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第五章 マシュマロの破壊力
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「私、先輩とは学部が違うから、知り合いのつてを辿って紹介してもらって、それから何度もデートに誘っているのに、全然OKしてもらえなくて」
何度も誘うって、可愛らしい見た目に似合わず、ずいぶん積極的なんだな。
「阿倍野くんのどこがそんなに好きなの?」
由愛ほど可愛ければ引く手あまただろうに、なぜキキにこだわるのか興味が沸いた。
「先輩はうちの大学では有名人なんです」
「ん?」
キキはあのルックスだ。女の子にモテると言うなら分かるが有名とはどういうことだろう。由愛の答えに少し違和感を覚えた。
「入学してから数えきれないほどの女子が阿倍野先輩に告白したのに、今まで誰も成功していなくて。だから、絶対に落とせない男って呼ばれているんです」
そう説明する由愛の顔は、恋する乙女というより勇猛果敢なチャレンジャーのように見える。なるほど、由愛は前人未到の頂に挑戦しようとしているわけだ。
みさをのイメージする片想いとは少し違うが、恋愛観は人それぞれだ。他人が口を出すことではない。
「でも、ホント良かったです。みさをさんと先輩が変な関係じゃなくて」
由愛は急に話題を戻す。ポンポン話が飛ぶからついていくのが大変だ。
「私、不思議なんですよね。おじさんが若い子に手を出すと世間から叩かれるけど、男女が逆になるとあんまり責められないじゃないですか。やってることは同じなのに」
由愛は蔑むように言った。
「そう……かしら?」
一度とはいえレンタル彼氏を利用した身としては耳が痛い。
みさをが若い頃、援助交際と呼ばれていたおじさんと女子高生の関係、傍から見たらみさをとキキもそれと同じなのだろうか。
みさをがそんなことを考えていると、玄関からバタバタと音が聞こえた。キキが帰ってきたようだ。
気づくと外はもう真っ暗になっていた。
何度も誘うって、可愛らしい見た目に似合わず、ずいぶん積極的なんだな。
「阿倍野くんのどこがそんなに好きなの?」
由愛ほど可愛ければ引く手あまただろうに、なぜキキにこだわるのか興味が沸いた。
「先輩はうちの大学では有名人なんです」
「ん?」
キキはあのルックスだ。女の子にモテると言うなら分かるが有名とはどういうことだろう。由愛の答えに少し違和感を覚えた。
「入学してから数えきれないほどの女子が阿倍野先輩に告白したのに、今まで誰も成功していなくて。だから、絶対に落とせない男って呼ばれているんです」
そう説明する由愛の顔は、恋する乙女というより勇猛果敢なチャレンジャーのように見える。なるほど、由愛は前人未到の頂に挑戦しようとしているわけだ。
みさをのイメージする片想いとは少し違うが、恋愛観は人それぞれだ。他人が口を出すことではない。
「でも、ホント良かったです。みさをさんと先輩が変な関係じゃなくて」
由愛は急に話題を戻す。ポンポン話が飛ぶからついていくのが大変だ。
「私、不思議なんですよね。おじさんが若い子に手を出すと世間から叩かれるけど、男女が逆になるとあんまり責められないじゃないですか。やってることは同じなのに」
由愛は蔑むように言った。
「そう……かしら?」
一度とはいえレンタル彼氏を利用した身としては耳が痛い。
みさをが若い頃、援助交際と呼ばれていたおじさんと女子高生の関係、傍から見たらみさをとキキもそれと同じなのだろうか。
みさをがそんなことを考えていると、玄関からバタバタと音が聞こえた。キキが帰ってきたようだ。
気づくと外はもう真っ暗になっていた。
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