淫らで美味しいワンコ君が、センセイの帰りを待っています! ~崖っぷちから始まる辺境女教師スローライフ~

冬島六花

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第三章 二人のクリスマス、そして

3-4.モミの木のオーナメント

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「リズ先生のクラス、頑張ってるねぇ!」
「そうそう、私も思った。生徒のアイデアなの? それとも、リズ先生?」

 分厚いコートを着込んだヴィッキーとイヴリンが、リズに問う。吐く息は白く、厳しい冬の寒さを感じさせる。

「思い立ったのは私なのだけれど、生徒たちが頑張ってくれたわ」

 クリスマスイブの前日、つまりは十二月二十三日。
 生徒も教師も総動員で、講堂に集まっていた。中央には巨大なモミの木が立つ。学校が所有する森から切り出して来たものらしい。

(……とか言って、本当はテッドが発案者よね。助かったわ。クリスマスは簡素だと聞いていたけれど――むしろハロウィンよりも豪華かもしれない)

 クリスマスパーティ実行委員会の面々が中心となり、モミの木にオーナメントが飾り付けられていく。付け終えたら、クリスマスツリーの完成というわけだ。そこにリズのクラスの生徒たちが加わり、自分たちで作ったお菓子のオーナメントを、ひとつひとつ取り付けていく。

「リズ先生、ありがとうございます」
「いやー、一時期はもう駄目かと思いました。まぁ僕ら最終学年ですし、過去には何も企画をしなかったクラスもありますから。正直、駄目だったらそれでいいや、っていう、諦めの気持ちもあったんですよね……」

 クラス委員の二人が、リズに声をかける。なんとかなって良かった……という安堵の表情が、二人からひしひしと伝わってきた。

「あら、そうなの? あまり時間はなかったけれど、きちんと形にできて良かったわ」
「リズ先生の柔軟な発想のおかげです」
「クラスの企画だから、もっと手間のかかるものでないと駄目だっていう意識がありました。今回の飾り付け企画は、菓子作りに二時間、ラッピングに一時間の合計三時間で完成したでしょう。むしろ企画を立てるためのホームルームや、駄目になった企画にかけた時間の方が長いくらいです。このくらいの時間でできるなら、幸いでした」
「あなたの言う通り、企画が決まるまでが長かったわね。それは私の経験不足から来る落ち度だわ。早く終わったのはみんなが頑張ってくれたからよ。あなたたちに、心から感謝しているわ」

 リズは二人に笑いかけた。クリスマスツリーに目を移すと、飾り付けが完了したところだった。講堂の天井近くまである巨大なモミの木に、毎年恒例のたくさんのオーナメントが下がっている。よくよく見るとその中の数十個が、リズのクラスによる手作りだ。華やかな柄の包装紙の中に、型抜きされたクッキーが入っている。

(これで無事に、クリスマスを迎えられるわね)
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