堅物上司の不埒な激愛

結城由真《ガジュマル》

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 ほんの数分かもしれないけれど、体感的には一時間くらい。
 まだ直接胸に触れてくれなくて、あまりのもどかしさに足をもじもじと擦り合わせる。
 ……課長はとてつもなく性欲が強い。
 直感でそう悟った。
 でなければここまで執拗に焦らしたりしない。

「もう……」

 耐えきれずに悲鳴のような声を漏らし、課長の手に触れてブラの中へ促す。
 すると彼は突然スイッチが入ったように豹変して、乱暴にブラを上にずらした。
 丁寧に優しく背中のホックを外してくれると思ったから、思いがけぬ乱暴な手つきにゾクッとする。
 露わになった乳房に食らいつくように舌を這わせる課長は荒々しくて、なんというか緩急がすごい。
 
「あっ……は……ぁあ……」

 柔らかく揉みしだかれたと思うと、突然指や舌を使って執拗に突起を刺激される。
 想定できない快感の抑揚に身体がついていけず、羞恥も忘れて喘ぐしかなかった。

「も……ダメッ……待っ……」

 どんどん快感の波が大きくなり、自分が自分でなくなるような感覚に涙が滲んだ。
 気持ち良すぎて、変になってしまうのが怖い。

「やだっ……」

 つい口癖のようにして“やだ”と発してしまうと、課長の動きはピタリと止まった。

「すみません。嫌でしたか?」

 このタイミングで元に戻るなんて狡い。
 課長がSに思えてくる。
 だけど本人はそんな雰囲気を微塵も感じさせずにオロオロしているので、本心で私を大切にしてくれているのがわかった。

「……嫌じゃないです。……気持ち良すぎて……変になっちゃう気がして」

 自分の経験値の低さに情けなくなる。
 小説や漫画で多少の知識はあったけれど、ここまで背徳的な快楽だとは思わなかった。

「……変になってもいいんですよ。我を忘れて気持ち良くなってく望月さんが見たいです……」

 恍惚とした瞳で見つめる彼に再び胸が高鳴って、「ギャン!」と声が漏れる前に唇を塞がれた。

「ん……ふ……」

 舌を絡ませながら両手で胸の突起を擦られて、気持ち良くてたまらない。
 彼のズボン越しでもわかる硬く昂ぶったものが私の下半身と重なり、スカートの上から敏感な部分をグリグリと攻められる。
 どこもかしこも快感に支配されて頭がクラクラする。
 激しく喘ぎたいのにキスは終わらなくて、快感の逃がし方がわからない。

「んんっ……」

 もう……イクっ

 心の中で叫んだ瞬間、ビクリと痙攣し絶頂を迎えた。
 それでもまだ唇も舌も解放されなくて、身体の奥を痙攣させながらいやらしいキスを続ける。

 意識が飛びそうになるのを必死に我慢していた。
 今気を失ったら、最後まで課長とできない。

「……イッた?」

 唇が離れてやっとまともな呼吸ができ、肩で大きく息を吸う私の髪を撫でながら、課長は耳元で甘く囁く。
 左手の指はまだ胸を控えめに揉んでいて、やっぱり課長はエッチだ。

「課長……もう……」

 ほとんど本能的に彼を欲して、ズボンがはち切れそうなほど隆起している下半身に触れた。
 途端にもうひとまわり大きくなった気がして、ごくりと固唾を飲む。

「だめです……ちゃんと慣らさないと」

 またもやお預けを食らってしまった。 
 切なさに疼く私の腰回りを一撫ですると、課長の手はするりとスカートのファスナーを開けスマートに脱がしていく。

 
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