浮気でレベルアップ

日本統一編

12.覇李への憧れ

～マーリャ救出時～
「私の名前は水瀬覇李。若者たちよ、しけた面してんじゃない！油分足りてるかい？」
そう言う覇李の姿は煙草を銜えた、ジャケット姿のカッコいい女性だった。
「あんたらウエポンズを助けに来たんだよ。こんなとこで未来ある若者を失うわけにはいかないからね」
政府はマーリャと同じく貴重な能力をもった七人の子供をウエポンズと名付けた。七人の中にはまだ小学生のものもいれば、生まれて間もない子もいる。その七人を救い出すために覇李はこの場所にやってきたという。
「で、でも政府の人たちに逆らうと...」
「あんた政府の犬になる気？」
馬鹿にした口調でそう言うと急に真面目顔になり言葉を加える。
「あんたら若者には選ぶ権利がある！そして私たち大人には選ばせる権利がある！こんなところで未来ある若者の人生を終わらせてたまるかってんだよ」
マーリャはその言葉に救われた。政府に追われつ続けこそこそしながら生きていたマーリャにとって、その言葉は天使のささやきと同レベルの言葉だった。
「死ぬな、若者たち！生き抜いてこいつら政府に一泡吹かせようぜ！」
その言葉を合図にマーリャたちウエポンズは支部から抜け出した。そして近くの民家に逃げ込み無事家へと戻れた。後から聞いた話によると、マーリャたちがいた名古屋支部は覇李の単独潜入により全壊したという。覇李にはそれほどの戦力があったということだ。それからマーリャは覇李に憧れ始めた。