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番外編 (本編とは多分関係ない)

小さい頃の二人

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 「とーくん。おはよう」
 「しーくん!おはよう。どうしたの?今日は遅かったじゃん。」
 まだ、志綾しあ志飛しとだった時。
 「えへへ、寝坊しちゃった。」
 「夜更かししてたの?」
 「うん、少しね。」
 「ねぇねね、それよりその服どうしたの?女の子見たいな服来てるじゃん。」
 「うん・・・実はね。志飛・・・志綾になったの。だからとーくんも私のことしーちゃんって呼んで。私、今日から女の子なんだって・・・」
 「しーちゃん?」
 「そう、」
 「それは良いんだけどでもしーちゃん」
 悩んだ荼泉といはグッと手を握る。
 「しーちゃん、しーちゃんは男の子なんでしょう?」
 「わ、わかんないけど私は女の子だよ。おかあさまとおとうさまは『女の子なんだから』って言ってたよ。」
 「でもしーちゃん男の子のあれついてるじゃん。」
 「うん・・・とーくん。私って何者なんだろう・・・とーくん、お願いがあるんだけどこのことは二人だけの秘密にして欲しいの。きっとおかあさまもおとうさまも黙っていてほしいと思うの。ダメ?」
 「うんん、しーちゃんと僕だけの秘密だね。」
 「約束。」
 二人は小指を合わせて『指切りげんまん』と歌を歌った。

 
 指切りげんまん嘘ついたら針千本飲ます。指切った♪

 「約束だよ。」
 「うん」
 二人は頷き合って微笑み合う。
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