『真・らぶ・TRY・あんぐる』

倉智せーぢ

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真・らぶ・TRY・あんぐる 一

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「ねえ、ユカちゃん?」
「なに、留美?」
「おかしくないかな?」
「は?」
立村由香はけげんな表情をし、首を傾げた。
「あたしの格好おかしくないかな? ね、ね、ね?」
彼女の親友・水瀬みなせ留美は、どうやら自分のよそおいについて心配しているらしい。
上から下まで食い入る様に見たが、別に問題はありそうにない。
「大丈夫大丈夫。 おかしくないわ。 いつもどおり可愛いわよ、留美」
半分投げやりになり、ため息をつきそうになりながらも、親友をはげます由香。
「いつもどおりじゃ困るのに……ゆうクンにはいっっっちばん可愛いあたしで告白したいの……」
ほんの少し頬を赤らめながら訴える様に由香を見る
(こういうとこが留美のカワイイトコなのよね……でも、そういうとこは意中の相手に見せなさいっての。 こんなとこで友達相手に何やってんだか……)
とうとう、ため息をつきつつ
「だいたいね、おかしいもなにも……ここは学校で、あんたいま制服でしょうが?」
そう言った由香の声も留美の耳には届いていないようだった。
その証拠に、夢見るような表情で
「佑クン……」
と、つぶやいていたからである。





育嶋いくしま、お客さんだぞ」
級友にそう言われて、育嶋佑は心臓が破れるかと思った。
彼は、ある理由でこの2、3日戦々恐々せんせんきょうきょうとした心境だったのだ。
(来るべきものが来たか……)
そう思いながら、教室の戸の方へ目を向け、別な理由で心臓が高鳴った。
(立村さん……?)
戸の外には彼の思い人、C組の立村由香がいた。
さっきとはうって変わってうきうきとした心境になった佑は足早あしばやに近寄っていく。
「な、なんでしょう?」
「留美」
「はい?」
思わず聞き返した佑。 頭のなかで
(ぼ、僕が、女の子に見えるのかな……)
と由香の目の心配をするが……ややあって、どうやら訪問者は由香の後ろにもう一人いることに気付いた。

二人は小声で
「ほら、留美! 育嶋くん来てくれたわよ! もういいかげんにあたしを盾にするのやめて、おとなしく話しなさい!」
「で、でも……なんて言っていいか……」
「……もう、わかったわよ! 口移しで教えてあげるから、その通りに言いなさい。 わかった?」
「う、うん……」
などと言い合っていたが、佑には
(何か揉めてるのかな……?)
としか映らない。

やがて、由香が後ろへ下がると同時にもう一人が遠慮がちに前に出てきた。
そのもう一人の顔を見て佑はおどろいた。
いや、佑のみならずその教室にいた彼のクラスメートのほとんどが驚いた。
『もう一人』は誰あろう、『校内人気投票ベスト二〇トゥェンティ』にランクインしている美少女として有名な、水瀬留美だったのだ。

「えっと……あの……その……」
思考が空回りしているらしい友人の後ろから、由香が小声で口移しする。
(こんにちわ、あたし、留美。 水瀬留美です。)
「こんにちわ、あたし、留美。 水瀬留美です」
留美がそう言うと、面食らっていた佑も、
「は、……はい、知ってます」
(え、本当ですか?)
「え、本当ですか?)
「え、ええ……水瀬さんて有名だから」
いったいなんで水瀬留美が自分を訪ねてきたのだろう? といぶかりながらも佑は律義にこたえ続けた。
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