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4章【手がかりは全て…】
聖なる世界、幻想の彩り
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楽園。流石その名に恥じない静謐さと清浄さが、壁の先に満ちていた。
幾つもの浮遊島が立ち並び、その上に生える不思議な植物は陽の光を受けて自ら仄かに発光しているようだ。
中には街もあるようだが、何より不思議なのはこの世界全体に生きた人間の気配が一つもないことだ。
―――――そう。エデンは、死天龍の神殿で「天聖界行き」と判定された死者の魂が送られる場所である。この世界は、天使と聖者の住まう聖なる世界。故に、少しでも穢れた者は滞在を許されない。
「うわ…………――――――」
レイは風属性魔法【爆裂】と【風力調整】を組み合わせて、今は遊覧飛行状態にある訳だが。
天を貫く何かは、【視力強化】を使ってやっと視認できる距離にある為、かなりのスピードで進んでいるはずなのに全く近くにならない。
「しかもこいつら、攻撃はしてこないが一体何なんだ…?」
こいつら、とは。
浮遊島の木々に纏わりつくようにふわりふわりと舞う、無数の光粒…否、のように見える、小妖精たちだ。
《ねー、ねー、貴方は何しにきたのー?》
《またあの神様の使いなの?》
「(………………ん?また、だって?)えーと、あの神様ってどんな?」
《えっと、銀色の髪と橙色の目で、背の高い男の人。白い羽飾りつきの帽子をかぶってたよー》
《ね、あと何だか、「ゆうびんやさん」っぽかったね!》
《だね!この先の街にもいたね!》
「(羽飾り付きの帽子に、「郵便屋」っぽい恰好か。多分ギリシア神族の郵便役だな、って…あの神は確かギリシア神族の長の使いっぱしり的な存在だったはず………………?)」
半信半疑だが、今ここにいない者の事を考えても仕方がない。「ありがと」と言い、更に先へ先へと自由飛行で進む。
丁度、街のある浮遊島の上を通る時にその街の方を見てみると、道を歩いている人々が上を見上げて目を丸くしているのが見て取れた。
広場らしきスペースの真ん中には、樹を象った青い水晶が立っていた。
「…成程な」
あまり人々を不安がらせてもいけないので、その青い水晶を確認した後はその島を離れた。
「(……あの樹形の水晶…)」
――確か、樹形の転移水晶とも呼ばれていた白亜の街中央広場に立っていた物と、同一の物の様である。
考えながら魔法を操り、更に先へと進んでいく。
暫くして、一際巨大で、金色の光に包まれた浮遊島が見えてくる。
それこそが、「天使の雫石の柱状石」が存在する、エデンの管理者が住む島であった。
幾つもの浮遊島が立ち並び、その上に生える不思議な植物は陽の光を受けて自ら仄かに発光しているようだ。
中には街もあるようだが、何より不思議なのはこの世界全体に生きた人間の気配が一つもないことだ。
―――――そう。エデンは、死天龍の神殿で「天聖界行き」と判定された死者の魂が送られる場所である。この世界は、天使と聖者の住まう聖なる世界。故に、少しでも穢れた者は滞在を許されない。
「うわ…………――――――」
レイは風属性魔法【爆裂】と【風力調整】を組み合わせて、今は遊覧飛行状態にある訳だが。
天を貫く何かは、【視力強化】を使ってやっと視認できる距離にある為、かなりのスピードで進んでいるはずなのに全く近くにならない。
「しかもこいつら、攻撃はしてこないが一体何なんだ…?」
こいつら、とは。
浮遊島の木々に纏わりつくようにふわりふわりと舞う、無数の光粒…否、のように見える、小妖精たちだ。
《ねー、ねー、貴方は何しにきたのー?》
《またあの神様の使いなの?》
「(………………ん?また、だって?)えーと、あの神様ってどんな?」
《えっと、銀色の髪と橙色の目で、背の高い男の人。白い羽飾りつきの帽子をかぶってたよー》
《ね、あと何だか、「ゆうびんやさん」っぽかったね!》
《だね!この先の街にもいたね!》
「(羽飾り付きの帽子に、「郵便屋」っぽい恰好か。多分ギリシア神族の郵便役だな、って…あの神は確かギリシア神族の長の使いっぱしり的な存在だったはず………………?)」
半信半疑だが、今ここにいない者の事を考えても仕方がない。「ありがと」と言い、更に先へ先へと自由飛行で進む。
丁度、街のある浮遊島の上を通る時にその街の方を見てみると、道を歩いている人々が上を見上げて目を丸くしているのが見て取れた。
広場らしきスペースの真ん中には、樹を象った青い水晶が立っていた。
「…成程な」
あまり人々を不安がらせてもいけないので、その青い水晶を確認した後はその島を離れた。
「(……あの樹形の水晶…)」
――確か、樹形の転移水晶とも呼ばれていた白亜の街中央広場に立っていた物と、同一の物の様である。
考えながら魔法を操り、更に先へと進んでいく。
暫くして、一際巨大で、金色の光に包まれた浮遊島が見えてくる。
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