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第十五話 正式に婚約決定? しかし、その前に話し合い
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こ、婚約!? 正式に婚約!? 俺とダリルが!?
い、いや、いずれは正式に婚約することは理解していたよ。エルシーもそう思っていたしな。
しかし、エルシーはまだ十七歳だぞ。ちょっと早過ぎな――って、そうだった……この王国では十八歳で成人なんだった。
確か、正式に婚約してから結婚までは……え~と、エルシーの記憶だと……大体三ヶ月から半年くらいだったはず。
「エルシーお嬢様。ダリル様。お急ぎ下さい。早く応接室へ」
ワイアットに急かされて、マライアを庭に残し、俺達は応接室へ向かう。
そこにはエルシーの両親とダリルの父親が揃っており、俺達が呼ばれた理由はダリルが予想した通りだった。
元々エルシーとダリルの正式な婚約時期は二十歳頃だったけど、エルシーが馬車の横転で意識不明になったことが切っ掛けで繰り上げにするんそうだ。
ダリルにとっては喜ばしいことなんだろうが――って、なんで微妙な表情してるんだよ?
そんなダリルだったが突然、
「そのことですが、僕は父上だけでなく、テッドおじ様とセリアおば様にも聞いて頂きたいことがあります」
と思い詰めたような表情と口調で話し始めた。
……そうして、二時間ほどの話し合いが終り、庭に戻って来ると、ワイアットがマライアを宥めていた。
「エルシーとダリルの正式な婚約は、まだ二年先だったはずよ? なのにどうしてこんなに早くなってるのよ?」
「半年前にエルシーお嬢様の馬車が横転した時に、意識不明の状態が続きましたからそれが切っ掛けになったのではと聞き及んではおりますが……」
「そんな! 今のエルシーは元気じゃない! 自分から『体を鍛える』って言い出して、どんどん強くなってるわ!」
「私めもそう思うのですが……」
あ~…やっばりこうなってるよなあ。
早く結果を説明してやらなきゃ、マライアもワイアットも気の毒だ。
「二人共、何も心配しなくて良《い》いよ」
俺が話し出すより先にダリルが口を開いた。
「僕はエルシーに不誠実だと思われるかも知れないけれど、それでもテッド師匠と仕事をしていて、思ったんだ」
口調は穏やかだけど、その声の響きには、強い意思が感じられる。
「正式な婚約は、頼む以前通りの時期にして貰ったよ。マーチャント商会はやっぱり危険過ぎる」
ダリルは、ぐっと両手で拳を握りしめた。
「テッド師匠のように護衛を雇うって手もあるけど、僕は僕自身でエルシーを守れるようになりたいんだ」
ダリルはきっぱりと言い放つ。
「そう思わせてくれたのは、他ならぬエルシー自身だよ」
え!? 俺?
「エルシーは御者のトニーから聞いて知ってるよね? あの馬車の横転は表向きは事故だけど、本当は事故なんかじゃなかったってことを」
ああ、うん。ダリルも知っていたんだよな。何しろ馬車が横転した現場をを調べたのは、自警団と独立騎士団だからな。
何を隠そう独立騎士団の団長はダリルの父親。キアラン・アシュトンなんだ。
有志の集まりである自警団は兎も角、独立騎士団は不自然さに気付いてたんだろうな。
息子の婚約者であるエルシーのことだから、キアランはダリルにも教えていたんだそうな。
「え!? やっぱり馬車が横転したのって事故じゃないの!? 誰かがエルシーの乗ってた馬車を狙ったってこと!?」
マライアは知らなかったようで、ダリルと俺に問いかける。
「……そうなの。黙っていてごめんなさい。マライア。私自身もダリルが馬車の横転が事故じゃなかったと知っているとは思っていなかったの」
俺も知らなかったんだよ。マライア。許してくれ。
「エルシーは何者かに狙われて命を落とし掛けたのに……立ち向かって自ら身を守ろうとしているんだ……!」
ダリルは俺の顔を見て、微笑んだ。
「ありがとう。エルシー。半年後に旅立つ僕を許してくれて。二年後には、きっと君の元へ帰って来るから……」
俺も微笑み、ゆっくりとうなずいた。
「私を『生涯守れるように、強くなる為の修行の旅に出る』ってお父様とお母様の前で誓ってくれたんですもの。不誠実なんて思わないわ」
と言うか寧ろ幸運だ。俺の心に二年もの猶予をくれるんだからな。
ならば、俺もいずれ言わなくてはならない。
俺――エルシーは小説家になりたい……いや、必ずなる! と……。
そのあとは、てんやわんやだった。
マライアが大泣きし出したのだ。
「どうして二人共、私に教えてくれなかったの!?」
「これ以上マライアに心配掛けたくなかったからなのよ」
「僕も同じくだよ」
「嘘よ! 私だけ仲間外れにして!」
「私は……ダリルが馬車の横転が事件だって知ってるとは思ってなかったのよ」
「僕も、エルシー自身が知ってることはついさっきまで知らなかったよ」
「ダリルが半年後に旅に出るなんて聞いてないわよ!」
「私も知らなかったわ」
「僕も悩んでたんだ。父上から『正式な婚約が半年後になるかも』って聞かされたのは一週間前だったから、考え始めたのはその時からだよ」
と説明して行くものの、
「う、うぅう……うわーん!! エルシー!! なんだかワケが分からなくなってきたわ! もう嫌よー!」
と、マライアは思い切り抱き付いて来た。
マライアは色々となまじ勘の良いから大変だなぁ……えーと……それなら久々に……。
「あの……ワイアット。明日、私の馬車で、マライアと一緒に神殿へお祈りに行ってはダメかしら?」
マライアは十中八九シロだと思うんだが、ダメかなあ?
すると、ワイアットは、
「私めもお供して宜しいのでしたら、構いませんぞ」
と折衷案を出してくれた。
「じ、じゃあ、明日はワイアットも護衛に付いて来てくれるから、久しぶりに神殿にお祈りに行きましょう。ね? マライア」
これで泣きやんでくれると嬉しいんだが……マライア、頼む!
とマライアを抱き止めながら祈ると――
「……ひっく……うん」
良し! マライアが泣き止んだ!
次は……、
「あ、でも神殿から帰って来たら、護身術の訓練はしようね? エルシー」
と、ダリルは笑顔で悪気なく言った。
「わ、分かったわ。どこかで昼食を食べて来るから、夕方前には訓練を始めましょう」
一日くらいは休んでも……と思ったが、サロンには早く行きたいしなあ。
ダリルの言ってることは正論だ。
こう言うことは一日たりとも欠かさないほうが良いだろう。
てなことで、明日はマライアと神殿へ行くことになった。
俺も一度神殿へは行ってみたかったしな。
しかし、急な外出になってしまったが……まあ、ワイアットもトニーもいるし、何か起こっても大丈夫……だと……思いたい。
――とか思ったらダメだ! これじゃあ本当にフラグになってしまう!
けれど……ロウフェル神の神殿へ行く為の外出なんだ、何かあったらアイツの力不足だってことにしてやる!!
(続く
い、いや、いずれは正式に婚約することは理解していたよ。エルシーもそう思っていたしな。
しかし、エルシーはまだ十七歳だぞ。ちょっと早過ぎな――って、そうだった……この王国では十八歳で成人なんだった。
確か、正式に婚約してから結婚までは……え~と、エルシーの記憶だと……大体三ヶ月から半年くらいだったはず。
「エルシーお嬢様。ダリル様。お急ぎ下さい。早く応接室へ」
ワイアットに急かされて、マライアを庭に残し、俺達は応接室へ向かう。
そこにはエルシーの両親とダリルの父親が揃っており、俺達が呼ばれた理由はダリルが予想した通りだった。
元々エルシーとダリルの正式な婚約時期は二十歳頃だったけど、エルシーが馬車の横転で意識不明になったことが切っ掛けで繰り上げにするんそうだ。
ダリルにとっては喜ばしいことなんだろうが――って、なんで微妙な表情してるんだよ?
そんなダリルだったが突然、
「そのことですが、僕は父上だけでなく、テッドおじ様とセリアおば様にも聞いて頂きたいことがあります」
と思い詰めたような表情と口調で話し始めた。
……そうして、二時間ほどの話し合いが終り、庭に戻って来ると、ワイアットがマライアを宥めていた。
「エルシーとダリルの正式な婚約は、まだ二年先だったはずよ? なのにどうしてこんなに早くなってるのよ?」
「半年前にエルシーお嬢様の馬車が横転した時に、意識不明の状態が続きましたからそれが切っ掛けになったのではと聞き及んではおりますが……」
「そんな! 今のエルシーは元気じゃない! 自分から『体を鍛える』って言い出して、どんどん強くなってるわ!」
「私めもそう思うのですが……」
あ~…やっばりこうなってるよなあ。
早く結果を説明してやらなきゃ、マライアもワイアットも気の毒だ。
「二人共、何も心配しなくて良《い》いよ」
俺が話し出すより先にダリルが口を開いた。
「僕はエルシーに不誠実だと思われるかも知れないけれど、それでもテッド師匠と仕事をしていて、思ったんだ」
口調は穏やかだけど、その声の響きには、強い意思が感じられる。
「正式な婚約は、頼む以前通りの時期にして貰ったよ。マーチャント商会はやっぱり危険過ぎる」
ダリルは、ぐっと両手で拳を握りしめた。
「テッド師匠のように護衛を雇うって手もあるけど、僕は僕自身でエルシーを守れるようになりたいんだ」
ダリルはきっぱりと言い放つ。
「そう思わせてくれたのは、他ならぬエルシー自身だよ」
え!? 俺?
「エルシーは御者のトニーから聞いて知ってるよね? あの馬車の横転は表向きは事故だけど、本当は事故なんかじゃなかったってことを」
ああ、うん。ダリルも知っていたんだよな。何しろ馬車が横転した現場をを調べたのは、自警団と独立騎士団だからな。
何を隠そう独立騎士団の団長はダリルの父親。キアラン・アシュトンなんだ。
有志の集まりである自警団は兎も角、独立騎士団は不自然さに気付いてたんだろうな。
息子の婚約者であるエルシーのことだから、キアランはダリルにも教えていたんだそうな。
「え!? やっぱり馬車が横転したのって事故じゃないの!? 誰かがエルシーの乗ってた馬車を狙ったってこと!?」
マライアは知らなかったようで、ダリルと俺に問いかける。
「……そうなの。黙っていてごめんなさい。マライア。私自身もダリルが馬車の横転が事故じゃなかったと知っているとは思っていなかったの」
俺も知らなかったんだよ。マライア。許してくれ。
「エルシーは何者かに狙われて命を落とし掛けたのに……立ち向かって自ら身を守ろうとしているんだ……!」
ダリルは俺の顔を見て、微笑んだ。
「ありがとう。エルシー。半年後に旅立つ僕を許してくれて。二年後には、きっと君の元へ帰って来るから……」
俺も微笑み、ゆっくりとうなずいた。
「私を『生涯守れるように、強くなる為の修行の旅に出る』ってお父様とお母様の前で誓ってくれたんですもの。不誠実なんて思わないわ」
と言うか寧ろ幸運だ。俺の心に二年もの猶予をくれるんだからな。
ならば、俺もいずれ言わなくてはならない。
俺――エルシーは小説家になりたい……いや、必ずなる! と……。
そのあとは、てんやわんやだった。
マライアが大泣きし出したのだ。
「どうして二人共、私に教えてくれなかったの!?」
「これ以上マライアに心配掛けたくなかったからなのよ」
「僕も同じくだよ」
「嘘よ! 私だけ仲間外れにして!」
「私は……ダリルが馬車の横転が事件だって知ってるとは思ってなかったのよ」
「僕も、エルシー自身が知ってることはついさっきまで知らなかったよ」
「ダリルが半年後に旅に出るなんて聞いてないわよ!」
「私も知らなかったわ」
「僕も悩んでたんだ。父上から『正式な婚約が半年後になるかも』って聞かされたのは一週間前だったから、考え始めたのはその時からだよ」
と説明して行くものの、
「う、うぅう……うわーん!! エルシー!! なんだかワケが分からなくなってきたわ! もう嫌よー!」
と、マライアは思い切り抱き付いて来た。
マライアは色々となまじ勘の良いから大変だなぁ……えーと……それなら久々に……。
「あの……ワイアット。明日、私の馬車で、マライアと一緒に神殿へお祈りに行ってはダメかしら?」
マライアは十中八九シロだと思うんだが、ダメかなあ?
すると、ワイアットは、
「私めもお供して宜しいのでしたら、構いませんぞ」
と折衷案を出してくれた。
「じ、じゃあ、明日はワイアットも護衛に付いて来てくれるから、久しぶりに神殿にお祈りに行きましょう。ね? マライア」
これで泣きやんでくれると嬉しいんだが……マライア、頼む!
とマライアを抱き止めながら祈ると――
「……ひっく……うん」
良し! マライアが泣き止んだ!
次は……、
「あ、でも神殿から帰って来たら、護身術の訓練はしようね? エルシー」
と、ダリルは笑顔で悪気なく言った。
「わ、分かったわ。どこかで昼食を食べて来るから、夕方前には訓練を始めましょう」
一日くらいは休んでも……と思ったが、サロンには早く行きたいしなあ。
ダリルの言ってることは正論だ。
こう言うことは一日たりとも欠かさないほうが良いだろう。
てなことで、明日はマライアと神殿へ行くことになった。
俺も一度神殿へは行ってみたかったしな。
しかし、急な外出になってしまったが……まあ、ワイアットもトニーもいるし、何か起こっても大丈夫……だと……思いたい。
――とか思ったらダメだ! これじゃあ本当にフラグになってしまう!
けれど……ロウフェル神の神殿へ行く為の外出なんだ、何かあったらアイツの力不足だってことにしてやる!!
(続く
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