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第10話(終)
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「また来ますね」
「はい」
「あ、そうだ。その制服はすぐにクリーニングに出した方がいいですよ。あなたと私の体液の匂いが、染みついています」
「……! 分かりました」
よくよく見れば、会社から支給された制服は精液と愛液にまみれている。
替えの制服は持っているはずだが、今来ているものは、帰りがてらクリーニングに出さねばならない。
(クリーニング屋さんの店員さんにも気づかれるかな……恥ずかしい……)
それだけではない。
床にも体液が水たまりのように広がり、オフィスフロア全体にむせかえる様な愛欲の残り香が漂っていた。
すぐに窓を開けしっかり換気をした上で、拭き掃除をする必要があるだろう。
山田係長の椅子は――どうしようもない。染み込んだ愛液の匂いに、彼が気づかないことを祈るのみだ。
「では、また明日。来週もお仕事頑張りましょうね」
彼が部屋から出ていくと、私は大きなため息をついた。
(彼が、私を好き……?)
むりやり犯されておいてなんだが、私も彼が好きだ。
しかも、身体の相性は最高。
付き合えるなら、願ってもないくらいに嬉しい。
私は立ち上がると、掃除用具置き場に向かいつつ、情交の余韻に浸るのだった。
* * *
チュンチュン――。
澄み切った青い空の下、雀たちのさえずりが私の耳へ届く。
(うーん、ムニャムニャ。……はっ! 朝!?)
起きようとしたら、盛大にベッドから落ちた。
頭にかぶったVR機器のせいで、前が見えなかったのだ。
(昨日はたしか……)
ヘッドセットを取り、部屋を見渡す。
ベッドの上は、掛け布団もシーツもぐしゃぐしゃになっている。
VR機器を取り付けたまま、眠ってしまったようだ。
(よく覚えていないけれど、いい夢だったなあ)
福引きの四等賞でもらった物ではあったが、VR体験は、意外と楽しかった……ような気がする。
(また今度、試してみよっと)
私はそう決めると、ヘッドセットをベッド脇に置き、朝の支度を始めるのだった。
END
「また来ますね」
「はい」
「あ、そうだ。その制服はすぐにクリーニングに出した方がいいですよ。あなたと私の体液の匂いが、染みついています」
「……! 分かりました」
よくよく見れば、会社から支給された制服は精液と愛液にまみれている。
替えの制服は持っているはずだが、今来ているものは、帰りがてらクリーニングに出さねばならない。
(クリーニング屋さんの店員さんにも気づかれるかな……恥ずかしい……)
それだけではない。
床にも体液が水たまりのように広がり、オフィスフロア全体にむせかえる様な愛欲の残り香が漂っていた。
すぐに窓を開けしっかり換気をした上で、拭き掃除をする必要があるだろう。
山田係長の椅子は――どうしようもない。染み込んだ愛液の匂いに、彼が気づかないことを祈るのみだ。
「では、また明日。来週もお仕事頑張りましょうね」
彼が部屋から出ていくと、私は大きなため息をついた。
(彼が、私を好き……?)
むりやり犯されておいてなんだが、私も彼が好きだ。
しかも、身体の相性は最高。
付き合えるなら、願ってもないくらいに嬉しい。
私は立ち上がると、掃除用具置き場に向かいつつ、情交の余韻に浸るのだった。
* * *
チュンチュン――。
澄み切った青い空の下、雀たちのさえずりが私の耳へ届く。
(うーん、ムニャムニャ。……はっ! 朝!?)
起きようとしたら、盛大にベッドから落ちた。
頭にかぶったVR機器のせいで、前が見えなかったのだ。
(昨日はたしか……)
ヘッドセットを取り、部屋を見渡す。
ベッドの上は、掛け布団もシーツもぐしゃぐしゃになっている。
VR機器を取り付けたまま、眠ってしまったようだ。
(よく覚えていないけれど、いい夢だったなあ)
福引きの四等賞でもらった物ではあったが、VR体験は、意外と楽しかった……ような気がする。
(また今度、試してみよっと)
私はそう決めると、ヘッドセットをベッド脇に置き、朝の支度を始めるのだった。
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