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依頼「志飛の本当の姿」
志綾の提案
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「志飛様!」
脅していた神城が紬を解放して倒れ込んでいる志飛に駆け寄る。
「・・・筒夏。」
「・・・ごめんなさい。」
「え?」
「瑞那、紬。ごめんなさい。正体隠していて」
「筒夏、筒夏ごめん」
「え!謝るのは私の方で・・・
「桜川。お前は少し素直になれ」
「え、先生?」
「桜川さん、」
「筒夏ちゃん」
「桜川」
クラスメイトが筒夏の名前を呼ぶ。
「あ、え、意味が・・」
「これは志綾さんの提案なんだ。」
「提案?」
「筒夏。志綾ちゃんから聞いた。クラスメイトも先生も知ってるよ。筒夏が昔人殺しをしていたのを。」
「・・・え」
瑞那がそう言った瞬間筒夏から血の気が引く。体がガタガタと震え出した。
「あ、あ、」
「筒夏!落ち着いて、誰にも言わないから。それにみんな言えない。志綾ちゃんがね皆んなにいろんなことして言わないよう口止めしてた。」
「桜川さん、志綾ちゃんにあとでお礼言っておいて、大量にあった借金を志綾ちゃんが払ってくれて私、転校しなくて良くなったの」
「俺だってあるぜ。志綾はな。病気持ちの弟の治療費を治るまで払ってあげると約束してくれた」
「私はね・・・
「僕はね・・・
筒夏が知らない間に志綾はとっくに行動に移していた。
「うぅ・・」
「筒夏。」
紬が筒夏の肩に手を置く。
「さっきのは志綾ちゃんが提案したものなのよ」
「え、」
「志綾ちゃんが本当の筒夏に戻って欲しいってことで前々から考えてたの。ほら、筒夏。教室出て見て」
紬は筒夏の腕を引っ張って教室から飛び出した。
筒夏の教室以外人のいる気配が無かった。
「・・・学校に誰もいない?」
「志綾さんが校長に相談して今日は臨時休校になっている。」
「先生・・・どうして?」
「それは本人に直接聞くべきだ。」
先生は倒れている志綾を指差す。筒夏は急いで志綾の元に駆け寄る。
「志綾様、志綾様!」
「はーいはーい、どいて、どいて」
急に聞いたことのある声が聞こえた。
「荼泉様と宮南瀬さん?」
白衣を着た宮南瀬と真剣な顔した荼泉が教室に入って来た。
「これは・・」
「筒夏。大丈夫か?」
「荼泉様、私ッもしかして」
「大丈夫。志綾はこれを予想していた。だからここに宮南瀬がいる。」
「力加減出来なくて・・・」
「気を失っているのと骨が何本か折れている。これだけで済んだのは志飛様が昔から訓練していたからだよ。君と」
「・・・」
「紬さんだっけ?怪我ない?」
「はい、大丈夫です。」
「他は?」
「全員大丈夫そう。」
「荼泉様。私はどうすれば・・・」
「水瀬か。この学校で過ごしたいならそのままで、辞めたければ辞めても良い。でも、俺はここにいるべきだと思う。」
「荼泉様・・・もう少しだけ学生として過ごしても良いですか?」
「・・・」
水瀬は頭を下げて友達の元に行く。遠くから「蒼~。」「もう少しだけ友達でいさせて」「蒼はずっと友達だよ~」と聞こえた。
「・・・み、な、せさん?」
「志綾様、良かった。」
「志綾様!私、貴方に」
「つ、つなさん、もう自分の気持ち、隠さなくて良いんですよ。瑞那さんも紬さんも貴方のこととても心配していました。だから貴方は学生として普通の高校生として楽しく過ごして下さい。貴方にとって繋家はただの家で良いんです。だって家族ですから・・恩を返すとか返さないとか考えなくて良いんです。貴方の帰る場所が繋家なだけ。それだけでいいんです。」
「う、ごめんなさい。私ッ」
「はは、筒夏さんの気持ちとても痛いです。でもとてもあたたかい。貴方は使いではなくなりますがこれからも訓練、手伝ってくれますか?」
「もちろんです。ありがとうございます。」
泣きながら志綾の手を握る。
「志綾様、もう寝ましょう。安静に」
「・・・はい。」
宮南瀬が目に濡れタオルを置く。
「皆さん、ご協力ありがとうございました。このことは他言無用で。まぁ、皆さん志綾様に膨大な恩があると思うので言わないと信じています。」
宮南瀬が大き声で言う。
ある者は借金を
ある者は治療費を
ある者は引っ越し費用を
・・・筒夏のクラスメイト全員は志綾のおかげで今後、安定した暮らしができるようになった。
これで裏切るようなことがあれば繋家を恨んだことになる。この街のほとんどは繋家と要家のおかげで成り立っているものだから。
脅していた神城が紬を解放して倒れ込んでいる志飛に駆け寄る。
「・・・筒夏。」
「・・・ごめんなさい。」
「え?」
「瑞那、紬。ごめんなさい。正体隠していて」
「筒夏、筒夏ごめん」
「え!謝るのは私の方で・・・
「桜川。お前は少し素直になれ」
「え、先生?」
「桜川さん、」
「筒夏ちゃん」
「桜川」
クラスメイトが筒夏の名前を呼ぶ。
「あ、え、意味が・・」
「これは志綾さんの提案なんだ。」
「提案?」
「筒夏。志綾ちゃんから聞いた。クラスメイトも先生も知ってるよ。筒夏が昔人殺しをしていたのを。」
「・・・え」
瑞那がそう言った瞬間筒夏から血の気が引く。体がガタガタと震え出した。
「あ、あ、」
「筒夏!落ち着いて、誰にも言わないから。それにみんな言えない。志綾ちゃんがね皆んなにいろんなことして言わないよう口止めしてた。」
「桜川さん、志綾ちゃんにあとでお礼言っておいて、大量にあった借金を志綾ちゃんが払ってくれて私、転校しなくて良くなったの」
「俺だってあるぜ。志綾はな。病気持ちの弟の治療費を治るまで払ってあげると約束してくれた」
「私はね・・・
「僕はね・・・
筒夏が知らない間に志綾はとっくに行動に移していた。
「うぅ・・」
「筒夏。」
紬が筒夏の肩に手を置く。
「さっきのは志綾ちゃんが提案したものなのよ」
「え、」
「志綾ちゃんが本当の筒夏に戻って欲しいってことで前々から考えてたの。ほら、筒夏。教室出て見て」
紬は筒夏の腕を引っ張って教室から飛び出した。
筒夏の教室以外人のいる気配が無かった。
「・・・学校に誰もいない?」
「志綾さんが校長に相談して今日は臨時休校になっている。」
「先生・・・どうして?」
「それは本人に直接聞くべきだ。」
先生は倒れている志綾を指差す。筒夏は急いで志綾の元に駆け寄る。
「志綾様、志綾様!」
「はーいはーい、どいて、どいて」
急に聞いたことのある声が聞こえた。
「荼泉様と宮南瀬さん?」
白衣を着た宮南瀬と真剣な顔した荼泉が教室に入って来た。
「これは・・」
「筒夏。大丈夫か?」
「荼泉様、私ッもしかして」
「大丈夫。志綾はこれを予想していた。だからここに宮南瀬がいる。」
「力加減出来なくて・・・」
「気を失っているのと骨が何本か折れている。これだけで済んだのは志飛様が昔から訓練していたからだよ。君と」
「・・・」
「紬さんだっけ?怪我ない?」
「はい、大丈夫です。」
「他は?」
「全員大丈夫そう。」
「荼泉様。私はどうすれば・・・」
「水瀬か。この学校で過ごしたいならそのままで、辞めたければ辞めても良い。でも、俺はここにいるべきだと思う。」
「荼泉様・・・もう少しだけ学生として過ごしても良いですか?」
「・・・」
水瀬は頭を下げて友達の元に行く。遠くから「蒼~。」「もう少しだけ友達でいさせて」「蒼はずっと友達だよ~」と聞こえた。
「・・・み、な、せさん?」
「志綾様、良かった。」
「志綾様!私、貴方に」
「つ、つなさん、もう自分の気持ち、隠さなくて良いんですよ。瑞那さんも紬さんも貴方のこととても心配していました。だから貴方は学生として普通の高校生として楽しく過ごして下さい。貴方にとって繋家はただの家で良いんです。だって家族ですから・・恩を返すとか返さないとか考えなくて良いんです。貴方の帰る場所が繋家なだけ。それだけでいいんです。」
「う、ごめんなさい。私ッ」
「はは、筒夏さんの気持ちとても痛いです。でもとてもあたたかい。貴方は使いではなくなりますがこれからも訓練、手伝ってくれますか?」
「もちろんです。ありがとうございます。」
泣きながら志綾の手を握る。
「志綾様、もう寝ましょう。安静に」
「・・・はい。」
宮南瀬が目に濡れタオルを置く。
「皆さん、ご協力ありがとうございました。このことは他言無用で。まぁ、皆さん志綾様に膨大な恩があると思うので言わないと信じています。」
宮南瀬が大き声で言う。
ある者は借金を
ある者は治療費を
ある者は引っ越し費用を
・・・筒夏のクラスメイト全員は志綾のおかげで今後、安定した暮らしができるようになった。
これで裏切るようなことがあれば繋家を恨んだことになる。この街のほとんどは繋家と要家のおかげで成り立っているものだから。
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