宵闇王と精霊の竜刀

火の無い灰

文字の大きさ
26 / 37
4章【手がかりは全て…】

聖なる世界、幻想の彩り

しおりを挟む
楽園エデン。流石その名に恥じない静謐さと清浄さが、壁の先に満ちていた。
幾つもの浮遊島が立ち並び、その上に生える不思議な植物は陽の光を受けて自ら仄かに発光しているようだ。
中には街もあるようだが、何より不思議なのはこの世界全体に
―――――そう。エデンは、死天龍の神殿で「天聖界行き」と判定された死者の魂が送られる場所である。この世界は、天使と聖者の住まう聖なる世界。故に、少しでも穢れた者は滞在を許されない。
「うわ…………――――――」
レイは風属性魔法【爆裂バースト】と【風力調整ウィンド・コントローラ】を組み合わせて、今は遊覧飛行状態にある訳だが。
天を貫く何かは、【視力強化】を使ってやっと視認できる距離にある為、かなりのスピードで進んでいるはずなのに全く近くにならない。
「しかもこいつら、攻撃はしてこないが一体何なんだ…?」
こいつら、とは。
浮遊島の木々に纏わりつくようにふわりふわりと舞う、無数の光粒…否、のように見える、小妖精スプライトたちだ。
《ねー、ねー、貴方は何しにきたのー?》
使
「(………………ん?、だって?)えーと、あの神様ってどんな?」
《えっと、銀色の髪と橙色だいだいいろの目で、背の高い男の人。白い羽飾りつきの帽子をかぶってたよー》
《ね、あと何だか、「ゆうびんやさん」っぽかったね!》
《だね!この先の街にもいたね!》
「(羽飾り付きの帽子に、「郵便屋ゆうびんやさん」っぽい恰好か。多分ギリシア神族の郵便役ヘルメスだな、って…あのひとは確かギリシア神族の長ゼウスの使いっぱしり的な存在だったはず………………?)」
半信半疑だが、今ここにいない者の事を考えても仕方がない。「ありがと」と言い、更に先へ先へと自由飛行で進む。
丁度、街のある浮遊島の上を通る時にその街の方を見てみると、道を歩いている人々が上を見上げて目を丸くしているのが見て取れた。
広場らしきスペースの真ん中には、ツリーを象った青い水晶が立っていた。
「…成程な」
あまり人々を不安がらせてもいけないので、その青い水晶を確認した後はその島を離れた。
「(……あの樹形の水晶…)」
――確か、樹形の転移水晶ワープモノリスとも呼ばれていた白亜の街セントラルシティ中央広場に立っていた物と、同一の物の様である。
考えながら魔法を操り、更に先へと進んでいく。

暫くして、一際巨大で、金色の光に包まれた浮遊島が見えてくる。
それこそが、「天使の雫石の柱状石」が存在する、エデンの管理者が住む島であった。

しおりを挟む
感想 1

あなたにおすすめの小説

【完結】辺境に飛ばされた子爵令嬢、前世の経営知識で大商会を作ったら王都がひれ伏したし、隣国のハイスペ王子とも結婚できました

いっぺいちゃん
ファンタジー
婚約破棄、そして辺境送り――。 子爵令嬢マリエールの運命は、結婚式直前に無惨にも断ち切られた。 「辺境の館で余生を送れ。もうお前は必要ない」 冷酷に告げた婚約者により、社交界から追放された彼女。 しかし、マリエールには秘密があった。 ――前世の彼女は、一流企業で辣腕を振るった経営コンサルタント。 未開拓の農産物、眠る鉱山資源、誠実で働き者の人々。 「必要ない」と切り捨てられた辺境には、未来を切り拓く力があった。 物流網を整え、作物をブランド化し、やがて「大商会」を設立! 数年で辺境は“商業帝国”と呼ばれるまでに発展していく。 さらに隣国の完璧王子から熱烈な求婚を受け、愛も手に入れるマリエール。 一方で、税収激減に苦しむ王都は彼女に救いを求めて―― 「必要ないとおっしゃったのは、そちらでしょう?」 これは、追放令嬢が“経営知識”で国を動かし、 ざまぁと恋と繁栄を手に入れる逆転サクセスストーリー! ※表紙のイラストは画像生成AIによって作られたものです。

【㊗️受賞!】神のミスで転生したけど、幼児化しちゃった!〜もふもふと一緒に、異世界ライフを楽しもう!〜

一ノ蔵(いちのくら)
ファンタジー
※第18回ファンタジー小説大賞にて、奨励賞を受賞しました!投票して頂いた皆様には、感謝申し上げますm(_ _)m ✩物語は、ゆっくり進みます。冒険より、日常に重きありの異世界ライフです。 【あらすじ】 神のミスにより、異世界転生が決まったミオ。調子に乗って、スキルを欲張り過ぎた結果、幼児化してしまった!   そんなハプニングがありつつも、ミオは、大好きな異世界で送る第二の人生に、希望いっぱい!  事故のお詫びに遣わされた、守護獣神のジョウとともに、ミオは異世界ライフを楽しみます! カクヨム(吉野 ひな)にて、先行投稿しています。

なぜ、私に関係あるのかしら?

シエル
ファンタジー
「初めまして、アシュフォード公爵家一女、セシリア・アシュフォードと申します」 彼女は、つい先日までこの国の王太子殿下の婚約者だった。 そして今日、このトレヴァント辺境伯家へと嫁いできた。 「…レオンハルト・トレヴァントだ」 非道にも自らの実妹を長年にわたり虐げ、婚約者以外の男との不適切な関係を理由に、王太子妃に不適格とされ、貴族学院の卒業式で婚約破棄を宣告された。 そして、新たな婚約者として、その妹が王太子本人から指名されたのだった。 「私は君と夫婦になるつもりはないし、辺境伯夫人として扱うこともない」 この判断によって、どうなるかなども考えずに… ※ 中世ヨーロッパ風の世界観です。 ※ ご都合主義ですので、ご了承下さい、 ※ 画像はAIにて作成しております

妻からの手紙~18年の後悔を添えて~

Mio
ファンタジー
妻から手紙が来た。 妻が死んで18年目の今日。 息子の誕生日。 「お誕生日おめでとう、ルカ!愛してるわ。エミリア・シェラード」 息子は…17年前に死んだ。 手紙はもう一通あった。 俺はその手紙を読んで、一生分の後悔をした。 ------------------------------

【完結】パパ、私は犯人じゃないよ ~処刑予定の私、冷徹公爵(パパ)に溺愛されるまで~

チャビューヘ
ファンタジー
※タイトル変更しました。 「掃除(処分)しろ」と私を捨てた冷徹な父。生き残るために「心を無」にして媚びを売ったら。 「……お前の声だけが、うるさくない」 心の声が聞こえるパパと、それを知らずに生存戦略を練る娘の物語。 ----- 感想送っていただいている皆様へ たくさんの嬉しい言葉や厳しい意見も届いており一つ一つがすごく嬉しいのと頑張ろうと感じています。ご意見を元に修正必要な部分は随時更新していきます。 成長のため感想欄を閉じませんが公開はする予定ありません。ですが必ず全て目を通しています。拙作にお時間を頂きありがとうございます。これからもよろしくお願いします。

腹違いの妹にすべてを奪われた薄幸の令嬢が、義理の母に殴られた瞬間、前世のインテリヤクザなおっさんがぶちギレた場合。

灯乃
ファンタジー
十二歳のときに母が病で亡くなった途端、父は後妻と一歳年下の妹を新たな『家族』として迎え入れた。 彼らの築く『家族』の輪から弾き出されたアニエスは、ある日義母の私室に呼び出され――。 タイトル通りのおっさんコメディーです。

私が王子との結婚式の日に、妹に毒を盛られ、公衆の面前で辱められた。でも今、私は時を戻し、運命を変えに来た。

MayonakaTsuki
恋愛
王子との結婚式の日、私は最も信頼していた人物――自分の妹――に裏切られた。毒を盛られ、公開の場で辱められ、未来の王に拒絶され、私の人生は血と侮辱の中でそこで終わったかのように思えた。しかし、死が私を迎えたとき、不可能なことが起きた――私は同じ回廊で、祭壇の前で目を覚まし、あらゆる涙、嘘、そして一撃の記憶をそのまま覚えていた。今、二度目のチャンスを得た私は、ただ一つの使命を持つ――真実を突き止め、奪われたものを取り戻し、私を破滅させた者たちにその代償を払わせる。もはや、何も以前のままではない。何も許されない。

第3次パワフル転生野球大戦ACE

青空顎門
ファンタジー
宇宙の崩壊と共に、別宇宙の神々によって魂の選別(ドラフト)が行われた。 野球ゲームの育成モードで遊ぶことしか趣味がなかった底辺労働者の男は、野球によって世界の覇権が決定される宇宙へと記憶を保ったまま転生させられる。 その宇宙の神は、自分の趣味を優先して伝説的大リーガーの魂をかき集めた後で、国家間のバランスが完全崩壊する未来しかないことに気づいて焦っていた。野球狂いのその神は、世界の均衡を保つため、ステータスのマニュアル操作などの特典を主人公に与えて送り出したのだが……。 果たして運動不足の野球ゲーマーは、マニュアル育成の力で世界最強のベースボールチームに打ち勝つことができるのか!? ※小説家になろう様、カクヨム様、ノベルアップ+様、ノベルバ様にも掲載しております。

処理中です...