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最後の選択

楽しい、楽しい生活

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 5階についた七宮しちみやを出迎えたのはまたしても女だった。
 「お待ちしておりました。七宮弘人ひろと様」
 「女、だよな?」
 「えぇ。性別は女です。」
 「ここまで案内してくれた奴も女だったが、唯一って言っていた・・」
 「そうですよ。あそこはあの子しか女はいません。だって男高ですから。」
 「??」
 「混乱しているようですし、目的の場所まで説明しながら行きましょう。」
 女は「では」と言って歩き出した。七宮もついて行く。
 「ここは私立女高等学園しりつじょこうとうがくえんの敷地になります。5階より下が男高の敷地になっています。男高と同じように女高もこの建物と生徒の寮、授業を受ける学校がちゃんとあります。女高は女のためだけの学校です。ですがちがう点として、男高よりは簡単な入試試験、女同士で子供を作る施設では無いところでです。」
 「・・女高の生徒は男高が子供を作る施設だと知っているのか?」
 「極一部ですよ。それに・・近いことはやっているので」
 「・・・はぁ」
 女は横目で七宮を見る。
 「貴方はどっちの方ですか?」
 「どっちとは?」
 「恋愛対象です。」
 「・・男。」
 「そう、ですか。なら、少しきついかも しれませんね。」
 「どう言う・・
 「つきました。」
 女が七宮の言葉を遮って目の前の扉に目を向ける。女が一歩前に出てノックをする。
 「連れて来ました。七宮弘人様です。」
 と、女が言うと扉の奥から「入りなさい」と聞こえた。女が扉を開けた。
 「失礼します。どうぞ」
 中に入った七宮は辺りを見る。
 「初めまして。七宮弘人君。わたくしは女高の校長の花盛はなざかりと申します。遥々、男高から来ていただきありがとうございます。百合姫ゆりひめさん。案内係ありがとうございます。」 
 「では、私は失礼します。」
 案内した女は頭を下げて部屋から出て行った。
 「こちらにお座りください。」
 校長の花盛は立ち上がってソファに腰をかける。七宮も向かい側に座った。
 「七宮弘人君は、女高のこと知っていますか?」
 「女しか入れない学校とだけしか。あ、女高に姉が在籍しています。」
 「確か・・智寧ともねさんでしたよね?」
 「はい。」
 「智寧さんは・・・残念ながら、この学校の生徒ではなくなってしまったんです。」
 「どう言う・・意味でしょうか。」
 「七宮弘人君と同じですよ。」
 「な、何をしたんですか?智姉は」
 「ここは女高ですよ。さっきので分かりませんでしか・・もしかして男高にはないんでしたっけ?」
 「さっきから何を」
 「女高には、女の子らしさがあることも入学できる条件なんです。可愛らしさ、美しさ。その2つがない場合は名前。名前は人柄を表します。可愛い名前なら、可愛くなりたいと思うでしょう?智寧さんの名前は可愛らしさがありません。なので残念ながら智寧さんはここの生徒じゃありません。」
 「でも、ここに入学できたと。」
 「あぁ。それはこれからお見せしますよ。お楽しみに。この学校でやっていることを。それから貴方の役目を。」
 
 花盛はサインして欲しい書類を出して来て
 「ここに名前を書いてください。」
 七宮の目の前に置かれた紙はだった。
 「なんでですか?」
 「こちらにも事情があるので。七宮弘人君には拒否権などないので、でも念の為ですよ。」
 書くしかないため書いた。
 「ありがとうございます」と言って紙をコピー機に入れてパソコンを操作した。紙が出てきて白紙だった紙に文字が書いてあった。「どうぞ」と渡されて白紙だった紙を読む。

 読み終わったのか七宮の口から「・・・なんだよこれ・・」と漏れた。
 「書いてある通りです。では行きましょう。楽しい楽しい生活が始まりますよ。」
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