宇宙創造神のペットは規格外と評判です(改訂版)

浦おりと

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第1章

第4話 能天気さんの絶望はこんなもんだよ

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 満面の笑みを浮かべて鏡の前に佇んでいた真琴の笑みが瞬く間に消え去りなんとも哀しみを誘う表情へと一瞬で変化してしまう。転生という不思議体験をしつつ、宇宙創造神のペットなどと現世では些か不名誉な称号を得ながらもチート能力で夢にまで見た理想的な男らしいイケメンモテ姿を思い描いて変身したはずの結果を前にして、真琴は思わず膝から崩れ落ちる。


「ゼノバゼロス様ぁ~ 全然ダメダメな姿に変身しちゃってますけど !!  何ですかこれ ?どんな呪いの類いなの ? お願いですから呪いを解除して下さいよっ ! 世界で一番偉いんでしょーわぁーん、わぁんわん、わぁーん」


まさに号泣この世の終わりのように泣きわめく真琴であった。
そんな真琴を見かねるようにゼノバゼロスが思案顔で声をかける。


「ふむ、そんなに泣くでない真琴。」

「ひっく、ひっく、だ、だっでー 様ぁ~ずびっぐすっぐすっ」

「ああ、これこれ、分かったからそのように泣くでないわ。 そうじゃ、今からワシがいう種族に変身してみんか、外見チェックじゃな。」

「ひっく、ひくっ…… わ、分かり、まし、た、や、やり、ます、ずびっ。」

「よしよし、手始めは何がよいかの? そうじゃ、お主の前世の生き物はどうじゃな? いきなり異世界の生き物はちと難しかろうて、流石に見たこともないものに変身するのは至難じゃろう。」

「分かりました、う~ん、現世で身近な動物、はいっ!『犬』行きますっ!」

真琴が犬の姿を思い浮かべると前回同様、身体が熱を帯びたと同時に虹色の光が弾けその後に現世でお馴染みの普通の犬が現れる。その予定だったのだがやっぱり少し微妙な姿になる真琴の変身だった。大きさはチワワクラスの小型犬、毛並みは眩いばかりのカラフルロング、ある意味とてもラブリーなワンちゃん姿での降臨であった。

「……次は馬、ヤギ、象、ライオン、キリン、くま、猫。。。ラブリーっ !ー やけくそだあああ~ ティラノザウルスっ !」

「「…………」」

現れたのは1m程のクリクリおめ目のカラフルティラノザウルス、恐竜なのにチビで可愛いのは、もはや真琴のデフォルトと言っていいのだろう。さらに、何に変身してもクリクリ瞳でカラフルな容姿も毎回となれば真琴自身もさすがに悟る。

「ゼノバゼロス様、俺の能力チートじゃない、まともに変身出来やしない、カッコよくなれない、全然モテない、あっ !ナイナイ尽くしだ、ラップれるかな ?あはははは。。。ねぇ ?ゼノバゼロス様 ?」

真琴のイケメン願望という強いオーラにしばし言葉を忘れ引き気味なゼノバゼロスを視界におさめながら、笑いながら泣くという離れ業を絶望の内に身に付ける真琴であった。

男子高校生の儚い夢を打ち砕かれた真琴は、前世で読んだ事がある異世界転生モノのラノベを現実逃避の様に思い出していた。

ラノベ主人公は皆、使い勝手の良いチート能力を持ってモテ三昧の日々を過ごし、あまつさえ苦労もせずにハーレムなんてものまで手に入れていたではないかと、それがさも現実の出来事の様に思い始めていた。

「真琴、そろそろ、こちらに戻って来たらどうじゃな? 何処に行っておるのか皆目見当もつかんがの、フォッフォッフォフォ」

カラフルチビティラノザウルスという微妙な姿の真琴に声を掛ける宇宙創造神ゼノバゼロスだったが、いまだ果てのない煩悩世界にもぐっている真琴が浮上するまでしばし苦笑気味に待つ気長な宇宙創造神だった。

「ゼノバゼロス様、呼びました?」

「そうじゃの、茶を三度おかわりするするくらいは呼んで待ったかの、フォッフォッフォフォ」

「……それは、失礼いたしました。鏡の中の自分の姿に奈落の底まで引きずり込まれた気分でした。」

「ふむ、真琴の変身能力は本人の特徴を無視しての変化は無理と見たの」

「げっ !ゼノバゼロス様、マジですか ? やっぱりダメダメ能力。。。シクシク」

「まぁ、そうそう嘆くこともあるまいて。変身はダメでも擬態なら可能かもしれん。厳密に本人ではないだろうが過去に真琴が見た人物と同じ外見になら出来るじゃろ。そもそも今の真琴は種族が神獣だから変身より擬態の方が簡単かも知れんぞ。」

「はぁ、擬態ですか。何だか精神的に疲れたのでチャレンジは後日で……
あっ、でもティラノは嫌なので変身解除~~~」

「フォッフォッフォフォ、愛らしいペット姿にもどったの」

「…… カラフルウサギボールもどきの『宇宙神獣バニボー』
これが異世界転生した俺のデフォ。。。シクシク」


「さて、真琴よ。そちは今までの前世が些か変わっておるのだが自覚はあるかの?」

「むむむ、ゼノバゼロス様、なんて失礼な、変わってませんよ、至って普通ですよ。」


「おお、変な意味じゃないぞ?先に話したじゃろが、そちは何度も転生を繰り返しておると。忘れたかの?フォッフォッフォフォ」

「ああ~そう言えば聞いたような ?気がする ?」

「フォフォ、まあよいわ。そちの前世の地球という世界でも輪廻転生はあるのじゃが、そちは一つの星での転生に留まらずワシが今まで創った世界を転々と転生しておるのじゃよ。まぁ、その理由も察しが付くが……。初めからワシの部下にあたる神々の世界の理から外れた存在が真琴、そちじゃの。」

何だかとんでもないことを聞かせられている真琴であったが所詮真琴である、脳が端から考える事を放棄していた。<PBR>

「ゼノバゼロス様、基本的なところで、
どうして俺はここに転生したんでしょうね ?」

「そうじゃの、本来はまだ転生するには早かったというのが本当じゃな。そこの隅にある箱が見えるかな?あれは星屑の欠片や新たに神を創生した時の不要な魂の欠片なのじゃが、次の星を創生するための力を注いだ器をうっかり箱に入れたようじゃ。そこで発生したモノがそちの魂を入れる器になった神生物じゃな。先に器が出来たせいで、そちの魂が器に呼ばれたということじゃろ。原因はワシじゃな、すまんかったの。」


「ありゃ、宇宙創造神様のうっかりでここに転生しちゃったんですね。ゼノバゼロス様、大丈夫、ノープロブレムですよーペット称号は微妙だけど。それより変身はダメダメだったけど、他のスキルはオレでも使えるかな ?」


日本の男子高校生にはあるまじき疎さを誇る真琴である、ゲームはおろか、ラノベもモテハーレムと分かった時点で嫉妬で読むのを止める程だったのである。妄想無しの筋金入り、リアル煩悩少年なのだ。スキルだチートだと言われても理解出来ない真琴であった。

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