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第二章 外国漫遊記
第二話 砂糖問題
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「ボルティ国で起こっている問題といえば」
「マゴールパティシエのスイーツが、食べられないこと…ですわね」
「それはそうだが、砂糖の値段が高騰していることだろう」
「砂糖は輸入に頼るしかないこの国で、税率を上げるなんて鬼の所業ですわ」
「なくてはならない調味料のひとつだからこそ、意味があるだろう」
「税金を引き上げて価格が高騰し、買う人が減って輸入量も減ってしまっては本末転倒では?」
「ほんとうにな」
冒険者になってまずボルティに来たのは、出現する魔物が多く、クエストで討伐依頼が絶えないが、魔物がそこまで強くないからです。つまり、初心者が冒険者ランクを上げるのにうってつけの国というわけです。
それともうひとつ、私の敬愛するパティシエであるマゴール・ゴリーラ様がこの国にいらっしゃるから、ファンとしてご挨拶をしたくて。ボルティでしか食べられないギャロを模ったカラフルな練り菓子を食べるため、というのもありますわ。
ですが…どうやら今ここでは、お菓子作りに必須の砂糖を輸入するのにかかる税金が高すぎて、輸入することが難しくなっているようです。輸入できたものがあっても、それは主に城に上げられ、町では品薄すぎて高すぎて買えない、買っても材料費が高くなりすぎて菓子が売れない、という状況になっているのだとか。
それで閉店する店や休業する店があり、マゴールパティシエのお店も休業中でした。
「ジャービーから砂糖を持ってくればよかったですわ」
「密輸はまずいだろう」
「リノに送ってもらおうかしら」
「転移でか?」
「転移でです」
「…それはいささか不憫なのでは」
「それなら税を引き下げるしかありませんわね」
「そんなこと、議員にでもなって出世しないことには」
「…その、議会で発言力がある方にお願いすればいいんですわね?」
「それは、そうだが」
「持つべきものは、スイ友ですわ」
「すいとも?」
スイ友とは、読んで字のごとく「スイーツ友達」の略です。
私、元王子の婚約者なだけあって、いろいろな国にお友達がおりますのよ?
確か、学園でよくランチを一緒に食べていた友人のミサトの家の商会が、私も大好きなテンステリラ伯爵夫人のお茶会で出される特別なお菓子を独占契約してこの町のお店に卸していたはずです。
小競り合いの続く両国ですが、外交のための行き来はありますから、ボルティの特使でいらっしゃるアンドロッツォ卿ご夫妻が来城なさったときに、ご縁がありました。そのアンドロッツォ夫人であるベネディータ様に、我が国自慢のお菓子をお土産に訪ねてみましょう。
砂糖の輸入にかかる税金は高いですけれど、加工されたお菓子に対する税金は、特に高騰していませんから。ボルティ国内の菓子店は、自店で作るより安く済むお菓子の輸入販売に切り替えているところも多いようです。
「リノの転移に頼れないなら、とりあえず既存のお菓子を持ってスイ友を訪ねましょう」
「結婚して花屋になったんだろう? ちょっと砂糖持ってこい、だなんて小間使いにしてはだめだぞエリシャ」
ものすごくまじめな顔で、ものすごい正論を言われてしまいました。
そう、元護衛のリノ・カートナーは、もう私に仕える人間ではありません。退職し、かねてからお付き合いしていた花屋のアーシャさんとすでに結婚していて一緒にお店をやっているのだから。
でも、旅に出てから数日後、「退職金もらってません!」といって、ジャービー国を出る直前の町まで退職金をせびりに来ていたのだから、最後に砂糖くらい持ってきてもらっても罰は当たらないのではないでしょうか。五千万イェーンもの額の小切手を切ったのだし。
「まあいいですわ。リノのことはおいておいて、アンドロッツォ卿は少し南のセトゥーバルのご領主ですから、今の時期なら領地にいらっしゃるかしら」
「確かに、アンドロッツォ卿ならば中央に顔が利くだろうが、教会の影響が強いのではないか?」
「そうですわねー。そこが少し困ったところですけれど、セトゥーバルの聖女の話はご存じですよね?」
「光魔法の治癒術師か」
「そうです」
ボルティでは、王族と同じくらいイーズス教会が力を持っています。
何代か前の国王が、啓蒙専制主義改革によってイーズス教会を弾圧し、修道会が廃止され、教会は財産を失い、その影響力は弱まりました。しかしその後、近年のフレイタス政権下で教会は復興を果たしました。フレイタスは熱心なイーズス信徒だったため、新たな政教条約が締結され、教会は一定の特権を獲得したのです。
「6年前だったか? そのイーズス教が行っている10の歳になる子供が受ける聖女選定で、規格外の光の持ち主が現れたという話があったな」
「そうです。その子が、セトゥーバルでも力のあるモーニシュ家に引き取られ、聖女として人々を癒しているとか」
「聖女は、王族の誰かと結婚するとかいう話か?」
「国内随一の光を持つ聖女ですからね。他国に出すわけにはいかない、と婚約しているはずです。ボルティの王太子、ホジェリオ様と」
つまり、スイ友であるアンドロッツォ卿の奥方ベネディータ様を頼ってセトゥーバル領へ赴き、まずはモーニシュ家の聖女を紹介してもらう。そこから国のド中心にいる聖女の婚約者である王太子ホジェリオ様に繋げてもらって、砂糖の税率を下げるよう議会で宣言してもらう。
そうすれば、マゴールパティシエの、砂糖不足で休業中のショップにも砂糖が行き届くようになるだろうし、そうなれば私がボルティに来た意味も取り戻せるのですわ!
「さあ、この国での方針は決まりましたわグイスト様!」
「そうだな」
「さっそく、セトゥーバルへ行きましょう」
「待てエリシャ」
「なんですの?」
「今からでは無理だ。街道は、もう馬車の走れる時間ではないだろう」
「そう、ですわね。今日はもう…」
街道は整備されているとはいえ月明かりしかないので、よほどのことがないかぎり夜の移動をする者はいません。馬車でも、騎馬でも。もう夕飯を食べ終わるくらいの時間ですから、町からは出ないほうがいいでしょう。仕方ありませんわ。
「出発は明日でいいな?」
「わかりましたわ。明日の朝、出発しましょう」
「では、今夜もホテルに」
「…戻り、ますけれど」
「ああ」
思い出したら、顔に熱が上がってきましたわ。
「……なんとかなりませんの?」
「部屋は一部屋しかない。繁忙期だからな」
「っもう!」
「ははっ」
観光地で繁忙期というこの町では、多数あるホテルがほぼ満室状態。
町についたとき、ホテルや旅館、冒険者宿なんかも何件も回って、やっと一部屋空いていたくらいです。
一部屋、ソファやダイニングスペースもありますからそれほど狭いわけではありません。ですが、シングルサイズのベッドがふたつ並んで置かれているのです。なぜ、並べて置いたのでしょう。ダブルベッドにするでもなく、シングルをふたつ並べて置く意味とは?
「今夜も君の寝顔を堪能させてもらおう」
「ほんとうに、やめてくださいまし」
いやがらせ、ですわね!
「マゴールパティシエのスイーツが、食べられないこと…ですわね」
「それはそうだが、砂糖の値段が高騰していることだろう」
「砂糖は輸入に頼るしかないこの国で、税率を上げるなんて鬼の所業ですわ」
「なくてはならない調味料のひとつだからこそ、意味があるだろう」
「税金を引き上げて価格が高騰し、買う人が減って輸入量も減ってしまっては本末転倒では?」
「ほんとうにな」
冒険者になってまずボルティに来たのは、出現する魔物が多く、クエストで討伐依頼が絶えないが、魔物がそこまで強くないからです。つまり、初心者が冒険者ランクを上げるのにうってつけの国というわけです。
それともうひとつ、私の敬愛するパティシエであるマゴール・ゴリーラ様がこの国にいらっしゃるから、ファンとしてご挨拶をしたくて。ボルティでしか食べられないギャロを模ったカラフルな練り菓子を食べるため、というのもありますわ。
ですが…どうやら今ここでは、お菓子作りに必須の砂糖を輸入するのにかかる税金が高すぎて、輸入することが難しくなっているようです。輸入できたものがあっても、それは主に城に上げられ、町では品薄すぎて高すぎて買えない、買っても材料費が高くなりすぎて菓子が売れない、という状況になっているのだとか。
それで閉店する店や休業する店があり、マゴールパティシエのお店も休業中でした。
「ジャービーから砂糖を持ってくればよかったですわ」
「密輸はまずいだろう」
「リノに送ってもらおうかしら」
「転移でか?」
「転移でです」
「…それはいささか不憫なのでは」
「それなら税を引き下げるしかありませんわね」
「そんなこと、議員にでもなって出世しないことには」
「…その、議会で発言力がある方にお願いすればいいんですわね?」
「それは、そうだが」
「持つべきものは、スイ友ですわ」
「すいとも?」
スイ友とは、読んで字のごとく「スイーツ友達」の略です。
私、元王子の婚約者なだけあって、いろいろな国にお友達がおりますのよ?
確か、学園でよくランチを一緒に食べていた友人のミサトの家の商会が、私も大好きなテンステリラ伯爵夫人のお茶会で出される特別なお菓子を独占契約してこの町のお店に卸していたはずです。
小競り合いの続く両国ですが、外交のための行き来はありますから、ボルティの特使でいらっしゃるアンドロッツォ卿ご夫妻が来城なさったときに、ご縁がありました。そのアンドロッツォ夫人であるベネディータ様に、我が国自慢のお菓子をお土産に訪ねてみましょう。
砂糖の輸入にかかる税金は高いですけれど、加工されたお菓子に対する税金は、特に高騰していませんから。ボルティ国内の菓子店は、自店で作るより安く済むお菓子の輸入販売に切り替えているところも多いようです。
「リノの転移に頼れないなら、とりあえず既存のお菓子を持ってスイ友を訪ねましょう」
「結婚して花屋になったんだろう? ちょっと砂糖持ってこい、だなんて小間使いにしてはだめだぞエリシャ」
ものすごくまじめな顔で、ものすごい正論を言われてしまいました。
そう、元護衛のリノ・カートナーは、もう私に仕える人間ではありません。退職し、かねてからお付き合いしていた花屋のアーシャさんとすでに結婚していて一緒にお店をやっているのだから。
でも、旅に出てから数日後、「退職金もらってません!」といって、ジャービー国を出る直前の町まで退職金をせびりに来ていたのだから、最後に砂糖くらい持ってきてもらっても罰は当たらないのではないでしょうか。五千万イェーンもの額の小切手を切ったのだし。
「まあいいですわ。リノのことはおいておいて、アンドロッツォ卿は少し南のセトゥーバルのご領主ですから、今の時期なら領地にいらっしゃるかしら」
「確かに、アンドロッツォ卿ならば中央に顔が利くだろうが、教会の影響が強いのではないか?」
「そうですわねー。そこが少し困ったところですけれど、セトゥーバルの聖女の話はご存じですよね?」
「光魔法の治癒術師か」
「そうです」
ボルティでは、王族と同じくらいイーズス教会が力を持っています。
何代か前の国王が、啓蒙専制主義改革によってイーズス教会を弾圧し、修道会が廃止され、教会は財産を失い、その影響力は弱まりました。しかしその後、近年のフレイタス政権下で教会は復興を果たしました。フレイタスは熱心なイーズス信徒だったため、新たな政教条約が締結され、教会は一定の特権を獲得したのです。
「6年前だったか? そのイーズス教が行っている10の歳になる子供が受ける聖女選定で、規格外の光の持ち主が現れたという話があったな」
「そうです。その子が、セトゥーバルでも力のあるモーニシュ家に引き取られ、聖女として人々を癒しているとか」
「聖女は、王族の誰かと結婚するとかいう話か?」
「国内随一の光を持つ聖女ですからね。他国に出すわけにはいかない、と婚約しているはずです。ボルティの王太子、ホジェリオ様と」
つまり、スイ友であるアンドロッツォ卿の奥方ベネディータ様を頼ってセトゥーバル領へ赴き、まずはモーニシュ家の聖女を紹介してもらう。そこから国のド中心にいる聖女の婚約者である王太子ホジェリオ様に繋げてもらって、砂糖の税率を下げるよう議会で宣言してもらう。
そうすれば、マゴールパティシエの、砂糖不足で休業中のショップにも砂糖が行き届くようになるだろうし、そうなれば私がボルティに来た意味も取り戻せるのですわ!
「さあ、この国での方針は決まりましたわグイスト様!」
「そうだな」
「さっそく、セトゥーバルへ行きましょう」
「待てエリシャ」
「なんですの?」
「今からでは無理だ。街道は、もう馬車の走れる時間ではないだろう」
「そう、ですわね。今日はもう…」
街道は整備されているとはいえ月明かりしかないので、よほどのことがないかぎり夜の移動をする者はいません。馬車でも、騎馬でも。もう夕飯を食べ終わるくらいの時間ですから、町からは出ないほうがいいでしょう。仕方ありませんわ。
「出発は明日でいいな?」
「わかりましたわ。明日の朝、出発しましょう」
「では、今夜もホテルに」
「…戻り、ますけれど」
「ああ」
思い出したら、顔に熱が上がってきましたわ。
「……なんとかなりませんの?」
「部屋は一部屋しかない。繁忙期だからな」
「っもう!」
「ははっ」
観光地で繁忙期というこの町では、多数あるホテルがほぼ満室状態。
町についたとき、ホテルや旅館、冒険者宿なんかも何件も回って、やっと一部屋空いていたくらいです。
一部屋、ソファやダイニングスペースもありますからそれほど狭いわけではありません。ですが、シングルサイズのベッドがふたつ並んで置かれているのです。なぜ、並べて置いたのでしょう。ダブルベッドにするでもなく、シングルをふたつ並べて置く意味とは?
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「ほんとうに、やめてくださいまし」
いやがらせ、ですわね!
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