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第一章 初心者冒険者編
6話 ドラゴンとの邂逅
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この先にある空洞で休憩しよう。
そう考えた三人は力を振り絞りながら歩み、大空洞に足を踏み入れた。
どうやらこの空洞は結構な広さがあるようで、天井もかなり高く、洞窟内にも関わらず解放感を感じさせる。
そんな空洞内を三人が見回していると、何か巨大なものが佇んでいるのが視界に入ったようだ。
巨大な岩だろうか?
洞窟内に岩が突出していても不思議なことではない。
三人はあまり気に留めてはいない様子だが、どうも巨大な何かは動いているようである。
「あの岩動いてないか?」
「本当だね。特殊な岩なのかな?」
「動く岩なんてあるのかしら?」
三人がゆっくり近づいていくと、徐々にその正体が明らかになっていく。
「嘘でしょ……これって……」
とロゼは愕然とし、声を漏らした。
巨大な何かは、決して岩などではなかったのだ。
『グルゥゥ』
佇んでいたのは生物、それもドラゴンだったのである。
翡翠色の鱗に全身を覆われ、岩をも切り裂けそうな鋭く尖った爪に、口元にはどんなものでも喰い千切れそうな牙、目が合ったものに畏怖を与える深紅の眼光。
まさに伝説の生物を体現したかのような佇まいである。
三人は今までに感じたことのない圧倒的な力量差を感じ、その場に立ちすくむことしかできなかった。
その巨体から放たれるオーラは、森の中で出会ったグランスライムの比ではない。
本能が逃げなければと警鐘を鳴らしているのに体は全く言うことを聞かず、眼球さえ動かすこともままならずドラゴンを直視することしかできないほどだ。
それほどまでに、三人の目前にいるドラゴンはこの空間において圧倒的な存在感を放っているのである。
そのドラゴンを直視しながら、何かを察したようにロゼが呟き始めた。
「洞窟内で魔物に遭遇しなかった理由が分かったわ……この洞窟はドラゴンの縄張りだったのね……」
「気にも留めてなかったな……ちょっと考えれば分かったことなのに」
思い返せば三人が洞窟に落ちてから数時間が経過しているのだが、まだ一度も魔物に遭遇していなかった。
運が良いこともあるものだと、あまり気にも留めずに探索していたようだが、今の世界情勢から考えると異常なことだったのだ。
魔界から出現する魔物は、今や世界中に存在する。
それこそ世界中どこにでもだ。
そして、魔物の習性として暗闇を好むというものがある。
となればこれほどまでに広大な洞窟というのは住処にうってつけのはずだ。
それなのに魔物がいないということは、魔物が住めない理由があるということ。
そして、その理由が目の前にいるということである。
三人が冒険に慣れていない証拠だ。
おそらく冒険に慣れていれば、魔物に遭遇しないことを異常に感じもっと慎重に行動できたのではないだろうか。
戦闘の経験が豊富であれば、ドラゴンとの戦いを切り抜けることができるのではないだろうか。
様々な思考が三人の頭の中を巡るが、考えたところで状況が好転することは無い。
あまりにも無力で、運が悪すぎたのだ。
『グルルルル』
腹の底に突き刺さるようなドラゴンの低いうなり声が空洞に響き渡る。
だが、今のところドラゴンにはシルトたちと敵対する意思は見られない。
というのも、ドラゴンというのは昔から大陸に住まう原生生物の一種であり、魔物とは異なった存在なのだ。
人間と積極的に交戦するようなことはないとされており、それどころか大昔の魔王との大戦では人間に力を貸してくれた竜族も存在したという話だ。
知能が高いものになれば交流も可能だというから驚きである。
現に冒険者の中にはドラゴンと共に活動するものもいる。
いわゆる「ドラゴンテイマー」というやつだ。
しかし、そのような情報があるからといって、三人が目の前のドラゴンに対して心を許せるような状況でないことは間違いない。
「ゆっくりと元来た道に戻ろう」
シルトが小声で意思を伝えると他の二人も頷き、同調した。
ドラゴンを刺激することなくその場を離れる。
危機回避をするならば正解の考え方だろう。
三人が息を潜めながらそろりそろりと道を引き返し始めたとき、
『グルァァアアアアア』
突然洞窟中にドラゴンの咆哮が響き渡る。
耳を劈くような咆哮は聞いたものを震え上がらせる力を持っていた。
なぜなら、三人は体が硬直し一歩も動けなくなってしまったからだ。
どうやら目の前のドラゴンが戦闘態勢に入ってしまったらしい。
口元で鈍く光るあまりにも鋭い牙が、ドラゴンに食い殺されるリアルなイメージを三人に連想させている。
三人とも目を瞑り恐怖に怯えているのだ。
なぜドラゴンは急に戦闘態勢に入ってしまったのだろうか?
これはシルト、ロゼ、リヒトへの敵対なのだろうか?
あまりに唐突な出来事は幾つかの疑問を抱かせる。
『………… ―― デッドリーインパルス ――』
空洞内に魔法詠唱が反響したかと思えば、ズドーンと凄まじい威力の雷撃が轟きドラゴンに直撃した。
『グゥァアア』
直撃を受けたドラゴンは体勢を崩し咆哮をあげるが、すぐに体勢を立て直す。
人間であれば即死であろう一撃を受けてもその程度のダメージしか受けないのは、鎧のような鱗のおかげなのだろう。
「一体何が起きたんだ!?」
「分からないわ、でもドラゴンの注意が逸れた今のうちに身を隠しましょう!」
「そうだね!」
目の前で起こった突然の出来事のおかげで、死の恐怖から現実に引き戻された三人は咄嗟に近くにあった岩陰へと身を潜め、成り行きを見守ることにしたようだ。
ドラゴンへ攻撃した謎の存在が自分たちの敵でないことを祈りながら。
そう考えた三人は力を振り絞りながら歩み、大空洞に足を踏み入れた。
どうやらこの空洞は結構な広さがあるようで、天井もかなり高く、洞窟内にも関わらず解放感を感じさせる。
そんな空洞内を三人が見回していると、何か巨大なものが佇んでいるのが視界に入ったようだ。
巨大な岩だろうか?
洞窟内に岩が突出していても不思議なことではない。
三人はあまり気に留めてはいない様子だが、どうも巨大な何かは動いているようである。
「あの岩動いてないか?」
「本当だね。特殊な岩なのかな?」
「動く岩なんてあるのかしら?」
三人がゆっくり近づいていくと、徐々にその正体が明らかになっていく。
「嘘でしょ……これって……」
とロゼは愕然とし、声を漏らした。
巨大な何かは、決して岩などではなかったのだ。
『グルゥゥ』
佇んでいたのは生物、それもドラゴンだったのである。
翡翠色の鱗に全身を覆われ、岩をも切り裂けそうな鋭く尖った爪に、口元にはどんなものでも喰い千切れそうな牙、目が合ったものに畏怖を与える深紅の眼光。
まさに伝説の生物を体現したかのような佇まいである。
三人は今までに感じたことのない圧倒的な力量差を感じ、その場に立ちすくむことしかできなかった。
その巨体から放たれるオーラは、森の中で出会ったグランスライムの比ではない。
本能が逃げなければと警鐘を鳴らしているのに体は全く言うことを聞かず、眼球さえ動かすこともままならずドラゴンを直視することしかできないほどだ。
それほどまでに、三人の目前にいるドラゴンはこの空間において圧倒的な存在感を放っているのである。
そのドラゴンを直視しながら、何かを察したようにロゼが呟き始めた。
「洞窟内で魔物に遭遇しなかった理由が分かったわ……この洞窟はドラゴンの縄張りだったのね……」
「気にも留めてなかったな……ちょっと考えれば分かったことなのに」
思い返せば三人が洞窟に落ちてから数時間が経過しているのだが、まだ一度も魔物に遭遇していなかった。
運が良いこともあるものだと、あまり気にも留めずに探索していたようだが、今の世界情勢から考えると異常なことだったのだ。
魔界から出現する魔物は、今や世界中に存在する。
それこそ世界中どこにでもだ。
そして、魔物の習性として暗闇を好むというものがある。
となればこれほどまでに広大な洞窟というのは住処にうってつけのはずだ。
それなのに魔物がいないということは、魔物が住めない理由があるということ。
そして、その理由が目の前にいるということである。
三人が冒険に慣れていない証拠だ。
おそらく冒険に慣れていれば、魔物に遭遇しないことを異常に感じもっと慎重に行動できたのではないだろうか。
戦闘の経験が豊富であれば、ドラゴンとの戦いを切り抜けることができるのではないだろうか。
様々な思考が三人の頭の中を巡るが、考えたところで状況が好転することは無い。
あまりにも無力で、運が悪すぎたのだ。
『グルルルル』
腹の底に突き刺さるようなドラゴンの低いうなり声が空洞に響き渡る。
だが、今のところドラゴンにはシルトたちと敵対する意思は見られない。
というのも、ドラゴンというのは昔から大陸に住まう原生生物の一種であり、魔物とは異なった存在なのだ。
人間と積極的に交戦するようなことはないとされており、それどころか大昔の魔王との大戦では人間に力を貸してくれた竜族も存在したという話だ。
知能が高いものになれば交流も可能だというから驚きである。
現に冒険者の中にはドラゴンと共に活動するものもいる。
いわゆる「ドラゴンテイマー」というやつだ。
しかし、そのような情報があるからといって、三人が目の前のドラゴンに対して心を許せるような状況でないことは間違いない。
「ゆっくりと元来た道に戻ろう」
シルトが小声で意思を伝えると他の二人も頷き、同調した。
ドラゴンを刺激することなくその場を離れる。
危機回避をするならば正解の考え方だろう。
三人が息を潜めながらそろりそろりと道を引き返し始めたとき、
『グルァァアアアアア』
突然洞窟中にドラゴンの咆哮が響き渡る。
耳を劈くような咆哮は聞いたものを震え上がらせる力を持っていた。
なぜなら、三人は体が硬直し一歩も動けなくなってしまったからだ。
どうやら目の前のドラゴンが戦闘態勢に入ってしまったらしい。
口元で鈍く光るあまりにも鋭い牙が、ドラゴンに食い殺されるリアルなイメージを三人に連想させている。
三人とも目を瞑り恐怖に怯えているのだ。
なぜドラゴンは急に戦闘態勢に入ってしまったのだろうか?
これはシルト、ロゼ、リヒトへの敵対なのだろうか?
あまりに唐突な出来事は幾つかの疑問を抱かせる。
『………… ―― デッドリーインパルス ――』
空洞内に魔法詠唱が反響したかと思えば、ズドーンと凄まじい威力の雷撃が轟きドラゴンに直撃した。
『グゥァアア』
直撃を受けたドラゴンは体勢を崩し咆哮をあげるが、すぐに体勢を立て直す。
人間であれば即死であろう一撃を受けてもその程度のダメージしか受けないのは、鎧のような鱗のおかげなのだろう。
「一体何が起きたんだ!?」
「分からないわ、でもドラゴンの注意が逸れた今のうちに身を隠しましょう!」
「そうだね!」
目の前で起こった突然の出来事のおかげで、死の恐怖から現実に引き戻された三人は咄嗟に近くにあった岩陰へと身を潜め、成り行きを見守ることにしたようだ。
ドラゴンへ攻撃した謎の存在が自分たちの敵でないことを祈りながら。
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