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依頼「志飛の本当の姿」
第一依頼人
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「筒夏さん、大丈夫ですか?顔色が悪いようですが・・・」
「志綾様・・・いえ、なんでもありません。」
「筒夏さん、皆さんが不思議にこちらを見てますが・・・様を怪しんでいるのではないですか?」
驚いた顔をして辺りを見渡すとほとんどが二人を見ていた。
「?」
「桜川、授業中だ。よそ見をするな、桜川以外もだ。」
「・・・志綾様、ごめんなさい。」
「いえ、筒夏さんの学校生活に支障が出なければ私は大丈夫です。」
「なんとか誤魔化します。」
「・・・」
「志綾様?」
小さい声で話し合う。急に志綾が黙り下を向いた。
「筒夏。全部バラそう。大丈夫。繋家、要家に被害が及ばない範囲で言うから。」
筒夏は「待って」と言いかける前に志飛が立ち上がった。
「授業中、すみません。皆さんに僕から伝えておかないといけないことがあります。」
「え~と繋さん?」
「先生、本当にすみません。先生が望む物僕があげられる範囲でなら叶えるので時間を下さい。」
人間の欲が出てしまったのか何も言わずに先生は一歩下がった。
「こんにちは。改めて繋 志飛と言います。皆さんは筒夏が学校に来ていない理由ご存知ですか?」
志飛の質問に全員が首を横に振る。それを見て頷いてから
「筒夏が学校に来れなかった理由。それは僕のせいなのです。僕の苗字を聞いて不思議思いませんでしたか?そうです。僕は繋家のむす・・・娘です。筒夏さんは繋家に勤めている僕の世話係みたいなのです。なので筒夏は僕に敬語だし様付けなのです。納得してくれますか?」
沈黙が流れる。
「志飛様・・・」
静かに呟く。
「ねぇ、」
「なんでしょう?確か・・・」
「水瀬、水瀬 蒼。」
「水瀬さん。何か質問が?」
「名前、最初に挨拶した時の名前は志綾だったでも、さっきは志飛と名乗ってた。どう言う違うの?」
「僕の知り合いが言っていました。『志綾と私を使う時は女の子として、志飛と僕を使う時はお前の本心。そして男の子として』と。僕は私で私は僕なのです。」
「水瀬さん、分かりましたか?」
「いや、余計混乱した。」
「じゃあもっと簡単に説明します。僕は女にも男にもなれると言うことです。簡潔に言うと・・・まぁ、志綾は僕を出したくないみたいだけど・・・皆さんは僕を多重人格者だと思ってもらっても大丈夫です。ですが志綾と志飛。どちらも別人格ではなく自分自身です。」
そう言って筒夏の元に戻る。
「意味が分からない。」
そんな声が聞こえた。
「瑞那?」
誰の声か分かったのか小さく呟いた。
「意味、意味分かんない!筒夏が繋家の者?辞めてよ。そんな冗談。」
「冗談じゃない。」
「じゃあ、筒夏は私のこと見下していたの?」
「見下してなんか」
「繋家のこと言ったよね?私。」
「瑞那・・・」
「筒夏。この学校辞めるか?」
「え?」
「苦しんだろう?繋家の使いと言うことを隠して生活するのが。なら、辞めて仕舞えば良い。」
「それは・・・」
「この学校を辞めて繋家の使いになるか、この学校で苦しみに耐えながら生活するのか、繋家を捨ててこのクラスメイト達と仲良くするか。筒夏が選ぶ選択肢は三つ。どれを選ぶ?」
「ま、待って、待ってください。志飛は私に切り替えろとそうすれば良いって」
「言った。最初は切り替えが出来ていると思っていたが、出来ていなかった。トイレでの話聞いていたんだろう?あの時、お前はクラスメイトが責められているのに助けに来なかった。切り替えできていないじゃないか?学校の中では繋家は関係ない。お前が全力で阻止すれば止まったはずだ。・・・」
「知っていたんですね。なら、今から止めますよ。大事な友達を失いたくないので」
「・・・はぁ、遅いよ。」
「きゃ」
悲鳴が聞こえた。
「紬!」
「先生!生徒の皆さんを教室から出してください。人質を取られてしまいました!」
志飛はあたかも偶然を装い先生に言う。
「・・あぁ、皆、体育館に逃げろう。水瀬!放送室で放送して来てくれ、それから」
「分かってる」
簡単に返事をして水瀬は人混みを通って放送室に言って「避難しなさい」と言う放送を繰り返した。
教室には筒夏と志綾、神城紬、それから逃げていなかった瑞那もいた。
「筒夏!どう言うこと?どうして藍が紬を・・」
「・・・醜いな。・・・お前が依頼したんだろう?」
「な、知らない。」
「志飛様・・・意味が」
「筒夏。瑞那は裏切り者だ。繋家の。前々から瑞那を暗殺するように言われていた。」
「誰にですか?」
「当主にだ。」
「・・・でも当主様」
「僕の正体は知らない。ただの暗殺者として要家に勤めている。」
「!」
言葉が出ないのか下を向く。
「瑞那に殺しても良いから紬を殺してって依頼されたんだ。そうだな、釛 瑞那・・・。」
「・・・」
「ねぇ、助けてよ」
神城にナイフを突き付けられている紬が助けを呼ぶ。
「・・・やれ」
「ぐっ」
神城は戸惑う。
「神城・・・。良いのか?お前が殺されるんだぞ。」
「ッ」
「辞めてください!」
筒夏は志飛の方を向いて訴える。
「お前は弱いから止められないだろうな。だから口を挟むな。」
そう志飛が言った瞬間筒夏の中にあるものが切れた。志飛の首を掴んで壁に当てる。力が入り志飛の骨は何本か折れて小さい呻き声をあげて苦しそうに筒夏を見る。
「筒夏。ごめんな」
小さく呟いた。筒夏は志飛を離した。その場に志飛は倒れた。
神城と紬は解放された。
「志綾様・・・いえ、なんでもありません。」
「筒夏さん、皆さんが不思議にこちらを見てますが・・・様を怪しんでいるのではないですか?」
驚いた顔をして辺りを見渡すとほとんどが二人を見ていた。
「?」
「桜川、授業中だ。よそ見をするな、桜川以外もだ。」
「・・・志綾様、ごめんなさい。」
「いえ、筒夏さんの学校生活に支障が出なければ私は大丈夫です。」
「なんとか誤魔化します。」
「・・・」
「志綾様?」
小さい声で話し合う。急に志綾が黙り下を向いた。
「筒夏。全部バラそう。大丈夫。繋家、要家に被害が及ばない範囲で言うから。」
筒夏は「待って」と言いかける前に志飛が立ち上がった。
「授業中、すみません。皆さんに僕から伝えておかないといけないことがあります。」
「え~と繋さん?」
「先生、本当にすみません。先生が望む物僕があげられる範囲でなら叶えるので時間を下さい。」
人間の欲が出てしまったのか何も言わずに先生は一歩下がった。
「こんにちは。改めて繋 志飛と言います。皆さんは筒夏が学校に来ていない理由ご存知ですか?」
志飛の質問に全員が首を横に振る。それを見て頷いてから
「筒夏が学校に来れなかった理由。それは僕のせいなのです。僕の苗字を聞いて不思議思いませんでしたか?そうです。僕は繋家のむす・・・娘です。筒夏さんは繋家に勤めている僕の世話係みたいなのです。なので筒夏は僕に敬語だし様付けなのです。納得してくれますか?」
沈黙が流れる。
「志飛様・・・」
静かに呟く。
「ねぇ、」
「なんでしょう?確か・・・」
「水瀬、水瀬 蒼。」
「水瀬さん。何か質問が?」
「名前、最初に挨拶した時の名前は志綾だったでも、さっきは志飛と名乗ってた。どう言う違うの?」
「僕の知り合いが言っていました。『志綾と私を使う時は女の子として、志飛と僕を使う時はお前の本心。そして男の子として』と。僕は私で私は僕なのです。」
「水瀬さん、分かりましたか?」
「いや、余計混乱した。」
「じゃあもっと簡単に説明します。僕は女にも男にもなれると言うことです。簡潔に言うと・・・まぁ、志綾は僕を出したくないみたいだけど・・・皆さんは僕を多重人格者だと思ってもらっても大丈夫です。ですが志綾と志飛。どちらも別人格ではなく自分自身です。」
そう言って筒夏の元に戻る。
「意味が分からない。」
そんな声が聞こえた。
「瑞那?」
誰の声か分かったのか小さく呟いた。
「意味、意味分かんない!筒夏が繋家の者?辞めてよ。そんな冗談。」
「冗談じゃない。」
「じゃあ、筒夏は私のこと見下していたの?」
「見下してなんか」
「繋家のこと言ったよね?私。」
「瑞那・・・」
「筒夏。この学校辞めるか?」
「え?」
「苦しんだろう?繋家の使いと言うことを隠して生活するのが。なら、辞めて仕舞えば良い。」
「それは・・・」
「この学校を辞めて繋家の使いになるか、この学校で苦しみに耐えながら生活するのか、繋家を捨ててこのクラスメイト達と仲良くするか。筒夏が選ぶ選択肢は三つ。どれを選ぶ?」
「ま、待って、待ってください。志飛は私に切り替えろとそうすれば良いって」
「言った。最初は切り替えが出来ていると思っていたが、出来ていなかった。トイレでの話聞いていたんだろう?あの時、お前はクラスメイトが責められているのに助けに来なかった。切り替えできていないじゃないか?学校の中では繋家は関係ない。お前が全力で阻止すれば止まったはずだ。・・・」
「知っていたんですね。なら、今から止めますよ。大事な友達を失いたくないので」
「・・・はぁ、遅いよ。」
「きゃ」
悲鳴が聞こえた。
「紬!」
「先生!生徒の皆さんを教室から出してください。人質を取られてしまいました!」
志飛はあたかも偶然を装い先生に言う。
「・・あぁ、皆、体育館に逃げろう。水瀬!放送室で放送して来てくれ、それから」
「分かってる」
簡単に返事をして水瀬は人混みを通って放送室に言って「避難しなさい」と言う放送を繰り返した。
教室には筒夏と志綾、神城紬、それから逃げていなかった瑞那もいた。
「筒夏!どう言うこと?どうして藍が紬を・・」
「・・・醜いな。・・・お前が依頼したんだろう?」
「な、知らない。」
「志飛様・・・意味が」
「筒夏。瑞那は裏切り者だ。繋家の。前々から瑞那を暗殺するように言われていた。」
「誰にですか?」
「当主にだ。」
「・・・でも当主様」
「僕の正体は知らない。ただの暗殺者として要家に勤めている。」
「!」
言葉が出ないのか下を向く。
「瑞那に殺しても良いから紬を殺してって依頼されたんだ。そうだな、釛 瑞那・・・。」
「・・・」
「ねぇ、助けてよ」
神城にナイフを突き付けられている紬が助けを呼ぶ。
「・・・やれ」
「ぐっ」
神城は戸惑う。
「神城・・・。良いのか?お前が殺されるんだぞ。」
「ッ」
「辞めてください!」
筒夏は志飛の方を向いて訴える。
「お前は弱いから止められないだろうな。だから口を挟むな。」
そう志飛が言った瞬間筒夏の中にあるものが切れた。志飛の首を掴んで壁に当てる。力が入り志飛の骨は何本か折れて小さい呻き声をあげて苦しそうに筒夏を見る。
「筒夏。ごめんな」
小さく呟いた。筒夏は志飛を離した。その場に志飛は倒れた。
神城と紬は解放された。
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