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港へ

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 港に行くのは、各種族の代表を2名、10名の予定がだったが、猪族は自分達の大きい身体だと場所を取るからと辞退した。
 その為、代表8名とイリスで9名。 

 港で売る物は住民皆が集まり積み込んだ。
 積み込みを終えた人々が離れたのを確認してから、浮き上がり一端静止してバランスを確認してから翼を展開し飛び立った!

 高度を上げ、家々が木の実位に見える上空を飛んで行く。
 イリスには風避けある為、あまり寒く感じないが、寒さに震えている者もいる。
 逆に縁を掴み、地上を見ている者もいる。

 巨壁が現れ、それを越し人族の国へ入った。
 人族の国は小麦畑が広がっいた。
 それを空の上から見下ろす者達には、何の感慨もなかった。
 彼等は、小麦を育てた事がなかったからだ。
 いや、作物を育てた事がない者達もいる。
 その者達には、実りを迎えた小麦畑も大量の枯れ草にすぎない!

 彼等が注目するのは、住宅街やその中心に有る領主の城だろう!
 何時か潰してやると睨んでいる。
 人族を恨まない種族いない。
 人族は滅茶苦茶な事を遣り過ぎた。
 しかし、多種族を襲った騎士達に反省はない!
 まして、何も知らない一般人にも。
 だが、彼等の怨みは、人族全てに向かっている!
 彼等が、不快な人族の国を睨んでいても船は飛ぶ!
 又、巨壁が見えてきた!
 巨壁を越えて暫く行くと港が見えてきた!

 港を囲う様に城壁がある。
 それを飛び越し、港の上空で見下ろして、降りる所はないか?と、見ていたら下が騒がしくなった。

 このまま上空に居ると不味い。と思ったイリスは、海に着水する事にした。
 道路や港の広場に、着陸するスペースはなかった。
 例え有っても、邪魔に成っただろう。

 着水すると、海人国の魚人や人魚達が寄って来た。
 皆は各々に手を振り、行商に来た事を叫んでいる。

 魚人達は、各々銛を身体に括り付けている。
 今まで見た事がない、空飛ぶ乗り物に乗って来たのだ。
 警戒しない筈はない。
 だが、船に乗ってる身振りや声によって、警戒は解いたようだ。

「この船の責任者は誰だ!」

 と、魚人の一人が叫んだ。
 それに反応して船に乗って来た者達は、イリスの居る方を示し、

「中央に居るお方です!」

 と返した。イリスも、

「わたしです!」

 と、言ってイリスは手を振った!
 その声に反応して、三名の魚人が彼女の方へ来た。
 その中の中心にいる人が眉をしかめて、

「ウム?貴女がこの船の一団の代表で間違いないか?」

「はい!イリスと申します。」

「俺は、警邏部隊第三副隊長のサバラだ!
此処には、交易で来たので間違いないか?」

「はい!ご丁寧ありがとうございます!
 わたし個人で何回か此方に来ておりまして、門番に提出する様にと渡されたカードが有ります。
 此方で出して大丈夫ですか?」

「えっ!ああ、部署は違うが大丈夫だ!」

 と、副隊長が言うので、イリスはカードをわたした。

「このカードです!お願いしますね!」

「はい。確かに!」

 サバラがカードを改めると、

「アリア様が相手とは!」

「えっ?アリア様には、良くしてもらっていますが、特別な方なのですか?」

「ああ。この港を取り仕切る方々のお一人だ!」

「まあ!そうなのですか!」

「普通は、お客の対応等なされないのだが‥。」

「まあ!そうなのですか?
 でもいつもアリア様は、わたくしが担当だから、わたくしの所に来る様にと、言われているのですが!」

 とイリスが困った顔をすると、サバラはあわてて、

「いや!問題ない!
 いつもは陸路から来たのだろう!
 空から来る者等始めてで、対応等したことがない為、戸惑っているだけだ!すまんな!」

「すみません!
 確かに、空からなんて来たら驚くのが普通でした!」

 イリスが謝ると、サバラは船に目を向け。

「いやいや!この様な空飛ぶ船があれば、空から来たくも成るだろう!
 だが、今度から事前に連絡してくれ!」

「えっ!事前にって、どうすれば良いのでしょう?」

「えっ。ああ!そうだな空飛ぶ船の方が速いか!
 これはまいった!
 うん、そうだ!全てアリア様に任せれば良い!
 イリス嬢もそれなら問題なかろう!」

「はい!問題ありません!」



###海人国

 魚人族は魚人族で国を治め、人魚族は人魚族で国を治めています。
 港は、複数の国の代表が集まり、合議によって方針を決めています。
 
 陸軍と海軍もありますが、どちらも防衛主体です。
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