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そのはちじゅうはち
リシェ「優雅なバスタイムを」
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満足するまで晩ご飯を食べた後、サキトは寮内の大浴場に入ってみたいという希望を訴えてきた。それを聞くや否や、ラスは興味無さそうなリシェの方に目を向ける。
気付いた彼は思いっきり嫌そうな顔をしていた。
「先輩!!」
「うるさいなあ」
「まだ何も言ってませんよ!!」
何を言い出すのか予想がついてしまい、つい先走った発言をしてしまうリシェは引っ込みがつかなくなり「顔がうるさい」と変な事を言い出す。
それを聞いたサキトは一瞬目を丸くした後、ついブフッと吹き出してしまった。
「かっ、顔がうるさいって何なの!顔とか!!!んっふは、しっ、失礼過ぎっ…はははははは!!」
サキトも大概失礼だと思う。
ラスは悲しそうな顔でリシェを見た。
「意味が分かりませんよ…」
「…俺も言ってて何だか意味が分からなかった。悪かった」
棒読みで謝るリシェ。だが顔はやや申し訳無さそうなだけマシかもしれない。多少は悪いと思っているようだ。
「うふふ…リシェも君が何を言い出すのか分かってたんじゃないの?大浴場に行きたいからみんなで一緒に入ろうってね」
こういう時のサキトの推察はやたら素晴らしく冴える。
ラスは内心の焦りを隠しながら慌てる口調で釈明した。
「そんな事無いって…俺、そんなにいやらしい人間じゃ」
「は?」
眉に皺を寄せ、リシェは思いっきり嫌そうに返す。完全にラスを否定しているニュアンスだ。
…可愛い顔立ちなのに勿体無い。
「俺は一人がいいからお前が案内しろ。何悲しくて大人数で風呂に入らなくちゃいけないのだ」
「そ、そんな」
完全に嫌がられているのが分かり、ラスはがっくりと肩を落とす。折角彼と一緒に同じ浴槽に入れるチャンスだと思っていたのに。
サキトは凹んでいるラスの腕を引っ張り、「じゃあ行くよ」と促した。
「僕だけじゃ勝手が分からないから君が来ないと」
「普通に入ればいいと思うよ…」
「だから!僕は寮生じゃないから勝手が分かんないの!ほら、はーやーくー!!」
サキトは自分の着替えを準備すると、急激にやる気を無くすラスを引っ張った。仕方無いなあ…と重い腰を上げる。
「先輩ぃ…本当に行かないんですか?」
用意を済ませ、ラスはサキトを連れて向かう時に残るリシェに問う。本を読んでいたリシェは顔を上げてしつこいなあと呟いた。
「行かないよ」
いつもの事じゃないか、と突っぱねる。
彼は部屋に備え付けられているシャワーで充分らしい。
「もう…分かりましたよぉ」
はしゃぐサキトと一緒に、ラスは一旦室内から出て行った。
…数十分経過しただろうか。
こちらに向かって、バタバタと激しい足音が聞こえたかと思うと、いきなり扉が開かれる。
「せ、先輩!!」
リシェは読んでいた本から目線を離し、不愉快そうに開かれた扉の方を見た。次は何の騒ぎを起こしたのかと。
「うるさいなあ。何だよ次は」
「どうしよう、先輩!!」
「何が?」
慌てふためくラスに対し、リシェは冷静に問う。
「サキト君が」
「あいつが何?」
彼が絡むとろくな事にならないのは何となく理解出来た。トラブルメーカーの雰囲気を常に纏っているせいだろうか。
何を言われても驚かないぞ、と言わんばかりに冷静を装う。
「サキト君がみんなを誘惑してる!!」
想像を遥かに超えた話にリシェは黙って本をぱたりと閉じると、無言で自分のベッドに入り込む。ラスは「えぇっ!?」と彼の行動に驚いた。
面倒臭い。リシェは心底そう思う。
ラスは「いやいやいや!」と寝ようとする彼を止めた。
「何寝ようとしてるんですか!」
「いや、本当に面倒なんだ。お前に任せるよ」
そんな、とラスは動揺しながらベッドの上で布団に包まろうとするリシェに対して寝ないでくれと懇願する。
自分には対処のしようが無いからリシェに手伝って貰おうとしたのに。何度も揺さぶりながら彼は叫ぶ。
「先輩、お願いですよ!どうにか止めて下さい!!先輩、先輩!」
必死の訴えにも関わらず、リシェは無言で布団に包まり続けていた。
気付いた彼は思いっきり嫌そうな顔をしていた。
「先輩!!」
「うるさいなあ」
「まだ何も言ってませんよ!!」
何を言い出すのか予想がついてしまい、つい先走った発言をしてしまうリシェは引っ込みがつかなくなり「顔がうるさい」と変な事を言い出す。
それを聞いたサキトは一瞬目を丸くした後、ついブフッと吹き出してしまった。
「かっ、顔がうるさいって何なの!顔とか!!!んっふは、しっ、失礼過ぎっ…はははははは!!」
サキトも大概失礼だと思う。
ラスは悲しそうな顔でリシェを見た。
「意味が分かりませんよ…」
「…俺も言ってて何だか意味が分からなかった。悪かった」
棒読みで謝るリシェ。だが顔はやや申し訳無さそうなだけマシかもしれない。多少は悪いと思っているようだ。
「うふふ…リシェも君が何を言い出すのか分かってたんじゃないの?大浴場に行きたいからみんなで一緒に入ろうってね」
こういう時のサキトの推察はやたら素晴らしく冴える。
ラスは内心の焦りを隠しながら慌てる口調で釈明した。
「そんな事無いって…俺、そんなにいやらしい人間じゃ」
「は?」
眉に皺を寄せ、リシェは思いっきり嫌そうに返す。完全にラスを否定しているニュアンスだ。
…可愛い顔立ちなのに勿体無い。
「俺は一人がいいからお前が案内しろ。何悲しくて大人数で風呂に入らなくちゃいけないのだ」
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サキトは凹んでいるラスの腕を引っ張り、「じゃあ行くよ」と促した。
「僕だけじゃ勝手が分からないから君が来ないと」
「普通に入ればいいと思うよ…」
「だから!僕は寮生じゃないから勝手が分かんないの!ほら、はーやーくー!!」
サキトは自分の着替えを準備すると、急激にやる気を無くすラスを引っ張った。仕方無いなあ…と重い腰を上げる。
「先輩ぃ…本当に行かないんですか?」
用意を済ませ、ラスはサキトを連れて向かう時に残るリシェに問う。本を読んでいたリシェは顔を上げてしつこいなあと呟いた。
「行かないよ」
いつもの事じゃないか、と突っぱねる。
彼は部屋に備え付けられているシャワーで充分らしい。
「もう…分かりましたよぉ」
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…数十分経過しただろうか。
こちらに向かって、バタバタと激しい足音が聞こえたかと思うと、いきなり扉が開かれる。
「せ、先輩!!」
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「うるさいなあ。何だよ次は」
「どうしよう、先輩!!」
「何が?」
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「あいつが何?」
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