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準備

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 太くて真直ぐな大木を切る。

 バキバキッ。ズズン。

「剣で良く切れるなぁ!」
「一太刀!」
「すげぇ!」
「さすが!」

 等と騒がれるが、剣の出来が違う為だと思っているのでスルー。

「さあ!みんな、枝葉を払って!」

「「「「オオッ!」」」」

 手分けして枝葉を落とし、皮が剥がされ持ち手用に縄がうたれた。
 落とした枝は、1ヶ所に集められた。
 出来上がった巨大な丸太には、数十人が持ち上げる配置に付いた。

「いいか!行くぞ!」

「「「良いぞ!」」」
「「「まかせろ!」」」

「イッセイのセ!」

「「「「「「セヤッ!」」」」」

 大声で応答がなされ、持ち上げられた!
 直径。二人分?二人半以上有るのか?
 切ったばかりの生木は重い。
 それがこの長くて太い巨木だと、どれ位の重さに成るのか?
 その巨木が、掛け声と共に。

「「「よいしょ!」」」

「「「こらしょ!」」」

 と、広場に運ばれた。
 其処でわたしが、黒剣で巨木を縦に真っ二つにすれば、

「「「スゲェ!」」」

 と、歓声が上がる。

「さあ!頑張って!」

「「「オウッ!」」」

 と言う答え共に、皆は巨木に取り付き作業しだした。
 中をくり抜き二艘の舟を造って行く。
 大雑把に、身体が大きい男達がくり抜き。女達は防腐剤を塗って行く。
 ある程度くり抜くと、小人族達が仕上げを行った。
 座る所に、椅子やら取っ手を造り、飾り彫り等で装飾までしている。それ等にも防腐剤を塗って乾いたら完成。

 出来上がった二艘を連結して、中央よりやや後方に白色の箱の様な物を設置する。
 設置すると箱が開いて変形する!
 それを見て、皆は驚きざわめく。

 驚くのが当たり前だ!
 たった一つの箱から、こんな物が出て来たら誰だって驚く!
 中心には椅子が有り、その周りを半透明な物が覆っている。
 椅子の前に、白色のスティックが立っている。

「あの箱に、この椅子が入っていた筈がない!」
「さすが、古代遺産だ!」
「スゲー!」

 等と皆驚いている。
 はぁ。ナイル何造ってるのかしら?等とイリスは思いながら乗り込む。

 イリスは椅子に座り、スティックに手を掛る。
 で、ナイルに聞く。

『操作方法は?』

『先ず、スティックを垂直に上げて。』

 等とナイルの指示を受けて操作すると、双船は浮き上がり翼が生えた!
 双船は周りを少し飛ぶと、戻って来て翼を引っ込め降りて来た。


###転移を隠す為。

 道は、巨大な壁によって分断されています。
 しかも、イリス達の居る所には、道が繋がっていません!
 その為、空を飛ぶ事にしました!

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