浮気でレベルアップ

日本統一編

13.マーリャのレベリアン

「そんな過去あったんだね」
夕は心配そうな目で見つめる。
「あの今は大丈夫なんですか？」
鳴海の心配も分かる。政府に追われ支部まで破壊されたとなると追われ方も尋常じゃなくなるはずだ。
「うん、何故かあれから一切追われなくなったのよ」
安堵の表情でマーリャは言った。
「それにしてもウエポンズって兵器たちって意味ですよね？マーリャさんの能力って何なんですか」
鳴海がすかさず質問する。
「そうね、あなたたちにはいってもいいわね」
そう言うとマーリャは一呼吸置いて話し始めた。
「私の能力は扉。日本には三人しかいないとされる移動系の能力よ」
『え！？』
驚きはこれで終わらない。
「私をさらった政府の一人も移動系のレべリストだったの」
理解が追いつかない。移動系の能力のほかにも貴重な能力はある。しかし移動系はわずか三人という貴重な能力。誰でも知ってるレベルの能力だ。その保持者は誰もが知りたい情報だ。そのレベリストを一気に二人も知った。この驚きは隠せない。
「でも、なんでそんな機密な情報私たちに話してくれたの？」
「それはね夕ちゃん、あんたがあまりに覇李様に似てたからよ。もちろん姿とかじゃなく雰囲気がね」
(私が覇李さんと同じ雰囲気？)
「それからこの際だから言うわね、夕ちゃんと鳴海ちゃんこれからはタメ語で話しましょ。本当は南ちゃんもいるとよかったのだけれど..また今度ね」
照れながら言うマーリャの姿は自己紹介とは全く違う可愛らしい女の子だった。