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14話
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「ってわけだ、仕事しろ仕事。依頼だ依頼だ」
ガジュマルが掲示板から剥がした数枚の紙を、ゆゆねに押し付ける。
ゆゆねはパンを飲み込む。
「ごくん!――まってください、最初は自分で……」
「見つくろってやったんだ、先輩として。ぜんぶイージーな依頼だ」
食器をのけ、ゆゆねは紙を置く。
「えーっと。ネズミ退治、下水掃除……ええ!ゾンビの埋葬? な、なんかばっちいのばっかりなんですが」
「大丈夫だ、うちの宿には風呂がある。ちと狭いがな」
「いや、そういうことじゃなくて……」
はぁ、とスープを上品に飲んでいたヤシャが顔をあげる。
「ガジュマル。召喚人はキレイ好きなのよ、初めにそれはきついわ。でも、ゆゆね。冒険者を本当に続けたいなら、多少の汚れ仕事は受け入れないとダメよ」
スプーンを置く。音はなかった。
「依頼はもう用意したわ。依頼というか、宿の雑用に近いけど……。……きのこ狩りよ、ゆゆね」
「きのこ」
ゆゆねは思わず、サラダの上のマッシュルームを見る。
ヤシャは指を組む。
「依頼を出すわ、冒険者ゆゆね。街の南、ぬめり森。そこで黒キノコを採集してきて」
「きのこ。……その、どんなきのこを。モンスターとかは」
「あとでサンプルを見せる。モンスターはそうね……いるけど、カカシみたいなもんよ」
ガジュマルが口を挟む。
「亭主殿の食事なんだ。ほら、蟲部屋。あの植物どもの肥料なんだよ」
「黒キノコが、ですか?」
「ああ」
ヤシャが言う。
「黒キノコは森のマナが濃い場所に生える。錬金術の材料としては、ポピュラーなものよ」
「……マナ。あの、それで」ゆゆねはおずおずと「この依頼は、私一人で……?」
「ぬめり森は子供だって入れるわ。ここを恐れていては、どこにも行けない」
けれどそうね、とヤシャ。「あなたはこの世界では子供以下だし。今回は確認したいこともある。私がついていくわ」
「別にオレも暇だが」ガジュマルが言う。「荷物運びくらいにはなるぞ」
エルフが猫をにらむ。
「甘やかさないで、ガジュマル。だから私だけ行くのよ。この子はもう冒険者。歳だって十分大人よ。一人で立てるようにしなければ」
ゆゆねを向く。
「ゆゆね。ガジュマルはこんなんだけど、私は厳しいわ。ぬめり森で歩けなくなっても、なんの助けもしない。泣こうが吐こうが、置いてくわ」
ゆゆねは小リスのように怯える。助けを求めるようにガジュマルを見た。
だが猫は、無情にも手をふった。
「行ってこい。大丈夫さ、歩きキノコくらい、手でも引きちぎれる」
「うぅ。歩く? きのこが?」
ヤシャがスプーンを持ち直す。
「さっ、ごはん食べて。すぐ出るから。明るいうちに終わらせたい」
ガジュマルが掲示板から剥がした数枚の紙を、ゆゆねに押し付ける。
ゆゆねはパンを飲み込む。
「ごくん!――まってください、最初は自分で……」
「見つくろってやったんだ、先輩として。ぜんぶイージーな依頼だ」
食器をのけ、ゆゆねは紙を置く。
「えーっと。ネズミ退治、下水掃除……ええ!ゾンビの埋葬? な、なんかばっちいのばっかりなんですが」
「大丈夫だ、うちの宿には風呂がある。ちと狭いがな」
「いや、そういうことじゃなくて……」
はぁ、とスープを上品に飲んでいたヤシャが顔をあげる。
「ガジュマル。召喚人はキレイ好きなのよ、初めにそれはきついわ。でも、ゆゆね。冒険者を本当に続けたいなら、多少の汚れ仕事は受け入れないとダメよ」
スプーンを置く。音はなかった。
「依頼はもう用意したわ。依頼というか、宿の雑用に近いけど……。……きのこ狩りよ、ゆゆね」
「きのこ」
ゆゆねは思わず、サラダの上のマッシュルームを見る。
ヤシャは指を組む。
「依頼を出すわ、冒険者ゆゆね。街の南、ぬめり森。そこで黒キノコを採集してきて」
「きのこ。……その、どんなきのこを。モンスターとかは」
「あとでサンプルを見せる。モンスターはそうね……いるけど、カカシみたいなもんよ」
ガジュマルが口を挟む。
「亭主殿の食事なんだ。ほら、蟲部屋。あの植物どもの肥料なんだよ」
「黒キノコが、ですか?」
「ああ」
ヤシャが言う。
「黒キノコは森のマナが濃い場所に生える。錬金術の材料としては、ポピュラーなものよ」
「……マナ。あの、それで」ゆゆねはおずおずと「この依頼は、私一人で……?」
「ぬめり森は子供だって入れるわ。ここを恐れていては、どこにも行けない」
けれどそうね、とヤシャ。「あなたはこの世界では子供以下だし。今回は確認したいこともある。私がついていくわ」
「別にオレも暇だが」ガジュマルが言う。「荷物運びくらいにはなるぞ」
エルフが猫をにらむ。
「甘やかさないで、ガジュマル。だから私だけ行くのよ。この子はもう冒険者。歳だって十分大人よ。一人で立てるようにしなければ」
ゆゆねを向く。
「ゆゆね。ガジュマルはこんなんだけど、私は厳しいわ。ぬめり森で歩けなくなっても、なんの助けもしない。泣こうが吐こうが、置いてくわ」
ゆゆねは小リスのように怯える。助けを求めるようにガジュマルを見た。
だが猫は、無情にも手をふった。
「行ってこい。大丈夫さ、歩きキノコくらい、手でも引きちぎれる」
「うぅ。歩く? きのこが?」
ヤシャがスプーンを持ち直す。
「さっ、ごはん食べて。すぐ出るから。明るいうちに終わらせたい」
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