越えられない壁で僕らの幸せは・・・

綾瑪東暢

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番外編 (本編とは多分関係ない)

ハロウィン

 「志綾様ー!・・・あっ、志飛様ー!」
 元気な声が家の中に響く。
 「雪都!」
 その後に困った使い長の樹の声もした。
 「久しぶり。」
 「久しぶり~。志飛様。」

 
 これはまだ、当主に本当のことを言う前のハロウィン。雪都は、ここ最近、志飛とは会っていない。
 「お仕事の方は大丈夫だったか?」
 雪都は、長い期間別の県にいた。
 「うん!使い長が手伝ってくれたから。」
 樹も志飛の側から離れ、雪都の側近としてついて行っていた。
 「お疲れ様。」
 目に見えて疲れている樹。想像できるほど雪都子守は大変だっただろう。
 「あー!やっぱり樹だ。声がすると思った。」
 樹はゲッと本当に嫌そうな顔をする。疲れ顔がさらに疲れて見えた。
 「樹ー。仕事終わったなら俺と飲もうぜ。」
 「私の仕事は終わりません。」
 「志飛ー、樹を貸してくれないー?」
 
 ちらっと樹を見ると外れるんじゃないかと思うぐらい首を横に振っている。
 「使い長に任せたいことがある。」
 「・・じゃあそれまちまーす」
 黧は部屋に戻って行く。
 「雪都。今、ちょうどお菓子作ってるから居間にいる人の遊び相手になってやって」
 「やった!!」
 雪都はパタパタと居間に走っていく。
 
 「それで私に手伝ってほしいこととは?」
 「お菓子作り。」
 
 

 樹とキッチンに行く。

 「今、オーブンでクッキーを焼いているんだ。」
 「あとは何を作る予定なんですか?」
 「マカロンとシュークリーム。」
 「今回はかぼちゃは使わないのですか?」
 「使おうと思ったんだけど、いざキッチン立ったらめんどくさくなってね。」
 くすっと笑う。
 「私は何を手伝えば?」
 上着を脱ぎ、シャツの袖をまくる。

 
 関係ないが、樹はイケメンの類にはいる。イケメンの袖まくりは、実に絵になる。

 「志飛様?」

 「ゴホンっ・・いや、僕にも黧と喋るように普通でいいんだけど」
 黧が流しに溜まった皿を洗おうとスポンジを取る。
 「恥ずかしながら、私はプライベートと仕事で、言葉遣い、一人称をしっかり区別して切り替えないとうまく、喋れないんです。ここだけの話ですよ。こう見えて私、人見知りなんです。」
 樹がニコッと手を止め志飛を見る。


 「使い長は、かっこいいよ。」

 志飛は、ボールに材料を入れ、丁寧に混ぜる。
 「使い長にとって、黧はどんな人なの?こういう機会じゃないと使い長と恋話できないから、良かったら教えて。」

 
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