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第一章(約11万字)
第49話:再会
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◇
アーネスに戻り、依頼の達成報告のため冒険者ギルドへ向かっていたときだった。
「あれは……」
俺たちとは逆に、これから街の外に出ようとしている見覚えのある顔ぶれが視界に入った。
稲本たちである。
俺が知る五人に加えて、俺が見たことのない男性冒険者が一人加わっている。
「カズヤさん、あの人たちって……」
「わかってる。気づかなかったことにしよう」
「……わかりました」
シーナも稲本たちとは苦い経験があるため、すぐに気がついたようだ。
他の四人とは邪険な仲というほどではないが、稲本がいる間は話をする気にもなれない。
幸い、向こうは俺の姿に気づいていない。
顔を背けてバレないよう通り過ぎようとした時だった。
「ん、アリアじゃないか。依頼の帰りか?」
稲本たちと一緒にいる金髪の男性冒険者がアリアに話しかけてきた。
一斉に稲本たちも俺たちに注目する。
目が合った。
……気まずい。
いや、俺が気まずく思う必要はないのだろうが、正直気づかれたくなかった。
「えっと……アリアの知り合いなのか?」
「……うん。まあ、一応」
俺が尋ねると、アリアは渋々といった感じで認めた。
アリアの反応を見るに、それほど仲が良い間柄ではないのかもしれない。
「おいおい……一応って酷いな」
ラッシュはため息をついた後、俺たちの方を向いた。
「急にアリアに話しかけてしまってすまない。僕はラッシュ。僕とアリアは同郷の出身でね。たまたま見かけたからつい声をかけてしまったんだ。えっと……君たちはアリアの仲間なんだよね?」
嫌味のない笑顔をこちらに向けて自己紹介をしてくれた。
典型的なイケメン陽キャという感じの男だな……。
本物の陽キャは、俺のような隠キャ相手でも自然と話しやすい雰囲気を作るのが上手い。
「俺は旭川和也だ。アリアとは一時的にパーティを組んでる」
「弟子のシーナです」
こちらも自己紹介を済ませた後、稲本がシュバっと俺たちの前に出てきた。
頭でも下げてくるつもりだろうか。
いや、このクズに限ってそれはないか。
「旭川、お前はずいぶんと順調そうだな」
「ああ、お陰様でね」
「ふん、そうか」
ある意味、俺がハズレ職だと思われていた『ガチャテイマー』の真の力に気付けたのは、稲本にパーティを追い出されて一人になったことで必要に迫られたからだ。
あながち間違いというわけでもない。
まあ、とはいえ皮肉を込めた返事ではあるが。
「こっちは、星5の金死霊術士が仲間になったんだ。ラッシュはめちゃくちゃ強い。あいつのおかげで俺たちもようやく戦い方ってもんがわかってきた」
「そうなのか。……良かったな」
何の報告だろうか。
意図が掴めず、反応に困ってしまう。
俺が微妙な反応をしていると、稲本はイラッとした様子で言葉を続けた。
「今日の依頼をこなせば、確実にDランクに上がる! どう思う?」
どう……とは?
まさか、こいつは自慢をしているつもりなのか?
アーネスに戻り、依頼の達成報告のため冒険者ギルドへ向かっていたときだった。
「あれは……」
俺たちとは逆に、これから街の外に出ようとしている見覚えのある顔ぶれが視界に入った。
稲本たちである。
俺が知る五人に加えて、俺が見たことのない男性冒険者が一人加わっている。
「カズヤさん、あの人たちって……」
「わかってる。気づかなかったことにしよう」
「……わかりました」
シーナも稲本たちとは苦い経験があるため、すぐに気がついたようだ。
他の四人とは邪険な仲というほどではないが、稲本がいる間は話をする気にもなれない。
幸い、向こうは俺の姿に気づいていない。
顔を背けてバレないよう通り過ぎようとした時だった。
「ん、アリアじゃないか。依頼の帰りか?」
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一斉に稲本たちも俺たちに注目する。
目が合った。
……気まずい。
いや、俺が気まずく思う必要はないのだろうが、正直気づかれたくなかった。
「えっと……アリアの知り合いなのか?」
「……うん。まあ、一応」
俺が尋ねると、アリアは渋々といった感じで認めた。
アリアの反応を見るに、それほど仲が良い間柄ではないのかもしれない。
「おいおい……一応って酷いな」
ラッシュはため息をついた後、俺たちの方を向いた。
「急にアリアに話しかけてしまってすまない。僕はラッシュ。僕とアリアは同郷の出身でね。たまたま見かけたからつい声をかけてしまったんだ。えっと……君たちはアリアの仲間なんだよね?」
嫌味のない笑顔をこちらに向けて自己紹介をしてくれた。
典型的なイケメン陽キャという感じの男だな……。
本物の陽キャは、俺のような隠キャ相手でも自然と話しやすい雰囲気を作るのが上手い。
「俺は旭川和也だ。アリアとは一時的にパーティを組んでる」
「弟子のシーナです」
こちらも自己紹介を済ませた後、稲本がシュバっと俺たちの前に出てきた。
頭でも下げてくるつもりだろうか。
いや、このクズに限ってそれはないか。
「旭川、お前はずいぶんと順調そうだな」
「ああ、お陰様でね」
「ふん、そうか」
ある意味、俺がハズレ職だと思われていた『ガチャテイマー』の真の力に気付けたのは、稲本にパーティを追い出されて一人になったことで必要に迫られたからだ。
あながち間違いというわけでもない。
まあ、とはいえ皮肉を込めた返事ではあるが。
「こっちは、星5の金死霊術士が仲間になったんだ。ラッシュはめちゃくちゃ強い。あいつのおかげで俺たちもようやく戦い方ってもんがわかってきた」
「そうなのか。……良かったな」
何の報告だろうか。
意図が掴めず、反応に困ってしまう。
俺が微妙な反応をしていると、稲本はイラッとした様子で言葉を続けた。
「今日の依頼をこなせば、確実にDランクに上がる! どう思う?」
どう……とは?
まさか、こいつは自慢をしているつもりなのか?
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