闘系や祝福系、生産系と呼ばれる誰が聞いても役に立ちそうなスキルだ。
ハズレスキルでもその後の努力できることが増えることや、自らスキルが役立つような職業につくことで、何かしらスキルを活用するのが人間の多くの人たちだ。
それに対して今回洗礼を受けた10人は、全員がまだ何もスキルの訓練をしていないにも関わらず、どのようにスキルを使っていけばよいのかわかるものが発現した。
人間の洗礼式ではあり得ないことだった。
「力は人を狂わせる」
エリーが言った言葉が繰り返しゲッターの耳に聞こえてきた。
ゲッターは自らもう一度エルダーミストの樹に忠誠を誓ったのであった。
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ゲッターは「今回は各村から2人、洗礼を受けてスキルを発現させる人を推薦してほしい」と周囲を見回して言った。
ルナスが手を挙げて「10人ほどスキル持ちを増やしても、たいして戦力の増強にはならないと思うが?」と発言した。ザグリとミャオリスも頷いている。
ゲッターはエリーを見てから「スキルを発現させるにはエルダーミストの樹から力を借りることになる。樹に負担をかけないためには、一度に10人くらいから始めたい。エルダーミストの樹の様子によっては、今後洗礼を受ける人数を増やせるかもしれないし、逆に人数を減らすことになるかもしれない。今までしたことがないから、やってみないとわからない」と説明した。
次にザグリが手を挙げた。「その世界樹の力を借りれば、俺たちも間違いなくスキルを使えるようになるのか?」とザグリは尋ねた。
これにはエリーが「ごく稀にスキルの才能が全く無い人や、才能があってもスキルを発動させる魔力がない人もいるので、絶対とは言えません。ですがこの世界には全部で6本の世界樹があり、他の樹では人間以外の種族のスキルを発現させたことがあるので、エルダーミストの樹が貴方たちのスキルを発現させることは可能だと思います」と答えた。
ヴェルデリオンが「周囲の人たちに存在を気付かれていないのはエルダーミストの樹だけなんだ。それだけこの樹は運がいいんだよ」と付け加えた。
グルドが「いいのか?それなのに俺たちが近づいてしまって」と尋ねると、「これだけ大きな樹なのだから、いずれ必ず気付かれるよ。早いか遅いかの違いだけさ。そう思ったからエリーも実の時に君たちに助けを求めたのだしね」とヴェルデリオンは答えた。
「それで洗礼を受けるには条件がある」とゲッターは続けた。
「まず洗礼を受ける人にはエルダーミストの樹に忠誠を誓い、エルダーミストの守り人となってもらう」とゲッターは説明した。
ミャオリスが手を挙げて「具体的に何かすることがあるの?」と質問した。
ゲッターは頷くと「エルダーミストの樹は森のほぼ中央にあるけど、普段は結界があって近づくことはできない。だから近くに新しい宿場町を作り、そこで各村からの特産品を集めて市場を開こうと思う。そこに代表として各村の守り人を最低1人常駐させて、宿場町の運営とエルダーミストの樹の守り及び手入れをすることになる」と説明した。
ミャオリスが「1人でいいの?」と重ねて聞くと、ゲッターは再び頷いて「各村から1人だから常に守り人が5人いることになるからね。普段はそれで足りると思うよ。そして宿場町の運営はその5人の合議で行う。エルダーミストの森全体の利益になるように運営する必要があるからね」と説明した。
ゲッターは真剣な表情になり「守り人は村から離れてエルダーミストの樹に忠誠を誓うことになる。それが条件だ」と言った。
ミャオリスは少し気圧された様子で「それなら守り人は全員宿場町に集めたらいいんじゃない?」と尋ねた。
ゲッターは少し表情を緩めて「エルダーミストの樹の守り人は少しずつ増やしていく方針だからね。宿場町ばかり大きくなっても仕方ない。エルダーミストの森全体で大きく発展していくには、各村にスキルを持つ守り人の存在が必要だろう?」と返した。
ゲッターはもう一度周囲を見回して「だからここにいる村長たちもスキルはほしいと思うけど、初回の洗礼を受けるのはやめた方がいいと思う。村から離れる必要があるかもしれないからね。村に守り人が増えて宿場町に行くことがなくなってから洗礼を受けるようにしてほしい」と言った。
「まずは守り人として宿場町に派遣していい人材から洗礼を受けさせるってことね」とミャオリスが納得した表情で言うので、ゲッターも「その通り」と頷いた。
それからザグリがまた手を挙げて「スニークはどうするのだ?」と聞いた。
ゲッターは困った表情になり「エルダーミスト連合に参加しないなら守り人は任せられない。でも市場で取り引きするくらいはいいかな?守り人たちの合議で決めてもらってもいいよ」と守り人たちに任せるように言った。
他の参加者たちも自分たちで対応を決めるのが面倒だと思い、それ以上は何も言わなかった。
10日後に最初の洗礼式が行われることが決まり、村長たちは守り人の人選のため、それぞれの村へ帰って行った。
ゲッターはアトラ村へ帰ると、早速守り人候補を執務室に呼んだ。
ゲッターが呼んだのはカプルとミロスだった。
カプルは素直に喜んだが、ミロスは気をきかせたのか「アッグでなくて俺でいいのか?」とゲッターに質問した。
ゲッターは「最初にカプルとアッグを守り人にしてしまうと、どちらかがアトラ村でもう片方が宿場町という感じに、2人別々に行動することになる。そろそろ別々に行動してもいい頃だけど、アッグは意外と頑固だからね。アッグには次の機会に洗礼を受けてもらうよ」と説明した。
その説明で納得できたようで、アッグから何か言われることもなかった。
洗礼式の日、エルダーミストの世界樹の麓には多くの人が集まっていた。
少しでも多くの人の前でエルダーミストの守り人となることを誓ってもらい、その忠誠心を忘れないようにするために人を集めたのだ。
カプルとミロスはこの日のために一張羅を拵えて、精一杯自分を磨いてこの場に臨んでいた。
ゲッターも洗礼を授けるという初めての大役に緊張していた。
しかし特にこれと決まった儀式があるわけではないらしく、ドライアドが認めた仲介者が洗礼を受ける者を世界樹に紹介して、洗礼を受ける者が世界樹に忠誠を誓えばそれで終了らしい。
らしいというのもエルダーミストで洗礼式を行うのが初めてのため、エリーとヴェルデリオンも人伝てで聞いた話しか知らないからだ。
ゲッターもカプルやミロスに負けず劣らずめかし込んでいた。
今日の朝早くから起こされて、アイナに着付けされたからだ。
「これで何も起こらなかったら恥ずかしいな」とゲッターは思ったが、「ゲッター様。大丈夫ですよ」とアイナが笑顔で送り出してくれたので腹を括った。
エルダーミストでの初めての洗礼式が始まった。
まずゲッターが世界樹の麓の特設台に進むと、日頃の森の恵みに対する感謝を述べた。
次にゲッターは「アトラ村のカプル!此処へ」とカプルを呼んだ。
カプルは「はっ!」と返事をすると胸を張り、背筋を伸ばしてゲッターの前に歩いて行った。
カプルがゲッターの前に跪くと、ゲッターは「エルダーミストの樹よ。この者はアトラ村に住むゴブリンで、心正しく熱意に溢れた若者です。この者の誓いをお聞きください」と世界樹に叫んだ。
次にカプルは跪いたまま見上げて「私カプルはエルダーミストの樹に忠誠を誓い、エルダーミストの守り人として全力を尽くします」と叫んだ。
ゲッターも世界樹を見上げると「エルダーミストの樹よ。カプルの誓いを受け入れてくれるのならば、彼が守り人としての役目を果たせるよう彼の隠れた力を発現させ賜え」と叫び祈りを捧げた。
それを見てカプルも祈りの姿勢をとると、エルダーミストの樹の葉から世界樹の雫が一滴カプルに落ちた。
世界樹の雫を浴びるとカプルは一瞬だけ光った。
カプルはすぐに満面の笑みを浮かべると「やった!エルダーミストありがとう!ゲッターありがとう!」と叫びガッツポーズを繰り返した。
見事にカプルのスキルは発現したようだった。
人間の洗礼式では神父にもスキルが伝わるようだったが、ゲッターにはカプルのスキルがどんなものかわからなかった。
「自分にもわかるようにしてくれたらいいのに」と思ったが、すぐに気持ちを切り替えた。
これから同じ儀式をあと9回繰り返さなくてはならないことに気付いて、ゲッターはヴェルデリオンが「ぼくはやらないよ」と言った理由がわかった気がした。
儀式が終わってゲッターがカプルとミロスのところへ行くと、2人はスキルについて話をしていた。
2人とも『身体強化』のスキルが発現していた。
しかしカプルが力や素早さを魔力を込めている間上げていられるのに対して、ミロスは魔力を込めた部分が込めている間硬くなるという能力だった。
2人ともこれから実際にスキルを使用して、使い方や他にも応用できるか学んでいくことになるが、戦闘に使えそうという意味ではいいスキルが発現したと言えた。
今回洗礼を受けた者では他にも『身体強化』や『土魔法』『水魔法』のスキルを発現した者がいた。
ワーウルフのミラノも洗礼を受けていて『回復魔法』のスキルが発現した。
今回の洗礼式で発現したスキルを聞いていると、ゲッターはエリーが危惧していたことがわかった気がした。
ゲッターからするといいスキルが多すぎる、つまり皆洗礼を受けて強くなりすぎていた。
事前にエリーから人間より他の種族の方がいいスキルを発現しやすいと聞いていたが、予想以上であった。
人間ではハズレスキルと呼ばれる何の役に立つのかわからないスキルを発現する確率が高い。
大体半数はハズレスキルである。
残り半数が戦闘系や祝福系、生産系と呼ばれる誰が聞いても役に立ちそうなスキルだ。
ハズレスキルでもその後の努力できることが増えることや、自らスキルが役立つような職業につくことで、何かしらスキルを活用するのが人間の多くの人たちだ。
それに対して今回洗礼を受けた10人は、全員がまだ何もスキルの訓練をしていないにも関わらず、どのようにスキルを使っていけばよいのかわかるものが発現した。
人間の洗礼式ではあり得ないことだった。
「力は人を狂わせる」
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